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「今日は早く帰るから待たせるんじゃないぞい?」
俺が買ってきた昼飯を頬張りながら朔間先輩はいきなりこんなことを言い出した。
一時ストップしていた奴隷のような扱いもいつの間にやら再開されていて、今日も今日とて俺はこの朔間零という男のために駆けずり回っていた。
『え…?いや、俺、放課後は校内アルバイトの手伝いがあるんで…』
生憎今日は予定があるのだ。何をするつもりなのかは知らないが今日は朔間先輩には付き合えない。
「校内アルバイト?…ふむ。サボれ。」
『えええ?!いや、無理ですよ。約束してるし。』
「校舎出たところで集合じゃ。待たせた場合は…、分かっておるの?」
朔間先輩はお前に拒否権はないという笑顔でにこりと微笑んで「それじゃ我輩は一眠りするとしよう」とあくびをしながら棺桶に入った。
『はあ、無茶言う…。食べてすぐ寝たら牛になりますから…』
この俺様の都合に無理やり合わせられることにすこしでも抵抗したくて皮肉を込めて呟くと、棺桶の中から凄まじい勢いで物体がとんできて俺のおでこにクリーンヒットした。
『いでっっ!!』
おでこを抑えながら、今日は校内アルバイトの手伝いができなくなったとみかくんに謝罪のメールを送って、心の中で再度ごめん、と謝った。
***
待たせるな、何て言っておきながらあの人は俺をどんだけ待たせるんだ。
もうかれこれ30分はたっている。
どうせ、棺桶の中でぐっすり寝てるんじゃないだろうか、と考え起こしに行こうとしたところ玄関から出てくる朔間先輩が見えた。
「ふああ…、夕方とはいえまだ明るいのう。」
悠々と歩いてくる朔間先輩にイラッとする。
『…待たせたのはどっちなんですか。こっちは友達の約束、無理やり破ってまで…』
「我輩を優先させるのが当然じゃろう?」
さも当然というように首を傾げるこの人は本当に何様のつもりなのか。
『ああ…話してると俺の感覚がおかしくなるのでやめてください。』
もう話すこと自体を拒否しようとすると、朔間先輩は手にしていた鞄を俺の背中にバシッと当ててきてむせる。
『ごフッ…!く…このDV吸血鬼…』
「あ?何か言ったかの?ほら、さっさと歩くぞい。」
あ? と言う朔間先輩の目が心底冷えていたのでこれ以上反抗するのはやめておいた。さもないと俺の身が危険だ。
歩き出した朔間先輩の後ろを追いかけるようにして俺もついていく。
で、どこに向かっているんだろうか?
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