燃×念×ネン?
◆◇◆◇◆◇◆◇
勝ち進む中で俺達は190階クラスに辿り着いた。俺達の所持金もふざけた桁数となっていた。もう働かなくても良い気がする。
自部屋に戻る為に天空闘技場内を歩いているとゴンはふとこないだキルアが気にしていた練について言う。
「キルアが凄く嫌な感じがしたっていうレンって一体何だろうね……」
「んー多分、もっと上のクラスに行けば同じような奴がいるかもしれないから…ってロウは何か知らないのか?」
上のクラスという言葉から連想したのかキルアは思い出したように俺をみる。さてと、知らないと言うべきか、正直に教えられないと言うべきか。
「あー……知らない」
「本当かオイ?」
ヤバいバレそう。というかバレてそう。
俺が冷や汗を流していると思わぬ所から助け舟が出された。
「ロウは知らないんだよね?だったら、ズシに聞いてみようよ」
「…な〜る」
助け舟の主はゴンで、練について話していたウイングと話していたズシに聞くという提案をしてくれた。あーヒヤヒヤした……。
「練は四大行の1つっす。四大行とは心を高め身を鍛える。全ての格闘技に通じる基本っす」
まず、四大行が何か説明しないと駄目だよな。説明するにも眼鏡の人の気配が近づいてくるから多分、聞けないで終わるだろうけど。
「纏をしり絶を覚え練を経て発に至る。要するにこれ全て念の修行っす!!以上っす!!」
「わかんねーーよ!!」
俺も念を知らなかったら理解できないな……。何一理解できないと言った面持ちでキルアはズシに当たると、ウイングが背後から存在を現した。
「ズシ、あなたいつから人に教えられる程、ものを修めたのかな?」
「すみません師範代」
頭を下げ謝るズシを見て、ウイングは俺たちの方に視線を変えた。
「ゴン君、キルア君。昔の訓示に物事とは中途半端に知ることで、何知らないより分からなくなるとあります」
頼むから俺のロウも呼んでくれよ。俺が使える事を分かってて態とってんのか?
「生兵法は大怪我の元ってやつね。でも、俺は今知りたいんだよね。念ってやつ。あんたが教えてくれなくても俺は必ず突き止める。
でも、俺だって半端に知るよりきちんと理解したい。あんたがちゃんと教えてくれれば、下手に我流で覚えたりしないよ?」
賢い言い回しだな。でも、念とは少し違う妖気だけど使い方を誤れば非常に危険なもの。恐らく、ウイングはそれを知っている。
「俺からもお願いします。俺も修行の為に此処に来たんです」
「「押忍!」」
了承して頂けるようにゴンとキルアはそういう。俺も出来ればウイングに教えてもらって欲しい。俺じゃ説明が出来るか不安だ。
「……はぁ。わかりました。着いていらっしゃい。」
ほとほと困り果てたウイングは溜息を吐くと頷いて了承してくれた。ウイングの後に着いていけば、借りている宿に着く。
そこでの念の説明は俺の知っている物とは異なっていた。なにより念でなくて燃であった。人の心の成長を促すような内容であり、キルアも当然納得のいかない表情をしている。
「ありがとうございました!」
ゴンは、念の説明をしなかったウイングを全く疑わずにお礼をした。宿から出るとキルアは直ぐに不満そうな顔を露わにした。
やっぱりキルアは気づいてるのか。でも、あの燃も悪くはないと思う。だから、俺はウイングの所で少し此処に残ろうかと思うんだ。
「ゴン 先に行っててくれ」
「え、うん」
不思議そうにゴンはうなづいたけどキルアは俺をジッと見ていた。多分、俺が念に似た何かを使ってるのもバレている。
「じゃ、またな」
ゴン達に見えないように俺はウイングとズシのいる宿に再び戻ってきた。彼らが居ない時に話しておきたい事がある。
「どうしたんですか?」
ドアの前に立てば、いきなりドアが開いてウイングがそう言う。俺が気配を漂わせていたから直ぐに気付いたんだろうけど。
「少し……話したい事があんだ」
「……えぇ、いいですよ」
中に戻ればズシはキョトンとした表情で俺を見つめる。多分、戻ってきた理由が分からないんだろう。
「ロウさん戻ってきたんすか?」
「まぁ、話があってな」
「そう……なんすか?」
ズシは纏をしているみたいだな。似たような修行をシルバにやらされたな。纏と練を交互にやらされたけど。絶から堅に切り替える修行もしたな。
ウイングは椅子に座ると、いつでも俺の話を聞ける態勢をとった。
「まどろっこしい話は抜きにして簡潔に聞くけど、ゴンとキルアに念の方を教えるつもりはあるのか?」
「今すぐには出来ません。」
成る程、今すぐには……。様子を見てからの判断ということか。見ず知らずの者に教えるものではないからな。
「じゃあ、適性があると判断したら頼むよ。それで、もう一つ戻ってきた理由があんだ」
「……それは、なんですか?」
「熟練の………。いや、やっぱり何でもない。少し後先を考えてなさ過ぎた。にしても、ズシの纏は綺麗だな」
そう言えばズシは驚いたように俺を見ると、俺は宿を後にした。ちなみに、もう一つの理由とは熟練の経験者を負かす方法。
だけど、俺は外来種でありハンターの規定によりウイングは本来、俺を修行させるどころか保護する事も禁じられている。だから、困らせたくは無かった。まぁ、まだ俺の正体に確信はないだろうけどね。
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