「海だー!!!」
燦燦と輝く太陽の光に照らされた水面がキラキラと輝き、視界いっぱいに青い海が広がっている。鼻腔をかすめる潮の匂いに気持ちが高揚した。
「うわーすっげえ人の数」
目の前の海に目を輝かせていると、後ろから聞こえた声に振り返った。
うっふぉ………海以上に目が痛い光景だな…
振り返った先には、水着姿の先輩達が勢揃いしていた。砂浜に溢れ返る人の数に、切原先輩が苦笑を漏らしていた。…先輩達……明らかに周りの女性の目を引きまくっている。えーこれ……他人のフリしたい…この人達の中に混ざりたくねぇ…
そっと彼らから距離を取り、周囲の人間に紛れてみる。が。
「猫宮何で離れてくんだよ」
後退りしていた私の腕を、切原先輩が掴んで思い切り引き寄せる。慣れない砂浜に足がもたついて、顔面から切原先輩にぶつかってしまった。
「お、わりぃわりぃ」
赤くなっているであろう額と鼻を押さえながら見上げれば、彼は申し訳なさそうに笑っていた。くっそイケメン。切原先輩マジイケメンっす感服しました。
「おいそこいちゃつくな」
後から来た丸井先輩が目を細めてこちらを睨んでいる。うーわもう先輩達かっこよすぎだろ私一緒に居たくない…女子達の目がやばい殺されそう。
「わあ、猫宮さん可愛いね」
今日も今日とてお綺麗な幸村先輩に微笑まれながら可愛いと褒められた。でっへへへへお世辞と言えども嬉しいですねぇ
奈々先輩と一緒に買った水着は、下はぴったりとしたデニムショートパンツに、上は紺色の三角ビキニトップだ。うぇーい奈々先輩一押しです。ありがとうありがとう。
「幸村先輩も一段とかっこいいですね」
「ふふ、ありがとう。猫宮さんが居てくれると華やかでいいね」
「私に華やかさを求めますか…」
私は華やかさ担当なのか…いいのか私にそんなのも求めて……
ふと、視線を感じて横を見ればどこか真剣な表情の仁王先輩と目が合う。何だ。
「?何ですか仁王先輩」
「……お前さん、着やせするタイプか」
「今どこ見て喋ってます??」
セクハラで訴えるぞ?
「お前達、海に入る前に準備運動を忘れるなよ」
「わかってますよ副部長〜」
腕を組み、威厳を放つ真田先輩が力の籠った目を向けて来る。うえー真田先輩筋肉やっべーかっけー
周囲の視線は未だ変わらないが、この際無視だ。無心になれ自分。
「今日はジャッカル先輩と一緒に居たい…」
「何だ急に」
「安心感のある人と居たい……周りの女子の視線が怖い…」
「そんなこと言ったって、すぐあいつらに捕まるぜ」
「やだな〜瓶とか飛んできたらどうしよう……」
「漫画の読みすぎだ」
少し呆れ顔のジャッカル先輩に笑われ、控え目に頭を撫でられる。ああ、今日はずっとジャッカル先輩に付きまといたい……
「ほら準備運動しとけー」
「へーい」
先輩と二人で軽い準備運動をして、私は海へと駆けて行った。