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午後からのイベント準備で、必要なものを取りに行くために資材室に向かっていた。
朔間先輩を見たあとのもやもやとした感情を払拭するべく、とにかく動いて気を紛らわしたいという思いから、率先して動いている。
資材室にたどり着いて扉を開けようと手を伸ばしたところで、中から人の話し声が聞こえて体の動きを止めた。
時々笑っていたりするところを見ると、どうやらイベント準備の活動をサボっている生徒だと見受けられた。
(まあ、サボる生徒もいるよな…。皆が皆、真面目にやるほど整ってないし…いや、むしろ今までと比べれば今は積極的に動いてる方だ。)
それも転校生や真緒たちのユニットの働きのおかげだろう。俺だってサボりたくなるけど、一生懸命、人一倍動き回っている真緒を見ていると幼なじみとして放っておくわけにはいかない。
さっさと必要なものをとって持ち場に戻ろうと扉に手をかけたところでつい聞こえてきた内容に耳を傾けてしまった。
「あ〜、だりい。俺らの準備箇所、地味すぎてやる気が出てこねえんだけど。」
「わかる。どうせ今回のイベントも強いユニットしか目立てないだろうし。頑張っても無駄っつうか。」
「1、2年に任せようぜ。ほら、確か俺らのとこって2年のみょうじがいたよな?あいつなら言う事聞くだろ。」
「確かにいたな。あの朔間零のパシリか。」
(…は?いやいや、俺の名前が聞こえた気が…)
「そうそう、いつも使われてるよな。あいつに全部任せとけば俺らもやらなくてすむんじゃねえ?」
自分の名前に反応して、扉にかけていた手を下げた
自分の名前以外に会話に出たもう1人の名前を聞いた瞬間、俺は周りからそう見られているのかと軽くショックを受けた。
いや、周りからそう見られてもおかしくないことは重々分かっていた。分かっていたけれど、こうしてこんな状態でまるで陰口のように言われているところを聞くと、誰だって気分は下がるはずだ。
「朔間零のパシリ」という言葉が突き刺さって、とにかく資材室から離れたかった。
ため息を深く吐いて、来た道を戻る。
(俺だって好きでパシられてるわけじゃないんだぞ?不可抗力だからであって…)
なぜだか下がっていた気分も、別のベクトルに向かいムカムカと腹が立ってきた。
こんなに気分が変動するのも、全て朔間先輩やあの陰口をいう先輩たちのせいだ。
完全にやる気が失せた俺は、むしゃくしゃする気持ちを無理やり抑えるために、いや落ち着かせるために少し休憩でもしようと適当に空き教室に入った。
あくまで休憩であってサボるわけじゃないんだ、あいつらとは違う、と言い聞かせながら入った教室の中にいたのは、俺が今1番顔を見たくない人だった。
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