魔女の悲願V2達成

「マジであった…」

ビルの中にある化粧品売り場へ行くと、財布は確かにあった。まあ見えたからね、あるよね。
ちゃんと財布があったことに驚き、自分が持つ財布と私に交互に視線を動かしている。

「良かったねぇ」
「ありがと」
「いえいえ〜じゃあ私帰るね」
「せっかくだしご飯食べてかない?椿も居るけど」

椿というのは多分三木さんのことだ。おいマジか大丈夫なのかな私行って

「椿、すごい占い大好きだから。多分喜ぶよ」
「マジか…」
「だから行こう」

清水さんほんと表情変わんねーなー……清水さんはクールで、三木さんは少しお茶目な女の子という印象。いつも喋ってるのって三木さんな気がする。

三木さんが待っているというファミレスに行くと、既に席に座っていた。

「由奈遅い!……って誰それ」
「財布見つけてもらった」
「えマジで、どこにあったの?」
「さっき一緒に寄った化粧品の店」
「マジで?よくわかったね」
「この子の占いめっちゃ当たるよ」
「はい詳しく!それ詳しく!」

占いという言葉を聞いた途端目の輝きが変わった。はよ座れと促されすごすごと席に座る。目の前には清水さんと三木さん。なんだこれ、面接かよ。

「何でも占える!?」
「何でもいけます」
「じゃあさ〜もうすぐ夏休みじゃん?夏休み入ったらそっこー彼氏とぷち旅行なんだけど、大丈夫かな?問題起きたりしないかな?」

ということは、ぷち旅行の最中とその前後を見ればいいのか。

「カード一枚引いてください」
「一枚でいいの?」
「うん。それで全部分かるから」

三木さんは少し怪訝な様子だったが、とりあえずといった風に一枚カードを引いた。
そのカードを受け取り、占い結果を読み取る。

「あ、三木さんバイト少し減らしたほうがいいよ。旅行直前で体調崩す」
「げっ……」
「体調崩したまま旅行行って、彼氏さんと喧嘩しちゃうねぇ」
「ありそう」

清水さんがぷぷぷと笑っている。きっと前にもあったのだろう。

「三木さん、バイト先でかなり優秀だからシフトたくさん入ってくれてるの助かるって店長さん思ってるけど今回はかなり詰め込んでるから心配されてるよ」
「あー……何回か言われたんだよね…減らしたら?って」
「減らしたほうがいい。確実に体調崩します」
「ちょっと店長に連絡してくるわ」

思い立ったが吉日、三木さんはすぐ店長さんに連絡をしてシフトを減らしてもらったようだった。自分の体のことだからね、早いに越したことはないね。

「てかさ、あんた同じクラスだったよね?今思い出した」
「猫宮です」
「あんたテニス部と仲良いからさ、もっときゃぴきゃぴしてんのかと思ったけど、普通だねぇ」
「もっときゃぴきゃぴできてたら友達居たんだけどね…」
「あーだめだめ、碌な友達できないから。あんたはそのままでいいよ」

三木さんはニッと笑いかけてくれて、手を差し伸べてきた。

「だから私らと友達になろ!」
「あんたそれ、占いしてもらいたいだけでしょ」
「それもあるけど!」

清水さんから鋭いツッコミが入り、三木さんが少し動揺した。まあある意味「利用したいから友達になろ」って言われているようなものなのだろう。けど私としては大歓迎だった。むしろクラスの他の子より、ずっと付き合いやすい。

「是非!よろしくお願いしたい!」
「やった〜!」
「椿にパシられそうになったら言ってね、シメとくから」
「そんなことしねーわ!!」

二人の仲良さげな様子に、少し顔が綻んだ。