意識×異世界×謎の国
◆◇◆◇◆◇◆◇




謹慎期間は今日で最後となった。俺は既に9勝し、もう少しでフロアマスターに手が掛かる。今までの相手とも一味違うと踏んでいるし油断は出来ない。けど、それを楽しみである事には違いない。

強い奴と手を合わせるのが癖になってきている。完全な戦闘狂の癖だよな。これじゃあヒソカとも変わらなくなって来た。




ゴンの部屋で二人、俺たちは点をしている。燃に関しては俺がやってこなかった事だから、しんを鍛えるには丁度良いものだ。



《……ねぇ○○?あはは○○やめてよ〜!○○ちゃんと食べないと駄目だよ?》

「っ!?誰だ!!?」

ガバッと首をあげれば、ゴンが心配そうに俺を見ていた。幻聴だったのか?

「大丈夫ロウ?」

「あ、ああ。少し疲れてたのかな」

まだ胸がざわつく。それにしても、あの幻聴は一体何だったんだ?とても、ただの幻聴だとは思えねぇ。

「ねぇ本当に大丈夫なの!?顔色すごく悪いよ!?」

「そう……か?」

立ち上がろうとしてみれば、バランスを崩しゴンが横になっているベッドに倒れるた。

「ロウ!?」

「すまん。思ったより重症かもな」

その言葉を最後に俺は意識を手放したのだと思う。それから夢を見たんだ。そこは、とても不思議な世界だと思う。目覚めた今でも鮮明に覚えている。夢の内容は________



「……俺は一体」

「目覚めたのですね」

紫色のベッドで眠っていた俺は、立ち上がると一人の女性に声をかけられた。前髪が数本飛び出してる特徴的な髪型だな。

「あんたは?」

「私は貴方が記憶に残す一人の人物です」

少し思い出したかもしれない。俺は前に、この人物と知り合っている。でも、どこで会ったのか……彼女との記憶は何一つない。

「なぁ、ここはどこなんだ?」

「ここはシギ・トロの国。」

「そう……なのか」

あまりに漠然としていて意味がわからねぇ。そう言えば俺、今まで何してきたんだっけ?俺は誰なんだ……?

「俺ってずっこ、ここにいたのか?」

「はい。しばらくの間は眠っていました」

成る程な。だから何をしていたのか思い出せないのか。とりあえず外に出よう。

「ちょっと出かけてくる」

「ええ、お気をつけて」

あの女性が俺を見送ると、外の世界に出てみた。そこは、雲の上の様な場所で、紫色の空が広がっている。これは、まるで天国だな。ここに居るだけで気持ちが安らぐ。

「ねぇ君」

外の世界に黄昏ていれば横から声をかけられた。振り向けば小さな子供が一人。

「なんだ?ちびっこ」

「僕は子供に見えて子供じゃないよ。もう、子供じゃないんだ。時が経ち過ぎたんだ」

「………?」

それだけ俺に言うと、何処かへ行ってしまった。その先の方向を見れば、大きな城が見えた。さっきまで、あんな城はあっただろうか?取り敢えず向かってみよう。


城に行く途中で川が流れていた。透き通ったピンク色の川。橋を渡っていけば無事に城にたどり着く。城の前には門番が2人立っていて通してくれるかが分からない。

「あの、この城は何だ?」

「外の国にいたのだな。この城は王の城だ」

俺が外の国の者?でも、俺はずっと此処で眠っていたらしいし。ますます意味が分からなくなってきた。

「この城の中には入れるのか?」

「はい、貴方は入る資格があります」

外の世界の者には入る資格があるって事なのか?でも、身元不明の俺を城の中に入れるって門番の必要性が分からない。

城の中に入れば1人のオトコが出迎えてくれる。城には似つかない帽子の被った長髪の男。

「あなたは王に会いに来たのか?」

「まぁ、そういう事になるのかな?」

「そうか。案内するから着いてこい」

この男に着いていけば、だだっ広い広間になって辿り着く。その空間の奥に玉座と思われる椅子に腰を掛ける人物がいた。その人物は仮面をつけており表情が伺えなかった。

「あの方が王だ」

「そんな気がした」

「では、私はこれで失礼する」

この広い空間には王と俺の2人きりしかいない。まるで全てを失ってしまった様な部屋だ。とても悲しい気持ちになる。

「あんたが王か?」

「あぁ」

「俺はロウ。あんたの名は?」

何気なく聞いただけなのに、王は黙り込んでしまった。もしかして悪い事を聞いてしまったのか?

それから、しばらくして王の額からは仮面越しに汗が滴っていき辛い表情となる。そして、苦しそうな面持ちで口を開いた。

「……お前はそれを知りたいのか?」

「王が嫌なら無理には聞かない。それより、あんた大丈夫なのか?尋常じゃない汗だぞ」

「昔を思い出したら……いつもだ。思い出そうとしたら……心が激しく乱れてしまう」

あまり王の昔話には触れない様にしないとな。きっと過去に酷い目にあったんだろう。

「お前は楽しそうだな。なのに、この世界に来た。不満なのか?」

「……話しが読めないんだが」

「この世界に来るという事は、何かしら外の世界で不満があったからだ」

「……?」

まるで意味が分からない。外の世界での不満って何を意味するのだろうか。そもそも、外の世界とは何だ?

「……まだ、君がこの世界に来るのは早かったみたいだな」

「お、王?」

その言葉を最後に王の身体は白い光を放ち、俺の視界は真っ白になり意識を手放した。この世界で起きた事は一体何を意味していたのか……まだ知る余地も無いのだろう。
- 50 -
[前ページ] | [次ページ]
戻る
ページ:


unleash the mind