心配×協力×念の師匠
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燃の話をウイングにして貰ってからゴンとキルアは直ぐに200階クラスに上がってしまった。まずいなウイングの野郎が念をゴン達に教えてくれねぇなら俺が教えないと取り返しのつかない怪我を負ってしまう。

最悪は天空闘技場にいる連中の全員をコテンパンにするのもアリだが、相手の能力が未知数である以上、返り討ちにあうかもしれない。

とりあえずゴンとキルアが戻ってくる前に俺だけ手続きしに行こう。200階クラスの連中を直に見てみたいしな。

急いで200階に行けば、廊下に一人の男が座っているのが目に入った。その男は俺にとって、なるべく会いたくはなかった人物だろう。

「てめぇは……ヒソカ。」

「おやおやゴンとキルアはいないのかい?」

「どうして、ここに居るのか知らないが、200階クラスの連中を視察しにね。一つ聞きたい。」

どうして俺がヒソカに質問しているのか、自分でも良く分からなかったが頼れん人が既に殆どいなく焦っているのだろう。

「なんだい?」

「今のゴンとキルアがここに来たら……どうなる?」

「う〜ん、間違いなく念での洗礼を受けて大変な事になるね」

やはり、俺の心配している事が的中してしまう訳だな。ウイングの奴が念を教えないというなら最悪ヒソカに頼むって手もあるが……それはゴンが間違いなく拒否するからな。キルアも拒否するな。

「……ヒソカ!!」

「随分気が荒れてるね。」

「ゴンとキルアがここに来たら足止めしてくれ!理由は何でもいい!お願いだ!」

この野郎にお願いするのは反吐が出るが仕方のない事だ。ウイングの奴が念を教えないと言えば非常にマズイから。そうなれば、もう俺が基本くらいなら教えてやれる。

「そのために僕はここに居るのさ。彼等にはまだ壊れて貰ったら困る」

「……そ、そうか。……あんがと」

考えてる事がヒソカと一致してたのが少し悪寒だが、ヒソカの野郎を見直す気にはなれた。俺の印象としてはレオリオをボコボコにしてゴンに手を出そうとした印象しかないからな。

「じゃ、俺は申し込みしたら念を教えてくれそうな師に相談しに行く。じゃあな」

「うん、バイバイ」

受付で200階クラスの登録を済ませると新しく部屋が割り当てられた。部屋番号は2206番だという事だ。それから、俺は次の試合日を決めた。俺は課題は戦闘においての経験不足だから、明日から闘うことにする。

登録を済ませ、さっさとウイングの居る下宿先に向かった。最後の望みだ。ちゃんとした師に教わってほしいからな。



ウイングとズシのいる下宿先にもう1度尋ねれば、既に知っていたかの表情で俺を迎えた。

「あなた達が200階まで行ったのは知っています。今、ゴン君とキルア君はどこにいるんですか?」

「たぶん、200階で受付してると思うぜ。あいつら、あの階から漂う危険な空気に気づいていない」

「わかりました、急ぎます。ロウ君はここで待っていて下さい」

「あぁ……頼むぞウイング!」



宿の中に入っていけば修行をしているズシの姿が見えた。俺を気にしないでしっかり集中してるな。と言うより俺が絶をしてるから気配に気づいてないだけだな。

「……よっ!」

「うわぁっ!?ロウさん!?い、いつからそこに居たんすか!?」

「1分ほど前にな。絶を使って気配を絶っていたから気づかなくて当然だな」

「いっ、1分も前から!?」

信じられないと言った表情で俺を見ている。近くにあった椅子に座ると俺は念と書かれた図を見た。

「実は自分のオーラを念という括りでマスターしたのは1ヶ月くらい前からなんだ」

「いっ、一ヶ月でマスター……」

「まぁ、もともとオーラを操れていたから基本的な訓練はしなかったし技術面だけで十分だったんだ。オーラを扱えるようになったのは年前の20日前からだな」

別に自慢したいから言ってるわけじゃない。ズシは俺を凄いものを見る目で凝視しているけど本題は違うんだ。

「まぁ、師匠的存在は二人いたんだが、修行の仕方が手荒すぎてな。合計すると10回以上三途の川を見てるかもしれない」

「よ、よく耐えたっすね」

「それで世の中の師匠というのは全員殺しにかかるものなのか?」

「……え?」

「いや、俺の師匠はどいつもこいつも息の根を止めるレベルの修行をしてきたからな。だから、もしウイングもヤバい奴ならゴンが心配で……」

俺が真剣に心配してるとズシがクスクスと笑っているのが聞こえた。もしかして、俺バカみたいな事でも言っちまったのか?

