本音×打ち明け×すれ違い
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翌朝、目を覚ますとゴンとキルアよりも早く目を覚ました事に気がついた。俺も疲れてないわけじゃないが、どうも寝つきが悪かったみたいだ。

ミトさんは起きてんのかな?まぁ、二度寝するのもだらしないし、このまま起きているか。

ベッドから降りれば階段を下る。その際に包丁がまな板に当たるような音が聞こえてきたから、俺はそっちの方に向かう事にした。

「おはようございます」

「あら、おはよう!早いのねロウくん」

俺の声に気がついのか手にしていた包丁を止めて、俺の方へ振り返って挨拶を返してくれた。

「ミトさんはいつもこの時間に?」

「えぇ、最近なんだか寝付けなくってね。困ったもんよね」

それは歳のせいでは?いや、言うのは止めておこう。あまりにも無礼すぎる。なによりも生命の危機を察知した。

「俺も何か手伝いましょうか?」

「あら、変に気を遣わなくても良いのよ?」

「いえ、ここに泊まってるのですから、少しくらいは何かしないと」

どうせ今はする事もないし、誰かの手伝いを出来るならばやっておいた方が気持ち良いだろう。

「ん〜じゃあ!洗濯物干してくれるかしら!」

「りょーかい!」

カゴに入った洗濯物をカゴごと受け取り、二階のバルコニーの物干し竿にかけて欲しいと告げられた。

シワのつかないような干し方を、見よう見まねで実践している。ここにいたら、家庭的な力が付きそうだと実感する。

「にしてもーミトさんのこと、どっかで見た事があるんだよなぁ……」

他人の空似だろうか?いや、それだけじゃない特別な何かも感じるんだよな。それは文字通り本当に特別なものを感じた。

考え事をしながら洗濯物を干していたせいか、気がつけばカゴから残りの洗濯物はなくたなっていた。今ので最後だったみたいだ。

「……こんな気持ちの良い朝を迎えたのは久しぶりだな」

何となく口に出してみれば、今までの長い日々の中での出会いや苦労などが頭の中で駆け巡り、やっとここまで来たという不思議な達成感に満たされた。

「本当に気持ちの良い朝だね」

「うお!?ゴ、ゴン!?」

突然聞こえてきた声に驚いて振り返れば、少し微笑むゴンの姿がそこにあった。

「おはようロウ!」

「お、お前なぁ……驚かすなよ。お前の絶は念の熟練者顔負けなんだから、それを俺で試すなよなぁ」

「えへへ、ごめんね。起きたらロウが居なくてミトさんに聞いたら、ここに居るって聞いたからつい」

でも、ゴンにしてやられるなら悪くはない!それに、ゴンと二人きりになるのも随分と久しぶりな気がするしな。

もう少し話したいと思って手すりに背中を預けてジッとゴンを見る。

「ど、どうしたの?」

「んー、いや何でもねえけどさ。ただ、可愛い顔して可愛い素振り見せるのに、やる時はやるんだよなって」

「か、可愛いなんて言われても俺ちっとも嬉しくないよー!また、ロウったらそうやって俺をおちょくる」

"可愛い"という言葉が、男としてのプライドを馬鹿にしたように聞こえたのか少しだけ拗ねた素振りを見せる。でも、それが可愛い素振りなんだよねって言ったら今度は怒るだろうな。

「ロウは……そのさ、本当にそう思って言ってたりする?」

「……え?」

予想しなかった返答が来て、困惑の意味を直訳するような言葉が口から漏れてしまう。

「まあ、かわいいよ。うん、必要不可欠な存在だな。どう言ったら良いのか分からねーけど……これからもずっと一緒にいたいなって。あれ、なんか恥ずかしいな。……これは罰ゲームか?」

「ロウとこれからも一緒にいたいって思ってるよ!」

あ、良かった。ここでゴンに「これからもずっとってなると嫌だな」なんて言われた日には魔界に引きこもるかもしれなかった。

「俺には……ある意味ゴンしかいないって思ってるからさ。お前は特別だからな」

「あはは、俺だってロウの事は何だか特別に感じてるよ」

まったく滑稽だよな。これが男女の会話なら脈アリだとわかるけど男同士だとな。俺は構わないけど、ゴンは多分ないと思ってるし、仮にそういう意味を含んでたとしても俺なんかがゴンと付き合うのは何だか釣りに合わない。

何よりも、俺は追われる身だ。天空闘技場の時は大丈夫だったけど、あの時もしもDASの連中がやる気になればゴンとキルアを人質に取れたんだ。少なからず…そんな失態を犯した俺は、ゴンと結ばれる資格なんてないと思ってる。

「ねぇ、ロウ」

「ん?」

「俺の身は俺で守れるから」

「……え?」

「だってロウまた難しい顔してるから不安になるよ。ロウがそんな顔するって事は、俺達の事かDASの事だもんね」

あれ、気づいてたんだ。というより、俺ってそんな難しい顔してたのか。あまり意識はしてなかったから、言われてみれば眉間にシワが寄ってたのかもな。

「まー、その為に武術を教えたからな。じゃなきゃ修行の意味ねーからな」

「うん!だから、ロウは余計な心配しないで自分の事だけ考えててよね」

自分の事か。まぁ、考えてない訳じゃないけど、もう解決したしな。生きていた頃の記憶が戻る事に臆さないってね。

「ゴーン!ロウくーん!ご飯できたから来るのよー!」

一階の方からミトさんの声が聞こえれば、俺たちは気が晴れた顔で階段を降りていった。

きっとゴンはゴンなりに、俺の足手まといにならないように考えていてくれてたんだろう。その原因は天狼であるが故の俺の責任だから、気にしなくても良かったのにな。でも、少しは仲間だから頼っても良いのかもな。
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