ホテル×お宝×トレジャーハンター
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三次試験が終わり俺達は、ようやく外に出られた。こうしてみると外の空気が美味しいと言うのは良く理解できる。

「もう頭撫ぜるの……やめない?」

「どうしてだゴン?俺はこのひと時が幸せなんだ」

「あれから20分ずっと何故てるじゃん」

あぁ、もう20分も経ったのか。確かに長すぎたな。トリックタワーにいたせいで体内時計が狂っちまったって事にしておこう。

「諸君、トリックタワー脱出おめでとう。私はブラックリストハンター兼三次試験官のリッポーだ」

なるほど、ブラックリストハンターだったのか。通りで囚人たちが出てきたわけか。と言うか、こいつか。俺にゴンとのダブルベットの提案をしてきた輩は。

「さて早速だが諸君には……」

パチン……リッポーが指を鳴らせば後ろから飛行船が浮かび上がってきた。

「これに乗ってもらう」

このタイミング合わせるの練習でもしたのかな。ものすごい綺麗なタイミングで飛行船が出てきたけど。

「うわぁあ!」

飛行船の上がる風が心地よく俺たちに辺り、その光景にゴンは嬉しそうな声を上げる。

「いきなり次の試験会場に連れて行かれるのかよ」

「良いじゃん!飛行船に乗れるんだよ?」

「良いじゃんって……お前……」

「俺は好きだよ。やっと気持ちをリッラクスさせて休むことが出来るしよ」

トリックタワーの所為で疲れた。肉体的にではなくて……そう、精神的にな。あの張り詰めた空気がしばらく続いてたからだと思うが。

飛行船に乗り終えると俺はソファに座る。あぁ、なんだか落ち着くわぁ〜。

「ねぇ、ロウも此処からの風景観ようよ!ねぇ!?」

「え、俺は休みたい……」

「そんなぁ、すっごく綺麗なんだよ?海がね、キラキラ反射してて綺麗なんだよ?」

あぁ、これ断りきれないパターンだ。前も同じ経験した記憶があるぞ。俺が休憩を取ろうとしたら頑なに探検しようと誘われた記憶がある。このやり取りを繰り返してたらかえって疲れるパターンだ。

「おうおう、わかったわかった!」

「やったぁ!」

キルアのいる場所に連れてかれて、そこに座り飛行船からの風景を見下ろす。

「あぁ、確かに見応えあるな」

「島が見えるね。この船、あの島に向かってるんだ」

なるほど、あそこが次の会場と言うわけだな。今度は、どんな試験を与えられるんだろうなぁ。

「船がいっぱい沈んでる……」

「難破船だ」

ゴンとキルアの言葉に「さしずめ、船の墓場といったところだ」とクラピカは呟く。

変わった島だな。波の流れで、ここに物がたどり着きやすいのか?逆に言えば、ここから出るのも面倒くさそうな感じがするけども。

飛行船が目的地の島に着くと、俺たちはそこで降ろされる。ここが、今回の試験会場となるのかな?

「受験者の皆さん、ようこそいらっしゃいました」

老夫婦が俺たちを見て挨拶をする。

「あれが今度の試験官かい?」

「にしては弱そうだな」

今までのサトツやメンチにブハラにリッポーとかと比べるとオーラを感じない。試験官なのだろうか?

「当ホテルの支配人を務めておりますバナーと申します。こちらは主人のジナーです」

「よろしく」

挨拶を淡々と済ませるホテルの支配人にハゲ忍者のハンゾーが近づいていく。

「今、ホテルと言ったが?」

「はい、この船は一部を改造し宿泊施設となっております。かつて、ヌブラの国王にも宿泊なら栄誉を頂き多く遠く大陸の方にも海に浮かぶ白亜の宮殿と謳われ……」

「あぁ、前口上はいい。あんた方は試験官ではないんだな」

「そうでしたね。ハンター委員会から伝言をお伝えします。合格者の皆さんお疲れ様でした。4次試験開始は3日後です。それまでの間、この島で休息をお楽しみください」

「休み!」

「おぉ、マジか!結構長いからさ、俺に釣りの仕方でも教えてくれないか?」

「うん!いいよ!じゃあ、休憩入ったら早速行こうよ!」

「おお!いいのか!大物釣れたら魚の捌く練習もしねぇとな」

寿司作りでネタを綺麗に切れなかったことが、未だに悔しいしよ。切り身がツナ缶みたいになるなんて誰が予想できたか。

俺たちが、ホテルに足取りを向かって進めば、バナーから引き止められた。一体なんだって言うんだよ。

「お待ちください。宿泊時前金で1000万ジェニーいただきます」

バナーがホテル代について俺たち受験者に伝えれば、辺りからは動揺の様子が見られた。
やばい。何がやばいって1000万ジェニーの規模が何一つ分からない……。

「1000万ジェニー!?」

「お金取るの……!?」

思わず出るレオリオとゴンの言葉に、一般人では安易に出せない金額だとわかった。そもそも、高かれ安かれ俺は一文無しだから何も変わらないんだけどな!!

「あのぉ……そんな大金持ってない子供は……」

「それでは、お泊めする事は出来ません」

さて、この日差しの強そうな島でサバイバルか。洞窟でも掘って、そこで次の試験を待とうかな。

「しかし、現金ではなく別のお支払い方法も考えて御座います」

そういや難破船が多いから、その中から1000万ジェニー分を稼げばいいのか?

