友達×立場×友達
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風呂から上がれば、ミトさんが料理を作り終えていて召し上がることになる。ゴンに聞けばオムライスという食べ物らしくて、卵やケチャップなどを使って作るらしい。

久々に食べ物だと味覚が認識できる物を食べて、思わずスプーンが止まらなくなる。

昼ごはんを食べ終わると、その間にミトさんはリンゴを切ってくれたらしくテーブルの上にデザートとして置いてくれた。4人テーブルに着けばミトさんは俺の方をチラッと見た。

「……?」

あれ、俺って前にミトさんと会った事でもあったかな?いや、それならミトさんは俺と出会った時に何か言うはずだし俺の考えすぎだな。

「ねぇゴン、試験どうだった?」

ミトさんの試験の先はゴンになっており、俺らが受けたハンター試験について聞く。

「あぁ!やっぱり大変だったよ〜。会場まで辿り着いたのがたった400人くらいでさ、それで合格したのがこの中の9人だもん」

「けど、くだらねー試験ばっかだったじゃん」

大まかに試験の合格率を説明するゴンに、キルアはしょうもない試験と後付けする。

「俺は割と楽しかったけどな」

俺はそう思ったから、そう言ったけどこれじゃ3人思ってることが完全に割れてるんだよな。大変だのしょうもないだの楽しかっただのとミトさんからしてみれば、何が普通の感覚なのか分からんだろうな。

「ふ〜ん」

「ミットさん!ほら見て〜、これがハンターライセンスのカード!」

ポケットからハンター証を取り出すゴンはミトさんに見せる。それをミトさんが手にとって見てみれば無表情でそれを眺める。

このまま折り曲げちゃったりして……。

俺がそう思ったと同時に、ミトさんの前髪の一束が跳ねて、グニっとカードを曲げた。

「えい!」

「わぁぁああ!!何すんだよ!?」

ゴンは直ぐにカードを取り上げると、ミトさんは笑って誤魔化す。やっぱり、ゴンの育ての親なだけあると再度納得してしまう。

「冗談よ〜!本気でやるわけないでしょー?おほほほ」

目がマジだったんだよな……。もしかして、ミトさんはハンター試験をよく思ってないのかもしれないな。それをゴンが無理やり受けに行ったとかだったりして……。普通の家庭だったら、ハンター試験とか言う命の保証もない試験なんか受けさせないしな。



午後は何の目的かは分からないが近くの森林に入って、ただ歩き回っていた。

「そういやコンだったっけ?」

森林をみて何かを思い出すようにキルアはゴンに聞いた。キルアもキツネグマのコンの話を聞かされてたんだな。

「あの友達のキツネグマのことだったよな?」

「うん……でも多分、姿は見せないよ。キツネグマのメスの方がね極端に人間の臭いを嫌うんだ。だから俺と会ったら奥さんと喧嘩になっちゃう」

結婚してたのか。普通の動物も家庭を持っているもんなんだな。俺にも家族がいたのかな?

「それに、コンは森の長だから人間と仲良くしてたら他の動物達に示しがつかないからね」

そういうもんなのか。なんだか少し切ないな。立場の関係で会うことが許されなくなるなんてさ。昔の天狼達も迫害を受けた時は、守ってきた人間と会うことが許されなくなったのかな。

再び歩き始めると、この森林の中に大きな湖があってゴンが「ここでコンとよく水遊びをしたんだ」と思い出に浸りながら言った。

「一回だけガルも来たんだよ?怪我してたから水遊びは出来なかったけどね」

「……そうなのか、それは幸せだっただろうな」

少しだけ、そのガルという狼に嫉妬してしまいそうになるが、心の奥底で何かが訴えかけてきているような気がした。

「ん?」

キルアは何かを見つけると岩場に打ち上げれられた魚をみて微笑んでいた。

「おかえりってさゴン!」

きっとコンがゴンのために打ち上げたんだろう。ゴンはキツネグマのコンと本当の友達なんだな。それは今でも。

隣にいるゴンを見れば、少し微笑んでるだけに見えたけど、すごく嬉しそうにしているのが何となくわかった。



今日も日が暮れて、コンが打ち上げた魚を持って帰ることにした。その帰り道の中でゴンは何かを思い出したかのように声を出す。

「いきなりどうした?」

「いや、まだガルにあってないや」

「……?」

ゴンの後をついて行けば小さいながらも墓石のようなものがあり、そこに案内された。

「これ、は?」

恐る恐る聞いてみればゴンは「ここにガルがいるんだ」と少し儚げに笑って言う。その墓石をじっと見ていればゴンは、それに近づいて手を合わせていた。

何故だろう……ここには間違いなく何かがある。第六感が今までにないくらい訴えかけている。そもそも、この島に来てからというものの第六感が騒がしい。どうしたと言うのだろうか。

墓参りを済ませたところで、日も完全に落ちているので家まで戻ることにした。
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