「師範代は大丈夫っす。確かに厳しいすけど、命を奪うレベルの事はしないっす!多分、命を奪いかねない修行をする師匠を探す方が大変っすよ!」

「そ、そういうもんなの?」

「そうっす!」

あ、無駄な心配だったのか。俺、修行というのはてっきり殺す勢いで身体に叩き込ませるものだとばかり思ってたぜ。

「俺も修行しないとな」

ゴン達がいると基礎妖力を高める修行をしようにも怪しまれるし夜中しか出来ないんだよな。あんな、今ズシがやってる纏の様にただ突っ立てたら何も知らない奴からは頭おかしいと思われる。

「練でもするか……習慣付けとかないと……」

椅子から立ち上がるとズシから少し離れた所でオーラを放つ。この練の状態を五時間保つ。これが結構厳しいんだよね。

「す、凄いオーラっす……」

「まだまだ。俺の師匠はもっと強い」

妖力だけで考えても蔵馬は俺の100倍近くはある。それなのに戦術でも負けてるから歯が立たないんだよなぁ。

「……ズシは纏をしなくていいのか?」

「そ、そうすっね!」

再び纏を続行するズシ。しばらく部屋は無音が続くが、ここの宿の扉が勢いよく開いた。

「何事ですか!!?」

「あ、あれウイング……」

「あ、あなたのオーラでしたか……。闘技場から出れば、私の下宿先の方からオーラを感じたから何事かと」

もしかして俺の練の所為だったのか?何事だと言わんばかりの表情で部屋に戻ってきたから。それなら悪い事したなぁ。

「やっぱりロウ知ってたんじゃねーかよ!」

「あ、あぁキルア……こんちには。それにゴンも……」

何故言ってくれなかったという面持ちでゴンとキルアが俺を見てくる。だって、仕方ないじゃないかよ!

そんな事より今はウイングが念を教えてくれるんだ。今日中に200階の登録が出来なければ失格になるらしいから急がないといけねぇのに。

「ゴン君、キルア君。良いですか?」

視線を自分に向ける様にウイングは言うと、ウイングは花を飛ばして花瓶に突き刺して見せた。

「これが念です。念とは、体からあふれ出すオーラと呼ばれる生命エネルギーを自在に操る能力のこと!」

ウイングも出し惜しみなく念について教えているみたいだし、俺は俺の修行を続行するか。

再び練を続けていれば、ウイングの説明が終わったのか実際にゴンとキルアからオーラを放てる状態にした。その事を精孔を開くというらしくて本来は徐々に開かせていくもの。だが、時間のないゴンとキルアには無理矢理開かせる邪道の方法をさせた。

見ているこっちも緊張するが、あの二人のことだ。間違いなく大丈夫だろう。恐らくウイングも同じ考えを持ったから試したはず。

ウイングの指示に従えば、吹き出る二人のオーラは次第に収まっていき安定していく。次にウイングが悪意の篭ったオーラをゴンとキルアに放ったが、それを耐えられるようになっていた。

「じゃ、俺たち200階クラスの登録に行ってるね。」

「あぁ、一応は気をつけるんだぞ」

ゴンとキルアが200階クラスの登録に向かうと俺は練を再び続ける。その光景をウイングがジックリと見ているのがわかった。

「俺に聞きたい事でもあるのか?」

恐らく俺の放ってるオーラから、ウイングは警戒しているのだろう。そして、それについて聞きたい事も何となく分かる。

「えぇ……率直に言いますと人ではないと感じました。」

「やっぱり分かるのか。一応はゴンとキルア達には明かしてるけど」

「ほっ、本当っすか!?」

あ、聞いてたのか。まぁ、こいつらになら聞かれて不味い事ではないからいいか。

「まぁね。本当に人間じゃないし」

「それどころか私には生きた生命のオーラではないと感じました」

妖怪である事は隠そうかと思ったが、それを裏付ける事をウイングはキッパリと言った。俺が思ってたよりもウイングの野郎は感性が優れているんだな。

「それも正解。そこまでバレるとは思わなかった」

「ど、どういう事ですか師範代?」

「いえ、私にも詳しくは……ただ死後の念に近いものを感じられた」

死後の念というのがあるのか。でも、近いというのは全く同じではないという事。死後に、強い念が篭り甦った肉体が扱う生命エネルギーだから普通じゃないだろうな。

「確かに俺は一度死んだけど、甦ったからな。普通じゃない形でね」

「……霊と言った類ですか?」

「まぁ、正解って事でいいや。……これ以上の事は外部に漏らせば、命の危険を伴うと考えて欲しい」

「いえ、私の方こそ興味本位で聞いたので、これ以上の事は問いません。ただ、ゴン君とキルア君に念を教えるに当たって、あなたの存在に疑念を抱いていました」

つまりは、俺が安全であるか否かを審議するために聞いたと言うわけか。確かに、存在が異端なのは百も承知だったしな。

「さて、俺帰るわ。明日に試合の申し込みしたし早いとこ休む。どうもなウイング」

「礼には及びません」

天空闘技場に戻れば200階クラスに上がった事で新しい部屋に行った。部屋は今までの部屋と違い広々としていて一人では広すぎるくらいだと感じた。

「……これでゴンは大丈夫だな」

ゴンとする組手にも応用を効かせれるし、俺のレベルアップにも繋がるだろう。なにより、ゴンの前で力を隠す必要がなくなった。

明日の試合は久し振りに大暴れしてやるか。
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