狙い×建前×本音
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ここに来てから20日が経ちゴン達が試しの門を開けられるだけの力を手にした。レオリオは2の扉まで開けてたんだ。大したもんだよ。一方、俺はシルバのお陰でオーラの絶対量的な面や戦術的な面でも強くなれた。その戦術的な面の一部はゴンの稽古でも使って間接的にゴンの成長にも遂げた。


ゼブロさんに別れを告げると、俺たちは正式な形でゾルディック邸の屋敷に向かう。俺が案内していいのかな?

「あれ」

俺が先頭切って歩いていれば、一人の女の子が立っていた。目があうと「出て行きなさい」とオレ達に忠告する。

「ロウ様はシルバ様から許可を頂いていますので出入りは自由ですが、あなた達は断りなく立ち入ることは、まかり通らないの」

「おいロウ!いつのまに中の奴の知り合っていたのかよ!?」

レオリオは驚いた顔で俺を見ていう。というかシルバのやつ許可出してたのか…。

「いや、実はここに来て7日目の夜にキルアのお父さんのシルバと一戦やったけどコテンパンにやられてさ」

「お前という奴は……」

クラピカは呆れてものも言えない表情で呟く。ゴンも同様に驚いた表情で見ていた。

「それから昨日までシルバに稽古付けて貰ってたんだ」

「私達の知らない内に……」

「8日目から夜遅くに居なくなってたのは……そんな事してたからだったんだ」

ゴンは納得した様に呟く。というか、俺が夜中に抜け出してた事に気がついていたのな。

「とにかく、出て行きなさい」

女の子は話を戻す様にゴン達に再び警告する。俺がシルバに言っても駄目だろうか。と言うかシルバの奴何で俺しか許可出さなかったんだよ。

「ちゃんと試しの門から通ってきたよ」

「でも執事室から入庭を許したわけではないでしょ?」

こうやって見れば入庭する事自体が難しいんだな。俺の時はシルバから来てくれたから簡単に済んだけど、やっぱり一般で入るのは難易度が高い。

「あと、ロウ様。シルバ様から、いつもの場所に来いという連絡が来ました」

「え、シルバから!?」

ゴン達を見れば何だが置いていくのが忍びない。ゴン達の安全が確保されてるわけじゃないし。

「行って来なよロウ。俺たちは大丈夫だからさ」

「……え?」

ゴンを笑顔で俺にそう言う。俺が困ってるのに気づいて言ったんだと思う。

「……わかった。死ぬなよ」

俺はそれだけ言うと直ぐに、いつもの場所に向かった。もう何度も訪れているから場所は分かっている。



言われた場所に辿り着くとシルバは腕を組んで待っていた。俺が来ると顔を上げ俺をジッと見た。

「来い、今日で最後なんだろう?」

「よく分かったな。執事からお前の連れが試しの門を開けたと連絡が来たからな」

「なるほど」

シルバに着いて行くとゾルディック邸にたどり着き、前に入った事のあるシルバの部屋に連れてかれた。

「そこに座れ」

「あ、おう」

シルバの正面の椅子に座るとシルバは再び俺をジッと見る。凄く気まずいと思うのは俺だけだろうか。

「……出来ることなら、お前は執事に迎えたかったな」

「…俺はゴンが心配だから」

「ゴンって言うのか」

「面白い奴さ。あいつに常識なんて通用しないのが面白くってさ。で、ずっと気になってたけど俺に、どうして修行つけてくれた?」

俺がずっと考えていた疑問。俺を修行させたところでシルバにメリットは何もない。

「簡単な事だ。お前らはキルを連れて行くだろう?」

「やっぱり迷惑……だったよね」

「いや、お前がいるならばキルにとって良い経験になるからな」

「……そう言う事」

今の言葉で理解できた。あくまで俺を修行させる事で、将来キルアが念を覚えた時に稽古付けてくれって事だな。

「もう行っていいぞ、執事室に行け。キルもそこに行かせるから、後で合流して出来るはずだ」

「あぁ。短い間だったけとありがとう」

