大金×ゲーム×グリードアイランド
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ジンが昔、ゴンに残したと言う箱をミトさんがゴンに渡したらしい。箱は念とハンター証で開く仕組みになっており、中には指輪とカセットテープとROMカードのような物が入っていた。

テープを再生すればジンがゴンに残した言葉が再生されていく。その間のゴンの表情は、ほんの少しでもジンに近づけたと言った、小さな達成感からか目が輝いている様に見えた。

ダビングも念のために取っておいたんだが、ジンは手掛かりを余程残したくはないのか、元々のテープとダビング用のテープを同時に上書きしてしまった。

「やられたな……」

恐らくラジカセに込められた念は外部からの攻撃を無力化してしまう念だ。いくら俺の馬鹿力でも無理だと悟った。

「あとは指輪とROMカードだな」

「普通のより小さいね。これ専用のハードとかあるのかな?」

「俺は知らねーな」

まず、普通のサイズすら知らねーのに。でも、この手のメモリーカードとかは企業の独占を防ぐために規格が定められているものではないのか?


「え……お前ら知らねーの?ジョイステ……」

マジかよ、と言いたげな表情でキルアは俺たちを見てくる。そんなに有名なのか?

「ROMカードはゲーム機専用のカードなんだよ。それがジョイステーション、んで略してジョイステ」

なるほどゲーム機に使うためのROMか。確かに、わざわざ企画を合わせる必要もないからサイズが違うのも納得だ。

「ん?でもゴンの家にそのジョイ……ステ?とかいうゲーム機はあるのか?」

「ゴンのこの反応みたらある訳ねーだろ、せっかく電脳ページを繋いだんだからトイランドで見てみようぜ」

そうか、電脳ページって蔵馬達のいた世界のインターネットに相当するものなのか。なら通販で買い物する事も可能か。

パソコンを立ち上げるとキルアは電脳ページでトイランドのサイトへアクセスする。ゲーム機のページへ入れば、ジョイステなるゲーム機が売られていた。

「ゲームって色んな種類があるんだね」

「そうみたいだな……ソフトだけでも大量にあるのに、ゲーム機本体すらも種類が沢山あるのか」

感心する俺たちに、信じらねーという視線がキルアから送られてきたが気付かなかった事にしておこう。



数日後、トイランドからジョイステが届きキルアは手慣れた手つきでジョイステをテレビに繋いだ。

「やっぱ懐かしいなー。とりあえずROMカードの中身を見てみようぜ」

キルアはそう言うとゴンからROMカードを受け取ってジョイステに差し込む。一体、何のデータが入っているんだろうか……?

第一、ゲームのROMカードをわざわざ用いると言うことはゲームでもやるのかな?なら、当然ながらソフトも必要になる訳で……。

「グリードアイランド?知ってるかキルア?」

「いや、初めて聞いた。でも、それよりこの容量見てみろよ。ROMカードすべてのメモリを使ってやがるぜ」

「そのグリードアイランドっていうソフトも売ってるの?」

ゴンが首を傾げながら聞けば、キルアはさっそくトイランドにアクセスして確認する。

あんまり人の事は言えないが、ゲームに関して全くわからないと言ったゴンの様子が可愛いな。

「グリードアイランド即日配達希望っと……」

しかし、結果は0件で普通のゲームでない雲行きが出始める。というより、ジンという偉大なハンターが残したROMカードだから、ゲーム自体がレアな物なのか?

