怪盗×正体×同属の香り
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『……まさか、タワーを破壊するほど君のパワーが強いとは思わなかったが、406番には多数決の道に同行してもらう』
ここは試験官の指示に従って置くか。たしかに、さっきみたいに地面ぶち抜いてたらタワー倒れるかもしれないしな。仕方ないか。べ、別にゴンと同行できるから従うわけではないぞ……?
「おい、顔がにやけてんぞ」
「そんなことはないぞレオリオ。俺はいたって普通だ」
ゴンは俺にとっての天使だから見張ってないとね。いつ誰に何をされるか心配でならないんだよ。そうだ、つまりはゴンのためだな。
「なんだかロウ最近性格が変わったんじゃないか……?」
「そ、そんなことはないよ。クラピカの気のせいじゃないか?」
しいていえば、ゴンに対する評価が俺の中で高騰した位だが、根本的な所は変わってないはずだ。そのはずだ。原因はそれにあるかもしれんが気にしちゃ負け。
「さてと、これから何するんだ?」
「誰かさんのせいで、これから50時間待たされるんだぜ」
何か嫌味っぽい言い方だな。ところで、こんな奴いたっけか?いや待てよ、この胡散臭さは前に一度体験してるな。
「……あぁ!!俺に怪しいジュースをプレゼントしようとした胡散臭いおっさんか!!!!」
「なっ!?喧嘩売ってんのか!!」
「あっはははは!ロウ本当のこと言っちゃ駄目だぜ!」
なんで、キルア達が笑ってるんだ?駄目だ状況が読めない。しかし、50時間待たされるのは本当らしいな。
「しかし、すまねぇな。俺が賭けで負けたから……」
「ん?別に俺は良いよ。ゴンと50時間のパラダイスなら願ったり叶ったりだ」
そう言ってみれば、レオリオはくるりとゴンの方に向いて頭を下げていていた。こいつ、俺を馬鹿にしとんのか!?
でも、みんなは試合してたのかあ。俺もこういう試験やってみたかったのに残念だな。何で俺の試験は暗黒の空間でゴールまで眈々と歩かされるとか言う誰得な試験にしたんだよ。
『どうだ、406番。お前もやってみるか?』
なんて都合の良いような事を言うのは三次試験の試験官だった。物凄くやってみたい。あの蔵馬の修行を終えたのに、まともな事をやったのがヒソカに蹴りを入れた事くらいだからな。
『この勝負に勝てば50時間分の待ち時間を無かった事にしても良い』
「なっ、なに……?」
なんで、こんなに気前が良いんだ?怪しそうだけど、そんなればそうなるほどやってみたいんだよ。だが、それをやると一つ困る事があるんだよな。
「勝てばゴンとの50時間パラダイスがなくなるんだよ!そんなの俺にとってマイナスじゃないか!」
『しょ、少々待って欲しい』
実に困惑した様な喋り方だな。多分俺を少し引いたな?まぁ、普通は50時間のペナルティがチャラになるならチャレンジはするんだろうが、俺はゴンとのパラダイスを楽しみにしているんだ。
二分ほど経てば、試験官リッポーから新たな提案が伝えられる。
『……では勝負に勝てば、待ち時間中に使用する為のダブルベッドを用意しよう。それで……405番と一緒に寝ることができるという条件ならどうだ?』
「え、何で!?何で俺とロウが?」
「それは知らなくてもいいことなのだよゴン」
やばいゴンの反応が可愛い。試験官の意図が理解できてないんだな。まぁ、変態並みの考えなんてゴンには理解できるハズないよな。というより、ゴンには理解して欲しくないし。
しかし、何故ここまでして何で俺を勝負させたいんだ?奴にメリットがあるとも考えられないし不思議でならんな。
……もしかして罠か?いや、俺の正体に疑問を抱いたから正体を暴くために、ということも考えられるな。なら罠じゃねーかよ。
「ロウ、やめておけ。試験官のリッポーは何かを企んでいる。無理に勝負に出る事はない」
「そう言われると出たくなる」
「なっ、ロウ正気なのか!?」
ちょっとだけ出るのやめようと思ったけど、ゴンとのダブルベッドが無くなると思ったら無償に後悔し始めるんだよ。
『(やはり、この手の変態はこう言う欲求には弱い)さて、対戦相手を送る』
対戦相手か。並大抵の奴なら一撃で仕留めれるが誰が来るか。まぁ、俺の存在を知りたいならば相応の奴を送り込んでくるか。
「ロウ気をつけろよ」
「レオリオ?」