俺は部屋から出て行くと、ゾルディック邸の出口に向かった。それまでに一人の老人とすれ違うと俺は立ち止まった。それと同時に、その老人も立ち止まる。

「最近、シルバの奴が随分機嫌が良かったのはお主の存在が理由じゃったか」

「え、えっと貴方は?」

「ワシか?ワシはゼノ=ゾルディック。シルバの父じゃな」

そう言うとゼノは再び歩き始め何処かへ行ってしまった。というかあの人がキルアの祖父という訳か。ゼノという人も相当なやり手だな。

「ん、シルバの機嫌良かったのか……」

俺はゾルディック邸から出ると円を使い執事室の場所を割り出す。ここから、しばらく歩いたところにあるな。走れば直ぐに着く。

「貴方がロウ様ですね」

「あ、おぅ」

「私は執事長のゴトーと申します。雇用主のシルバ様から連絡を受けました。この待合室でお待ち下さい」

「わかった」

俺てっきりゾルディック家の奴らって非道集団だと思ってたけど、そうじゃないらしい。確かに殺しが仕事かもしれないが目から邪悪なものを感じなかった。

ゴトーさんが部屋から立ち去ると俺はテーブルの上にあったお菓子に目がいく。いや、この家の事だから何が入ってるか分からない。



時計の短針の音だけかカチカチと響く。待っている間に短針が5の数字を示した。それと同時に俺の第六感がゴン達が近づいてくるのを感じ取った。

「来たか」

俺はゴン達がいる広間に出ようと思ったが中で何かを話している。あの声はゴトーさんの声だな。

俺は絶を使い忍び足で広間の中を覗くと、ゴトーさんはコインで何らかのゲームをしていた。コインを宙に投げて、左右どちらの手でキャッチしたか当てるゲーム。動体視力に自信がある奴なら余裕だな。

(ん?……俺の目が可笑しいのか?ゴンの顔が凄いボコボコな気がする)

何があったのか後で説明させるか。返答によっちゃあ覚悟して欲しいがな。

「正直なところ……キルア様を奪おうとしている、お前らが憎い」

ゴトーがドスの効いた声で言う言葉に俺は警戒する。本心から言ってるが危害を加えるつもりなのかが分からない。

ゲームが続くと、ゴン達を足止めしていた女の子が人質に取られて、ゴン達3人が全員ゲームオーバーになればアウト。

更にゲームが続くとゴンはフルーツナイフを手にして腫れていた瞼を切り、内出血で溜まっていた血を抜き、左目を復活させた。この勝負、ゴンの勝ちだな。

案の定、ゴトーのコインを捉えていて正解を得る。すると、ゴトーはニヤリと笑うと立ち上がり3人でコインをシャッフルする。

(あのくらいじゃゴンは騙せないぜ。高速で後ろにコインが飛ばされたのが見えた)

「さぁ誰が持ってる?」

ゴトーのその問いかけにゴンは笑うと後ろに指差して言った。

「後ろのこっちの人でしょ?」

そうすると後ろの執事は本当に驚いたと言った顔でコインを手から出した。

「素晴らしい!!」

執事全員が拍手すると、俺の背後から気配を感じ取って振り返った。

「お、来たか」

「あれロウじゃん。そんなとこで何してんだ?さっさと行こーぜ」

俺はキルアと共に広間に姿を現すと「キルア!ロウ!」とゴンは向かいに来てくれた。

「お前、その顔どうしたんだよ?」

俺は眉をひそめて聞いてみればゴンは笑いながら「あははは」と誤魔化す。様子からして解決した様だし多めに見てやるか。

「でも、キルアだって凄い顔だよ!」

「お前に言われたくねーよ!」

ゴンとキルアははしゃいでいると俺はゴトーを見る。俺は微笑むと「キルア様をお願いします」とゴトーは俺に告げた。

やっぱりシルバに信頼されてる俺なだけあってゴトーからの信頼も得られたんだな。ゴン達も今のゲームで信頼して貰えたみたいだし、もう心残りな事はない。

「早速だけど出発しよーぜ。とにかく、どこでもいいから!ここに居るとおふくろがうるせーからさ!」

そういやキルアの母はまだ見たことが無かったな。シルバとゼノには会えたけど、いつか会ってみたい気もするなぁ。
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