二ヶ月×謹慎×念の修行
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こんな事は思いたくなかったがゴンの奴が想像以上に危なっかしい存在だった。
俺の試合の後ではゴンの試合があったのだが相手がギドと言う名の、独楽を使う念能力者だったのだ。
最初は纏を纏った状態で無数の独楽ガードしていたが、いきなり絶をしだしたんだ。確かに、その後のゴンは無数の独楽を交わし続けていたが、最終的に無数の独楽に囲まれて骨折だらけ。ギドから殺意は感じ取れなかったから手は出さなかったが……本当に馬鹿野郎だ。
「右腕 橈骨 尺骨 完全骨折、上腕骨亀裂。肋骨3箇所 完全骨折・亀裂骨折が12箇所。このドアホ!」
耳が痛くなるレベルの重症だな。これは妨害してでも俺が参入してギドの独楽を全て叩き落とせばよかった。
「……ゴメン」
「俺に謝っても仕方ねーだろ!一体どーなってんだこの中はよ!?あ!?」
ゴンの額を指でつつきまるくキルアはキレ気味でゴンに突っかかる。まぁ、仕方ないよね。
「まぁ、"俺は死ぬな"としか言ってなかったから約束は守ってくれて良かった」
「えへへ……」
しかし、見るに堪えない姿だな。顔が無事で良かったけど完治までに4ヶ月とは……。治療系の能力を会得するべきだったな。
「ったく、念を知らずに洗礼を受けた姿はイヤって程見ただろうが!一歩間違えればお前もああなってたんだ!」
(……いや、ギドが悪意を持って攻撃するならば、俺はギドを殺したと思う)
と言いそうになったけど、言っちゃうとゴンがいつでも俺が守ってくれるんだって思うから言うのは止めておこう。
「まぁ、ウイングの野郎が念を教えるのを止めるって言わないように祈ってろ」
「う〜……それは困る……」
自分で自分の首絞めてやがる。まぁ、俺も妖気扱える様になった途端に蔵馬に組手挑んで秒で返り討ちにあったから人の事言えんけど。
「でもさ大丈夫かなって思ったんだよ。何回か攻撃を受けてみて……まあ急所さえ外せば死ぬ事は」
ゴンがそこまで言ったら、キルアが黙らせるようにゴンの折れた腕に足を押し当てていた。
それと同時に部屋のドアに誰かがノックした。開けてみれば、そのにはウイングがいたけど、これは間違いなく怒られるな。
「ど、どうぞ……」
道を譲れば、ウイングはゴンに一直線で歩いて行きゴンをジッと見た。俺今初めてウイングに恐怖を抱いてるかもしれない。
「ウイングさん……。あ、その……ごめんなさ」
ゴンが言い終わる前に パン!と渇いた音が部屋を響かせた。これは本当に怒ってるみたいだな。怒るというより叱ると言った方が正しいなこりゃ。
「私に謝っても仕方ないでしょう!!一体何を考えてんですか!!念を知らずに洗礼を受けた人達を見たでしょう!!君自身ああなってもおかしくないんですよ!!」
「あ、それ俺が言っといた」
キルアと同じことを言うウイングにキルアは既に言っておいたと伝える。しかし、ここまで同じ事を言うのは凄いな。俺は生きて帰ってきて良かったなぁ〜程度にしか思ってなかったから驚いた。そりゃ、確かにハラハラしたけどさ……。
「全く……この程度で済んで良かった。本当にもう」
「ウイングさん……ホントにごめんなさい」
「いーーーえ許しません!!」
取り敢えずはウイングも落ち着いたみたいだし、もう大丈夫かな。ゴンは同じ二度約束を破る真似はしないと思ってるし。
「キルア君、ゴン君の完治はいつくらいになるか知ってますか?」
「医者は二ヶ月って言ってたけど。」
「わかりました。」
あれ、四ヶ月だったような?まぁ、キルアなら意味があって二ヶ月と言ったんだろうから別に訂正しなくて良いか。
「今日から二ヶ月間は一切の試合を禁じます。年の修行および念について調べる事も許しません!今度これが守れないようであれば君に教える事は何もありません」
「わかった!ちゃんと守るよ。約束する」
なるほどキルアが二ヶ月と言ったのは謹慎時間を短くする計らいだったのか。
ゴンがウイングの約束を守ると言えば、左手の小指に不思議なオーラを纏った糸を括り付けた。俺の眼だからオーラを認識できたが、隠で細工されてオーラが見えなくなっている。
「誓いの糸です。これを見て常に約束を忘れぬように」
「うん」
恐らく何らかの力が入った糸だな。先程言ったウイングの警告を破れば何かが起こるのだろう。
「ロウ君ちょっと……」
「おう……?」
ウイングに呼び出されると人気のない廊下で二人きりになった。こんな所で話すと言ったら、ゴンの前じゃ聞きにくい事だろうか。いや、俺に対してもう少し詮索したいのか?
「君達の本当の目的は何なのですか?」
「あー……目的か。最初は、金稼ぎ程度だったけど今は念を覚えてもらう事になったかな?
キルアが、あんたとズシの会話で練の話を聞いたらしくてさ。そこから念についてキルアが気づき始めた。」
一応、事細かく伝えてみればウイングは眉をしかめてしまう。恐らく、責任を感じてるのかもしれない。
「あ、ゴンは天空闘技場にいるヒソカって奴と因縁があるから闘う事が目的だな。とは言いつつ、ギドとの試合は……あれは楽しんでたな」
「あ、あの状況を、楽しんでいた……と?」
「ゴンはあのスリルを楽しんでいたな」
ゴンの人柄を言えばウイングは額から汗を流して表情をしかめた。
「あはは、責任感じる事はないよ。むしろ、念を覚えずに200階クラスに行けば大惨事だったし、俺が下手に教えても駄目な気がした」
一応フォローする様に言うがウイングの表情は揺るがなかった。まぁ、どちらにしろ念の使い手は俺の想像してるより多いらしいからゴン達が念に辿り着くのも時間の問題だった訳だ。
「最悪は俺の命に代えてでも守るから。それが俺に課せられた使命」
「……そうですか。そう言えば、君こそ胸骨は大丈夫なのですか?明らかに砕かれていましたが」
「あぁ、昨日のうちに完治したよ。妖怪だと自己治癒力も高くて便利だよ?」
笑顔で胸をトントンと叩いて見せればウイングはホッとした表情をした。確かに、昨日の試合を見ていたらリング外まで吹っ飛ばされたから俺の身体が大丈夫だったのか不安に思うだろうな。
「ロウ君、ゴン君に燃える方の「燃」の修行なら認めると言ってください。「点」を毎日行うように!と。」
「あぁ、わかったぜ。」
部屋に戻れば、シンとして無音の空間が広がっていた。ゴンとキルアに視線を向ければ既に「燃」をしていた。
(言うまでもない……か。)
俺は試合の準備をしないとな。これから、試合があるから全力で潰しにいかないとだな。何かあった時にゴンを守れるだけの力が欲しいから。
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