「他のサイトにもないのか?」

「今、やってみる」

それでも結果は0件でどこにも売ってないのだとわかった。けど、それでも見つけなきゃいけない。これがジンがゴンに残した試練か。

「もう市場に出回ってないのかもな。つまり、個人が作ったゲームでさ元々売りもんじゃないか、何かの理由で発売禁止になってるゲームってこと」

まじまじとパソコンのディスプレイを眺めるゴンはイマイチ、ピンと来ていないようだ。俺もよくわかってないけど。

「とにかく調べてみるか。ゲーム年鑑なら今までに出た市販ゲームが全部載ってるから」

まぁ、こんなに探して売ってるのサイトがないならゲームそのものを調べないと手掛かりがつかめそうにもないしな。

「あった!ちゃんと正規のルートで販売されたゲームソフトだ」

ディスプレイに映し出されている文字を読めば、ハンター専用と書いてあった。
だから、ゴンがハンターになったら渡してくれってミトさんに伝えたのか。

「ごっ、58億!!?」

横から2人同時に驚く声が聞こえてきて、その数字が販売価格であることを理解する。すげー高い値段だな。

「なんちゅうデタラメな値段だ!?」

「販売個数100個って少ないの?」

「少ねーよ!ゼッテーなめてる!!」

これじゃゲームそのものを探す方が大変そうだな。つまりはゲームをハントしろってことか?

「売り切れになるのも納得だ。この値段なら何とか買えるんだけどな」

「は?」

ボソッと呟いた言葉に二人が揃って俺の顔を凝視していた。そんなにヤバイことでも言ったのかな?

「お前、今買えるって……」

「あぁ、天空闘技場で稼いだからな。残高は80億くらいだったかな?」

「はっ、80億!!?」

俺の残高が余程意外だったのかゴンは大声を上げで驚いていた。まぁ、ちょっとセコイことしたから80億もある訳で。

「お前、この世界に来てから日が全然立ってねーのにどうやって稼いだんだよ!」

「天空闘技場で稼いだよ」

「え、でも200階からはファイトマネーが出ないって……」

ゴンの言葉にキルアもウンと頷く。失敗したら損害がデカイから言わないでいたけど、言った方が良いのかな…?

「自分の試合で自分に賭けた。毎回、財産の半分を賭けて試合してたから、試合に勝つたびに儲けてたんだよね」

「お前、そんな事してたのかよ……」

「でも、あの騒ぎの後だから天空闘技場には戻るつもりはねーぞ」

またDASに追い回されるのは流石に御免だ。ゴンとキルアも戻れば、DASが天空闘技場に俺もいると考えるはずだからな。

「まぁ、俺の残高よりグリードアイランドについて直接問い合わせてみたら?」

キルアは電話でグリードアイランドについて問い合わせるが、既に絶版となっていて開発を請け負った子会社も無くなっていて手掛かりは無いようだ。

「持ってる人を探して譲って貰うしか無いわけだね」

「正当な手段でいくと電脳ネットのオークションサイトに告知して売ってくれる奴が名乗り出るのを待つってのがセオリーだけど……」

キルアがそこまで言うとゴンとキルアが揃って俺の方を見ていた。ま、まさか俺が命をかけて稼いだ金を、そのゲームに費やせって言うのか!?

「お、おい、なんだその眼差しは……」

「わり、貸してくれない?」

軽いノリで言うキルアに、勘だけど返ってこないんだろうな。いや、使い道がないから断る理由はないけど、その使い先がゲームか……。

「あと50億なんだよね。勿論只とは言わねーよ。だからさ、取引しようぜロウ」

「と、取引……?」

ニヤつくキルアは俺を部屋の外まで引っ張り出しゴンの聞こえない所まで俺を引っ張っていった。

「な、なんだよ取引って。」

「お前とゴンが上手く行くように俺がサポートしてやるってこと。悪くないだろ?」

こいつ何を考えているんだ……。まさかゴンが俺なんかを……。いや前にキルアが脈アリかもなって言ってたから、可能性としては有り得るのか……?

