女神が幸村先輩、屈強な侍は真田先輩、目開いてんのか分かんない人が柳先輩、眼鏡のきっちりした人が柳生先輩。
覚えた、理久、先輩達の名前覚えた。
「魔法が存在しているとは……あと聞きたいのだが…」
さっきから質問が止まらないのは柳先輩である。私の言葉を逐一ノートに書きながら次から次へと質問を投げかけて来る。
そのノートどっから出したの?亜空間でも持ってるの?
「ちなみに、何かを修復することもできたりするのか?」
「できますよ大抵は」
「本の修理も?」
「あできますできます!図書室の古い本って結構ボロボロの多いですよね、私自分が借りた本とかちょっと直しちゃってました」
「君だったのか…どうりで前見た時は傷んでいたはずの本が綺麗になっているわけだ」
フッと微笑む柳先輩は、よくやった!と言わんばかりに頭を撫でてきた。わしできる魔女やろ?そうやろ?
「なあ!今ここで柳生さんの眼鏡割ったらそれ直せる!?ほらあの映画みたいに!」
切原先輩が少し興奮気味に会話に入ってきた。眼鏡直す映画ってあれか?ハリーな〇ッターか?
それとあんた先輩の眼鏡割ろうとすんなよ。
「切原君、私の眼鏡で実験しようとしないでもらいたい」
「えー!だって見たいじゃないっスか!柳生さん眼鏡貸してください!」
「貸しません!」
そりゃそうだ。何で大事な眼鏡割られるって分かってんのに貸さなきゃならないんだ。切原先輩は断固として眼鏡を貸してくれない柳生先輩に対してケチと叫んでいる。違う柳生先輩が正しいからな。ケチとかの問題じゃないからな。
そんな二人を横目に少し考える。
「眼鏡直す魔法…あれ呪文なんでしたっけ……忘れちゃったなあ…ビューンヒョイ?」
「ちげーだろそれ、眼鏡直す時の魔法の動作じゃねーし、そもそも呪文じゃねーし」
なんとなく覚えている動作を指でやってみると、呆れた顔で丸井先輩が指摘をしてきた。あれ違ったっけ
「それ物浮かすやつじゃろ。浮かしてどーする」
「ハッ!パトローナムだ!」
「守護霊の呪文だろそれも違う。たかが眼鏡に守護霊呼び出すなよぃ」
「丸井君!!たかがって何ですかたかがって!!」
「紳士がそんな声荒げるなって…」
切原先輩と言い合いしているにも関わらずこちらにもツッコミを入れてくる柳生先輩はさすがだと思う。
荒れている柳生先輩を見て仁王先輩は腹を抱えて爆笑していた。二人はダブルスコンビなのだそう。意外だわ。
「俺植物育てるの好きなんだ。何かあったら頼ってもいいかい?」
「もちろんです!幸村先輩の頼みなら!何でも!どこでも行きます!」
私の勢いに若干引き気味の幸村先輩だが、そんなの関係ねぇ
女友達の居ない私にとっては、先輩には申し訳ないけど大変癒しになる。本当ありがたい。
そしていい加減うるさい切原先輩に対して真田先輩がキレた。咆哮だ咆哮。
「赤也!!!!静かにせんか!!!!!」
「ッ!?ふ、副部長だってうるさいじゃないっスか!」
「なんだと!!?」
「すいませんでした!!!!」
叱られる切原先輩はブルブル震えていてそれはもう面白かった。人間バイブレーションだ。
「猫宮、また呼び出されることあったら俺らに言えよ」
ぽすっと頭に手を置かれ、丸井先輩が覗き込んできた。表情にはどこか心配の色が窺えて、先輩優しいなあなんて感動してしまう。
「呼び出されたの?」
幸村先輩が不思議そうに首を傾げる。
「女子としては、俺らと仲良くしてんのが気に喰わねーんだってさ」
「ああそういうことか……女子の世界は怖いなぁ…」
「一応釘は刺したけど、二度目が無いわけじゃねーからな。気をつけろよ」
「丸井先輩マジ先輩っすね、感動した」
「意味分かんねーよ」
真剣な目でそう言ったのに、丸井先輩は馬鹿にしたように笑って手の甲で私の額を小突いた。確かに少し語彙が不足していたかもしれないけど何となく感じ取ってほしい。つまりそういうことなんだ。先輩っぽってことだ。
「俺も力になれることがあれば何でも言ってね」
「いやいや…ありがとうございます」
別に大丈夫なのにな。伊達に今日までぼっちだったわけじゃないよ。
私は申し訳なさそうに笑って、彼らにお礼を言った。