念力×頭脳×パワーアップ!
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前にやった時の修行も過酷だったが、今度はそれよりも過酷だった。戦闘での頭の使い方がメインの修行だが、それが過酷だ。いくら良い頭脳を持っていても反応速度が使い物にならなきゃ役に立たない。
相手が何か企んでいれば、瞬時に正しい判断をつけられるようにしたり、相手の行動を見て怪しい節はないかを見抜けられるようになる修行もある。
だが、一瞬の判断を誤れば地獄を見るのだ。一度でも判断を誤れば、相手の策に飲み込まれて、その状況に機転を効かせるのが難しくなる。
そんな修行を終えた後にある食事では、前の時のような美味しい飯でなく、よく分からないクソ不味い薬草を食べることを強要された。
それが終われば、基礎体力をつけるべく、謎の重りを手足に装備された状態でランニングをさせられる。それが終われば再び組手。組手も終わればオーラの放出。念でいう練の状態を維持するとこ。
これに関しては、今までとは違い30分以内で全てのオーラを出し尽くす事だ。俗に言うAOPを上昇させるトレーニング。
前にやってた長い間、練を保つのは体内に蓄積させられるオーラ量を多くするMOPを増やす修行だった。
今回は逆に、短い時間で、どれだけ大量のオーラを放てるかがポイントになる。MOPがいくら大きくても、一度に放てるかオーラ量がミジンコ程度ならば無意味というわけだ。
例えるならMOPを最大魔力、AOPは魔法の技の消費コストとする。俺のMOPが1000あっても、使える技が消費コスト10の技しかなければ無意味であるという事だ。
現段階での俺のMOPは400000程度だ。その俺の使う有滅爆輪は限界でも約3000オーラが限界だ。これでは、AOPが高い相手ならば爆輪が付着した部位に対して硬をすればノーダメージと言っても過言でなくなる。
今までの俺は、この爆弾を相手の体のいたる部位に付着させる事で、硬での防御を阻止したり、相手が防御する瞬間に俺が硬で守られている場所以外を攻撃するなどして使用してきた。
しかし、蔵馬いわく今のままでも問題ないかもしれないが、一つの技でできる事の幅は広げておいた方が、より戦略的な戦闘を行う事が出来るからやるべきだという意見を貰った。
また、体外に出せるAOPの修行にも繋がるので、こちらの全体的な攻撃面・防御面への成長してにも繋がる。
今の状況の俺は蔵馬から見ればアンバランスとの評価をされた。以上の事から察すると思う通り、MOPに対してAOPが貧弱なのだ。
と、まぁ……前回までの修行では、色々とやり残した事があるらしく、この一ヶ月では、前回できなかった事もメインメニューにして俺を完成させる目的らしい。
だが、やはり蔵馬の修行は鬼だ。マゾでもない限りは耐えられそうにない。現に、今の俺でもガタがきている。だが、俺には生きねばならない責任があるから頑張れる。
「よし、一度に放てる妖気も改善されてきた。ロウの有滅爆輪の威力や速度への向上にも繋がった筈だ」
「ほ、本当か?」
魔界に来て10日が経過したところで、蔵馬は組手終わりに俺に告げた。俺には実感が湧かないが本当に威力が上がったのか?
「俺にめがけて思い切り放ってみたら分かるさ」
「え、いいのか?」
今の俺は結構強くなったからはずだから、蔵馬と言えど無傷では済まないはず。本当に、思い切りやって良いのだろうか。
「じゃ、行くぜっ!」
片手にオーラを集中させて、限界までオーラを込めた有滅爆輪を一つ生み出して、蔵馬に解き放った。
「こうやって肌で感じてみると、この修行は無駄じゃなかったと思うよ」
腕に付着しただけで起爆もしてないのに既に感想を述べ始める蔵馬。触れただけで分かるというか。
「まだ、爆発もしてないのに分かるのかよ。テキトーに言ってんじゃないだろうな!」
「嘘じゃないさ。実際に、この腕にかかる重量感が妖気そのものの強さを感じさせるよ」
ずっと笑顔な蔵馬だから、本当に褒められてるのかが怪しくなる。いつ起爆ても余裕といった表情だ。こういった場面になって、ようやく俺は感じた。
蔵馬は、俺なんかと比にならない位に強いのだと。話を聞けば蔵馬よりも強い奴が沢山いるといるから驚きでしかない。
爆輪が蔵馬の腕に付着して1分が経過して起爆したが、案の定、傷一つすら負ってなかった。一体、蔵馬の妖力値はどれだけのものなんだろうか?
あれから更に10日が経過して、20日も修行に明け暮れた日々を送っていた。蔵馬いわく、既に俺は完成形に近づきつつあり、あとは妖力値の上昇と戦闘での経験を豊富にする事らしい。
基礎は完全に定着してきたらしく、頭の回転もかなり改善されたとの事だ。暫くは、MOPとAOPの枠の上昇を図る事だけに集中していたら良いと言われた。
修行最終日となったところで、蔵馬は妖力の計測値を手にしていた。
「さて、今日で最後だから、君がどれだけ成長したのか数字で実感して欲しいんだ。」
「それは計測値?」
「あぁ、一カ月前の君の妖力値は2150だったのに対して、今じゃ※4700にまで上がった」
※妖怪値4700=MOP940000(計算は非公式)
それってすごい事なのだろうか。確かに倍以上の妖力値を得られたから、凄いのだが蔵馬には歯も立たない状態だ。
「ちなみに、この妖力値ならB級妖怪に匹敵するだけの力だと言える。俺と最初に会った時の君はE級だったから、とてつもない進歩だと思うよ」
確かに、最初に言われた時の妖怪値は50だったけど今では4700まで上げられたんだ。この魔界では通用しないけど、あの世界ならば十分に通用するか力だな。
「後は、何度も言うけど戦闘の経験だ。こればかりは、俺だけじゃ役不足だから色んな相手と組手をする事に限る」
「でも、なかなか相手がいなくて困ってんだよ」
「まぁ、確かに、人間でロウに匹敵するだけの力を持つ事自体が特殊なケースだと言えるからね」
やっぱり、そうだよな。今ならばジェイドの野郎にも負ける気がしねぇくらいだしよ。ゴリ押しで倒せる気がする。
「それに、単純な力だけじゃなく、高度な知恵を使った闘いにも慣れたんだ。今のロウなら簡単にはやられないと思うよ」
「礼を言うぜ蔵馬。お前のおかげで、俺の身の安全はかなり確保できるようになったと思う。ありがとな!」
「いや、礼には及ばないさ。俺自身も楽しめたから良かった」
しかし、修行期間が終わって、ようやく明日からマシな飯が食べられる。自分から修行しに来たとは言えど、飯が怪しい薬草ばかりで気が滅入っていた。やっと肉にありつけるわけだ。ゴンにも会えるし楽しみだな。戻る
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