妙に心配した表情してるな。もしかして、結構やばい連中が集まってたのか…?別に一体一で戦うなんて試験官は言ってないし、何より闘い以外の勝負をさせられるなら勝てるか分からない。
「まぁ、取り敢えず瓦礫を撤去しにいくよ」
「お、おいロウ!!」
こうして見ると結構ハデに瓦礫をばら撒いてしまったみたいだな。邪魔だし、ここにある瓦礫全て気合いで吹っ飛ばしておこう。
「ハァッ!!!!」
気合いを入れると激しい音と共に瓦礫が吹き飛ばされリングの外へ落ちて行った。これで、心置きなくやれる。
「もう、いるんだろう?俺の相手が」
「……私の存在に気づくとは中々腕が立つみたいね」
成る程。やはり、俺の実力を知る為にゲームに俺を参加させたのか。先ほど、タワー内に妖気を充満させた時にサトツやメンチとかのオーラも感じ取ったところを考えると、この考えが適切だな。
「ふふ、あんたみたいな坊やから強力なエナジーが放たれてるとは思いもしなかったわ」
「そうか。なら、はじめよう」
相手の実力は不明。力を隠しているのは相手も同じだが、妙な何かを感じる。他とは違う何か。そして、俺とも違う何かが。正確に言えば、奴のオーラから俺と共通するものも存在する。
「あ、あいつは怪盗のルミナだ」
「私も聞いた事がある。怪盗劇だけが注目されていたが戦闘においても腕が立つと」
と言う事は、有名人というわけか?
まぁ、この俺相手に何秒持つかな?流石に手加減くらいはしてやろう。
「さて、勝負方法は戦闘。殺されるか降参するかで、負けで良いわね?」
「取り敢えずは戦闘での勝負で安心したぜ」
「じゃ、始めるわね」
しかし、こいつの不敵な笑みは何だ。何かを企んでいる事には間違いないが、この手の奴を相手にするのは経験不足と言う点で得意ではない。
「っ!?」
こいつ予想以上に素早いな。だが予想外ではない。神経を研ぎ澄ませば居場所はわかる。何よりも蔵馬の方が圧倒的に早かった!
「ここだ!!」
斜め後ろに肘鉄を入れるとルミナにクリーンヒットして、その衝撃でルミナはタワー内の壁に直撃する。しかし、予測していたかのようにガードされた。
「ちっ、ガードされたか」
「私のスピードについてこれるのか。でもね、まだ実力の半分の速度なんだ」
「それは面白い」
真実かハッタリが定かじゃないか、楽しめそうだ。
「なら、全部かわせよ!!」
ルミナめがけて手をかざす俺はオーラを集中させエネルギー弾を放った。本気で撃ちたいが、撃てば当たる代わりに相手が死にかねないからな。
一応は相手の命を尊重する方なんだぜ?
「ふふふ、当たるとでも思うの?」
「やはり、素早いな」
余裕こきやがって。マックスで、そのスピードなら俺の方が速い。それも、圧倒的にな。だが、それだと気弾を当てられなかったみたいになるから、この女は気弾で仕留める!
5発連続で放つが擦りすらしねぇな。
あいつ何か能力でも持ってるんじゃないか?俺の光弾から自動で離れるような能力とか。
「ふぅ、勝負は私の負けでいいわ」
「……は?」
辺りを見渡したルミナは降参した。意味がわからないんだが。何か狙っていたのかこいつ?それに、まだ全力出してるようには見えなかった。
「あんたには感謝しなくちゃね、同房のの天の狼さん」
笑うルミナは俺にそう言った瞬間にルミナの背からオーラの羽が具現化されて宙に浮いた。
だが、そんなことより、降参なんてして何のつもりだ!?俺はまだ不完全燃焼なんだよ!!
「ばぁ〜い!」
「ちょ、待てコラ!!!!」
ルミナは壁めがけて飛んでいくと、俺の光弾が直撃したせいで脆くなっていた壁を蹴り崩して逃げて行った。
まさか、あの女の目的は俺との戦闘でトリックタワーの壁に穴を空けるか薄くする事にあったのか?
「はじめから逃げるつもりだったのか」
いや、しかし天の狼って何の事だ。意味ありげに言っていたのが気がかりだ。
確かに俺は狼なんだが、この世界で俺が狼だという事は誰にも教えてないのに、どこで仕入れた情報だ?
いや、知ってたのは奴自身の能力だと考えるのが妥当か?だが、そしたら天とは何の事だ。俺の正体に関係しているのか?
「……んでも」
まぁ、これで勝負には勝つ事が出来たからゴンとダブルベッドだぁ!!やったぁああ!!あぁ、幸せなひとときを味わえるぞぉお!!戻る
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