学校が終わり、一旦家に帰ると食材の買い出しに出掛けた。
主婦の皆さんにもまれながらぽいぽいと食材をカゴに入れちゃっちゃとレジを済ませる。袋が少し重いが、そこは魔法で軽量化した。好きなお菓子も買えたし満足じゃーと店を出ればあら不思議。
土砂降りやないかい。
えっさっきまでめっちゃ晴れてたのに……これがゲリラ豪雨…
わお……こんな中先輩達テニスしてんのかなぁ……あ、もう終わってる時間か。運よく雨に当たってなきゃいいな
暫くぼーっと外を眺めていれば雨がぴたりと止んだ。有難い。無駄に濡れずに済んだ。
店を出て歩いていると、何やら賑やかな声が聞こえてきた。うわぁこの声知ってる
「ちっくしょー何だよさっきの雨!!ゲリラ過ぎだろぃ!!」
「ずぶ濡れじゃのう」
「皆、風邪引かないようにね」
ちらりと顔を向けてみれば、もれなく全員ずぶ濡れの先輩達が居た。ああっ幸村先輩濡れていても素敵!
「あー!!!理久!!いいところに!!」
「見つかるのが早い」
ナイス!!な顔をした丸井先輩に全力で手招きされる。しゃーねーな…
「見事に降られましたねぇ」
「夏とはいえこのままでは風邪を引く危険がありますね」
濡れてしまった眼鏡を拭きながら柳生先輩が困った様子でそう呟く。待って待って柳生先輩眼鏡外すとやばい何このイケメンちょっえっ
思わずガン見してしまう。ゲリラ最高。
「どうしました?」
「なんでもないですぅ…」
首を傾げた柳生先輩から即座に目を逸らす。いかん、予想外だ。
「じゃあ皆さん乾燥しときますか〜」
「待ってた〜!」
「はい"乾燥"」
さすが!と丸井先輩が褒めてくれるので少し浮かれてしまう。
へへへと照れ笑いしながら手を二回叩けば瞬時に全身乾燥された。
「便利なものだな」
「帽子もちゃんと乾いてますか?」
「問題ない」
フッと笑う真田先輩に若干ときめく。普段厳つい顔してんのにな……こういう意図しない笑顔って知らないところで女子を落としてんだよな。今まさに落とされそうになったわ。
そして勝手に人の買い物袋を漁る丸井先輩と喧嘩をして、少し遅めの帰宅となった。
ちくしょうお菓子取られた。私の!!お菓子!!一番食べたかったやつ取られた!!!くそ見てろよいつか仕返ししてやるからな!!!泣いてない!!!
悔しさは胸の奥に仕舞い、今日は何を作ろうかなと阻止した菓子をつまみながら、既に覚えてしまったレシピ本を広げた。