「もちろん、現物」

俺の予想は的中し、みんなは一斉に宝を探しに走り出した。そりゃ、無くなるかもしれないしな。

「さて、どこから探せばいいか」

辺りを見渡せば、何処にでもありそうな雰囲気が醸し出されている。逆に、これは罠で安易に難破船内に入ればトラップが発動するなんてことも……。

「ねぇ!ロウも俺と探そう!」

まぁ、こういうのはゴンの様な運気ありそうな奴の近くにいれば見つかるし一緒に探すか。

「あぁ、わかったー!」


ゴンの元に駆けていけば、ゴンは早速と海の中にダイブして潜り出す。

「じゃあキルア、俺はこの船を調べるよ」

「そうか、俺はこっち調べるからな」

全壊していて滅茶苦茶な難破船だが、それらしいものはあるだろう。船内は、瓦礫ばかりだか所々に箱が紛れていて、俺はそれを開ける。中身は、腐った食べ物などで役には立たない。

「おっ、この箱は重たいな」

いい部屋になりそうな予感がするよ。俺は箱をゆっくりと開けてみれば、埃が宙を舞う。

「……なんだ本か」

手にとって本をパラパラとめくってみれば俺はとあるページで手を止めた。まさか…な?いや、やはり間違いない。文字がぜんぜん読めないけど、このイラストは間違いなく天狼だろう。だとすると、この舟は天狼が戦争に用いられた時期のものだ。ただ、今は読めないから鞄にでも入れるか。

とりあえずゴンの所にでも行って何か得られたか聞いてこようっと。船から出るとゴンが、何処かに泳いでいくのがみえる。

「ロウー!こっちに沈んだ海賊船があるってトンパさんが言ってたよー!」

「おぉ!?そうなのか!?」

それって騙されたんじゃ……。まぁ、行くだけ行ってみるか。俺も海に飛び込みゴンの元まで泳ぐ。実際に潜ってみれば、何かが沈んでるのがわかる。嘘ついてた訳ではないのね。まぁ、ゴンには恩があるからかな?

俺とゴンは思わず顔を見合わして、そこまで潜っていく。これは、すごい財宝じゃないか……?とりあえず、俺たちはキルアにこの事を伝えるため水上に戻った。

「みてみてー!トンパさんの言った通りだ!すっごいお宝の山だよ!」

ゴンはそう言うと小さい宝石をキルアに見せてみる。

「引き上げるの大変だからキルアも来いよ!」

「へぇ、こっちのお宝どうするんだよ。」

「そんなの目じゃないよ!まだまだ い〜ぱいあるんだ!」

ゴンがそう言うとキルアは笑顔になり、こちらまで泳いできた。なんなら、俺が見張ってても良かったけどね。

実際に殆どの財宝を引き上げてみれば、宝石でいっぱいになった。人間界では、こういうものの価値が凄いのか。

「これだけあったら100億は間違いないな」

まじか!蔵馬からは人間の一生は3億ほど使うって聞いたから、めちゃくちゃ凄いんじゃないか!

「さっそく見せに行こうよ!」

「このまま、これもって帰ってハンター試験はリタイヤしたくなってきた」

「それじゃ、駄目だよ!」

欲望をそのまま口にしたらゴンに横槍を刺されてしまった。まぁ、そうだよな。この宝石をジナーとバナーに見せる為に俺たちは、そこまで宝石の入った宝箱を持って行った。

「ほほう……」

ジナーは宝石を一つ取り光に当ててジックリと眺めている。

「どう?ざっと100億はあるんじゃない?」

「ふぅん…いいとこ1000万ジェニーです」

うっそ、あれで1000万なのか!!このジジィボンクラなんじゃないのか!!

「どうして!?」

不満げに言うキルアにジナーは、その訳を説明する。

「他の宝石がダイヤと一緒に入って傷だらけです。削り直さないと使い物になりません」

「二等船室です」

まぁ、ホテルに泊まれるならいいか。とりあえず、無駄なサバイバルは要求されないし。

「傷物でもミトさんは喜ぶと思うけどな」

「ぱっと見じゃ傷なんてわからないもんな。まぁ、ホテルに泊まれるから良かったじゃないか」

俺が、そう言うとレオリオがデカイ箱を俺たちの前に降ろす。凄い重そうだけど、中身は何だろうか。蔵馬がいってたレアメタルとか金塊とかの鉱石とかか?

「すっごいやレオリオ〜」

「ったりめぇよぉ。これで俺も億万長者だぜ!」

「ん?レオリオは鑑定しに行かないのか?」

まさかだとは思うけど、俺と同じ事を企ててるんじゃないか?

「えぇ、これだけのお宝がありゃ、わざわざハンターになる必要もねぇ」

「ロウと同じこと言っちゃって、レオリオそれ本気なの!?」

「本気も本気。これで医者にもなれるし一生遊んで暮らせるぜぇ〜」

有頂天のレオリオは、勢いよく箱を開けると、黒いボールが4つあった。世の中ではこれが高いのか……?

「なにこれ?」

「大砲の玉だな」

「高いの?」

「聞いてみろよ」

なんかゴンとキルアの会話聞いてる限りでは、とても高そうには聞こえない。

「どう?レオリオ一生遊んで暮らせそう?」

「おい、大丈夫か?」

ピクリとも動かないレオリオに指でつつくが、やはり動かない。これは安いんだな。
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