確かに、サポートがあれば今後助かるかも知れない。想いを告げるという決心は既についている訳だし。だけど、この取引は50億でゴンを買うみたいで気分が良くない。

「……50億は好きに使って良い」

「あれ、マジで良いの……?」

なんだ、その意外そうな表情は。でも、もう一つキルアに言っておかないとな。少し惜しいと思う自分もいるけど。

「金は好きに使って良いけど、サポートはいらない」

「ロウなら、そう言うと思った」

知ってたと言わんばかりのキルアの声に俺は思わずキルアを二度見してしまう。

「お前が金でゴンを買うような奴なら、金だけ奪ってサポートする気なんて一つもなかったからな」

や、やられた……。つまりは試されていたのか。キルアは俺がゴンに対する想いを知ってるから、俺がゴンに見合うか試していたのかな。

確かにキルアも友達としてゴンの事が一番好きだろうし、ゴンの恋人になりたいって人がいたら試されるか。

「まぁー、これで俺もゴンの友達としてロウを認めれた訳だし、悩み事があったら相談に乗るぜ。あ、金に関してはゴンと相談しなよ」

何事も無かったように部屋に戻れば、ゴンは不思議と言わんばかりの表情でキルアをまじまじと見つめる。

「わりーなゴン、取引は駄目だったぜ」

「だって50億でしょ?幾ら何でもロウに悪いよ」

困ったように笑うゴンに俺は後ろから頭をガシガシと撫ぜた。突然のことで照れた表情で、こちらに振り向くゴンは「ロウどうしたの?」と俺に言う。

「50億は好きに使っても良い」

「……え?え!?だって50億なんて悪いよ!返せるかなんて分からんないし!」

「いや返してはいらん。その代わり取引をゴンに持ちかける」

取引という言葉にゴンの表情は真剣になる。ゴンの旅の目的はジンを探すこと。俺の旅の目的は過去の記憶を思い出すこと。

「ゴンが知るガルについての情報、全て教えてくれ。もはや、今の俺に出来る事はこの位しかないんだ」

「え……それだけで良いの……?」

「俺にとっちゃ、その情報は50億ジェニーに相当するからな」

そう取引を持ちかけているが、ゴンの表情はイマイチ納得がいってないみたいだ。

「まだ、納得がいかないか?」

「うーん……。そのさ、ロウにガルの事を教えても良いけど、俺たち友達だからお金なんて受け取れないよ」

それが友達という関係か。考えてみれば友達と言うのが何なのか考えた事が無かったな。

「まぁ、50億でも足りないかも知れないぜ。仮に俺たち3人の残高を合わせた88億でも、売り手の言い値次第じゃ倍の100億以上だってあり得るんだ」

俺たちのやり取りに埒があかないと感じたキルアはズバッと50億が無意味であるかの様な事を告げる。

でも、言われてみれば本数が少ないゲームである以上、需要の方が高いと考えることもできるから100億以上の金額を要求される可能性は十分にあり得る。と、すれば俺たちの残高を合わせても足りないかもしれない。

「う〜〜ん……」

唸るゴンに俺もお手上げ。少なからず倍は欲しいよな。でも、どうやって稼ぐ?この世界の事はあまりに知らないから、儲け方もイマイチ知らないからな。

「ま、駄目元で告知だけはしておこうよ」

ゴンは立ち上がるとパソコンでグリードアイランドを譲ってくれる人を待とうと考えた。おそらくアクセスなんて来ないと俺たちは思っていたが、結果はその逆だった。

「ど、どういう事だ?」

「あっという間に一万件近くアクセスが……!」

俺とゴンが驚いてる中、キルアは説明してくれた。つまりは、金目当てに偽物を売りつけ様としてる連中が大勢いるという訳だ。

「お手上げだな。これ一つ一つとなんて交渉してられねーぞ。第一、本物か偽物かも俺たちじゃ判断つかねーし」

金だけあっても無駄という訳か。ヨークシンのオークションとかで出品されたりしないものだろうか。いや、出品されたところで88億じゃ無理があるな。

「……あ、アイツだったらグリードアイランド持ってるかも」

「本当!?」

キルアの突然の告白にゴンは目を見開いて叫ぶ様に言う。て言うか持ってる人かもしれない人が知り合いにいるって流石、有名な家系なだけあるな。

携帯電話を取り出したキルアは兄貴と呼ぶ相手と電話でしている様だ。キルアの兄だろうけど確実にイルミではないだろうな。

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