看病×下心×愛の忠誠
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今日の試合は昨日ほど苦戦は強いられなく簡単に蹴りがついた。聞けば、昨日のグレート・ジャガーという選手は天空闘技場ではかなり強い選手らしく、賭け金もグレート・ジャガーに膨大に掛かっていたらしい。

その状態で俺が勝ってしまったから、彼にかけていた観客から非難を浴びている。それだけあって、今日の試合では俺が勝つ方に賭け金が沢山かかっていた。

「そういや、ゴンのやつ右腕折ったから御飯食うの大変だろうな」

時計をみれば午後の6時で飯の時間だ。左手じゃ食べにくいだろうに俺が食べさせてあげよう!!下心とかは関係ないぞ!?



ゴンが居る部屋に向えば、案の定御飯を食べるのに苦戦しているゴンの姿があった。左手で器用にスプーンを持っている。

「ようゴン、大変そうだな!」

「もー他人事みたいに言わないでよー」

ゴンのベッドの隣にある椅子に腰をかければゴンの持つスプーンを奪う。

「あっ!何すんだよ!」

「まあまあ」

そう言って俺はスプーンを使ってスープを一口すすってみた。なかなかの美味だ。

「うん、美味しいね。」

「ちょっと、俺が食べてたんだけど」

「味見だよね味見。左手で食べるの大変そうだから俺が食べさせてやるよ」

「……えっ?」

ハンバーグをスプーンで一口サイズにすればゴンの口元に運んだ。そうすればゴンは俺の顔を見てポカンとしていた。

「どうした食べないのか?……というか、もしかして食欲なかったりする?」

「あ、いや!そうじゃなくて……なんだか恥ずかしいよ。俺が自分で食べるからいいよ」

「何を今更……ゼビル島で口移しさせておいて恥ずかしいもクソもねぇよ」

ズバッと言えば、余程恥ずかしいのかゴンの顔は熱が帯びていく。でも、あれは早く体調を直させる為に仕方なかったし……。

「もしかして口移しの方がいいのか?」

「えっ!?いや、その頂きます!!」

俺がニヤニヤして言えば、焦ったようにゴンはスプーンにすくったハンバーグをカプリと食らいついた。流石に口移しは嫌であったか。俺は別に何時でもやっていいと思ってるけど。



完食するゴンに俺は食器を片付けに行く。部屋に戻って来れば、食べさせてやったのが照れくさいのか目を合わせない。

「そんな恥ずかしい事か?」

「……うん」

「そ、そうか」

俺は人間じゃないから感性がズレてるとは思ったが、ゴンに肯定させるとは思わなかった。いや、でも逆の立場なら恥ずかしいかも……。

「そうだ風呂は良いのか?」

「えっ、お風呂?でも、俺は骨折しまくりだから止めとくよ」

「ああ……確かにな。なら身体拭くよ」

風呂入れないならタオルか何かで身体拭いたほうが良いじゃん?キルアも居ないみたいだし、別に悪い事をこれからしようって訳じゃないから良いよね?

部屋に備え付けられている洗面所に立つとタオルを一枚とってお湯で濡らす。水滴が落ちない程度に絞ってゴンの元に戻った。

「昨日のギドとの試合で汗も出ただろうし上半身だけでもさ」

決してお触りしたいから、こんな事提案してる訳じゃないぞ?そりゃ確かにレオリオが同じ事態に陥ったら、ここまでしないけどさ。

「えっ!?良いよ!別に左手で拭けるし!」

「駄目です。怪我人は安静にしてなさい」

「う、うん」

シャツの中に濡れたタオルを入れるとお腹から拭いていく。タオル越しでも良い腹筋しているのが分かる。

とりあえず上半身だけでも吹き終わりタオルを洗濯機の中に放り込んだ。

「なんだかロウに色々手伝って貰ってゴメンね」

「あぁ〜いや、俺が好きでやってるだけだし。もしレオリオなら、ここまでやんねーよ」

そう言ってみればゴンは小さく笑った。ほんと、ずっと笑っていて欲しいな。俺は、お前の笑顔を求めているから。

「そうだ、トイレとかは!」

「さ、流石にそれは俺が嫌だよ!!」

あはは、足は折れてないもんな。立ち上がれるからトイレには行けるし……ギドの奴、中途半端な事しやがって!


「まあ、何かあれば俺を使え」

「でも、俺が勝手に怪我したんだから悪いよ」

「俺は楽しいから別に良いよ。お前が好きだから別に苦じゃないし」

「そ、そう?」

あ、また照れた。そんなに照れなくても良いと思うけどな。それだけゴンは人を惹きつける力があると思うし。

「もし、ゴンが気になるなら貸しということで、自分が納得できるように別の形で返してくれてもいいしさ」

「そうだね!それじゃあ、体が治ったらロウに恩返ししなくちゃね!」

何だかゴンの扱いに慣れてきた気がする。今の俺ならゴンの取り扱いマニュアルを書き上げられる気がする。

「まぁ、俺はここにいる。お前が嫌というなら自部屋に戻るけどね」

「ロウ……そのさ」

「どした?」

何時になく真剣な表情を見せているが、頬には熱を帯びており妙に色っぽい。思わず、こっちまで緊張してしまう。妙な事を言い出さないかという淡い希望を持ってるのかもしれない。

「俺……変かもしれないけど……」

「よ!ゴン!ってロウもいたのか」

この緊張を引き裂くようにゴンの部屋にキルアが入ってきた。それと同時に俺とゴンは合わせていた視線を外してしまう。

にしてもビックリしたなぁ。ゴンが何いうのかに緊張して二回唾を飲んだところで、いきなり部屋のドアが開くんだから。

「調子はどうだゴン?」

「うん、全然平気かな?骨折してるけど」

笑って言うゴンにキルアも安心している。それよりも、さっきゴンが何を言おうとしたのかが気になる。絶妙なタイミングで邪魔が入ったな。

「ふ〜ん。まぁ、なら心配はいらないな。でも、ゴン気をつけろよ。この雄の狼は何しでかすか分からねーから」

「おいキルア!その意味深な言い方はやめろ!」

「図星突かれてやんの!」

でも、明らかにヤバイ事はまだしてないし。身体拭くという理由でお触りはしたけど。いや、それがヤバイのか……。

「ロウは大丈夫だよ、ね?」

「ま、まぁな!俺は相手の了承無しに野蛮な事はしない」

流石に理性の糸が切れた事はないし。なによりゴンに妙な感情を抱いても、俺の下で泣いてもらおうなんて考えた事はないし……。でも、悪くないかもしれないかも……。

「さて、俺はレストランで晩御飯を食べに行くよ」

そう言って俺は逃げるように部屋から出て行った。確かにお腹空いてたし何か食べないとな。基本的に肉中心になってしまうけど。
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