決断×修行×再び魔界へ
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フロアマスターになったと言う事で、フロアマスター専用の部屋にゴンも案内する。200階クラスの部屋でさえ一人で住むには広すぎるくらいだったのに、この新しい部屋はそれをも凌駕するものだ。

そこそこの広さがあるバルコニーもあれば、部屋には見るからに気品溢れるシャンデリアが吊るされている。絨毯もふかふかのものが使用されており、寝室も十分な広さがある。風呂は大理石で造られておりストレッチも余裕で出来る広さがある。

「……こんな所にいて良いのかよ」

「ロウ部屋ってすっごく広いね」

「あはは……」

こんな広い場所じゃ落ち着かねーよ。これも狼の習性なのか、休むときはなるべく狭い空間の方が外敵から身を隠せるから落ち着けるんだがな。

「あ、そだ!こんな広いならゴンもここに住めよ!キルアも呼んで三人でさ!」

「え?いいの?」

「その方が楽しそうじゃねーか?」

ただの提案のつもりで言ってるけど、どっちかというとお願いだな。この部屋で一人暮らすくらいなら、外で竪穴掘って寝泊まりした方がいくつかましだ。

「じゃあ、今からキルアも呼ぼっか!」

「おうおう!」



決まれば早速、キルアの元まで行って新しい俺の部屋に案内する。部屋の前で俺がドアを開けようとすれば、謎の自信に溢れたキラキラした目でゴンがキルアに言う。

「ねぇ、キルア!ロウの部屋すっごく広いんだよ!みたら驚くよ!!」

「へ〜、楽しみだな」

後ろに居るゴンとキルアのテンションの差に笑いが込み上げてくる。小さな子供が道端で凄いものを見たのを親に話してる子供みたいなゴンに、その話を軽く受け流すような親のようなキルア。

「……ふははっ!」

「な、なにいきなり笑ってんだよ。もったいぶらないでさっさとドアを開けろよなロウ」

「あはは、ごめんごめん」

俺はキルアの屋敷知ってるから、この程度の部屋じゃキルアは驚かんだろうな。ゴンは間抜け面したキルアの顔を見たいかも知れないけどさ。

部屋のドアを開けてみれば、俺は部屋に入っていく。後に続いてゴンとキルアも部屋に入ってきた。

「ね!凄いでしょキルア!」

「あ〜、まぁ確かに凄いな」

やっぱキルア坊っちゃまなら、この程度のリアクションだよな。特別なにが凄いのかわかってないみたいだし。



「それでよ、キルアも天空闘技場にいる間はここにいないかと言う提案でさ。どうせなら、3人でまとまってた方が情報のやり取りも兼ねて都合が良さそうだし」

ひと段落ついたところで、俺はキルアにここに連れてきた理由を伝えた。

「あぁ〜やっぱり。ゴンが言ったのか?」

「いや、俺の提案だけど?」

そう言ってみれば、この部屋に来てキルアは初めて驚いた表情を見せた。そんなに、予想外の事だったのかな。

「てっきり、ロウのことだからゴンと二人でいちゃつくのかと思ってた」

「……おい」

「キルアも良いでしょ?」

「まぁな、確かにお前らがいるなら、馬鹿やってくれそうで楽しそうだし」

「あっ!キルアってば今俺たちのこと馬鹿にしたよね!?」

ソファからゴンとキルアの二人が軽く言い合ってるのを聞きながら、俺はテーブルに置かれている新聞に手を伸ばした。

下らないニュースばっかりだなぁ。自動車会社ファルコは脱税。約1年後に未発見の彗星が地球に接近する恐れあり。ん?

ジェイドの名がニュースに載ってるな。
えっと何々……DAS代表ジェイド=エクイト氏、ハンター募集を再開。近年、遥か昔に絶滅したと思われた天狼が2体も発見されたため、今後に天狼が出没した際に、迅速に対応できるようにハンターの募集を再開しました。

「……まじか」

「え?どうしたのロウ?」

ゴンは、ため息を吐いた俺を見て、新聞を覗き込む。俺が見ていた記事を指差すとゴンは口に出して、先ほどの記事を読みだした。

読み終わる頃にはキルアも渋った表情をしていて、言わずもがなゴンも表情が険しくなっていた。

「参ったなぁ……。前にジェイドと殺りあった時よりは遥かに強くなったけどさぁ」

今ならジェイドに匹敵するだけのMOPを持っている気がする。それに、一度に放出できるオーラ量のAOPも前より改善された。

「あとは、戦闘経験なんだよなぁ」

「お前、真っ向から倒すつもりでいるだろ」

キルアが呆れたように俺の図星をついた。でも、他に策はないし、殺すなと言われただけだから二度と闘えない身体にすれば良いだけ。

「……やっぱりキツイか」

「聞けば、そのジェイドって奴と闘って負けたんだろ?確かに、今のロウはフロアマスターですら倒せるレベルになったけどよ、相手はジェイドレベルの奴が他にもいるんだろ?」

その通りなんだよな。仮にジェイド一人を倒せたとしても、相手は複数。それも組織という規模の人数だ。10人くらいは戦闘員がいると見積もってるが、全員を相手にしたら先に俺がガス欠になる。

「やっぱ今の俺じゃ難しいよなぁ」

正直、ここでこれ以上闘っていてもコレ以上の成長は難しいかもしれない。現に、人間のフォルムのままでフロアマスターになれてしまった。

ちらっと視線に入ったのは霊界リング。今の俺よりも圧倒的に強いやつと会える場所。

「もう一度だけ修行つけてもらうか」

「……ロウの言ってた師匠のこと?」

「あぁ、蔵馬にな」

この名を出すとキルアはいつも通り興味を持った目で俺を見始める。

「せっかくこの部屋に一緒に居ようと俺から誘ったけど、暫くはここを留守にする」

二人を見て言えば、やっぱりなと言った表情をしていた。幸い残念そうな表情をされなかったから気が楽だ。

いや、俺が自分の身を守るために必要な力わ得に行くのだから、二人は俺を止める事など出来ないと思ったのかもしれない。

「悪いな、思い立ったら今すぐに行きたくなってな。じゃあなゴンにキルア」

「うん、ロウも頑張ってね!」

「んで、どのくらい修行するんだ?9月にはクラピカたちと再開するから、それには間に合わせろよ?」

キルアに言われてハッと思い出す。言われてみれば、9月にはヨークシンで再開の約束があったな。

「あー……まぁ1ヶ月くらいで?」

「オッケー、そん時には俺もゴンも念を完全にマスターして腰抜かしてやるぜ」

「おう!楽しみにしてる。……じゃ、行くぜ」

霊界リングに妖気を込めれば、リングの効果は発動して俺は一瞬に今いた部屋から姿を消して霊界にワープした。
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