携帯×青年×オススメの機種
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ゴンとキルアは金儲けに夢中になっていたから、一人抜けてきてヨークシンの街をぶらつく事にした。
あまりにも集中している彼らの邪魔はしたくないからな。

多分、俺からネカフェにいてもゴン横から真剣なゴンの表情を凝視するだけで迷惑に思われるかもしれないしよ。

それに、こんな都会に足を踏み入れた事なんて無かったから1人で歩く事に興味があった。本音を言えば携帯電話が欲しいから買っていくか。




たまたま通りかがった路地に携帯電話等を扱う店があり、そこで携帯電話を眺める事に決めた。

「結構…色んなのがあるんだな…。」


携帯電話が並べられていているが、どの機種にどんな機能が備わっているか俺にはイマイチピンとこない。やはり情弱過ぎたか。

これじゃあ、どの機種が良いとか分からないから店主と相談するか。


「あの、携帯電話買いたいんですけどオススメってどれですか?」

「お、ご購入ですか?オススメはですね…。」

店主は店内を見渡すと近くにあった見た目の良さそうな携帯電話を手にした。確かに、デザインは悪くないな。


「この携帯はバッテリーが長持ちしてね、防水機能も付いてるんだよ。」

防水機能って雨に当たっても故障しないって事だよな?それにバッテリーが長持ちか…。長旅をするならばピッタリかもしれない。

「じゃあ、それお願いし」
「待った!それならコッチの方が良いんじゃないか?」

俺が店主オススメの携帯を買おうとすれば後ろから別の機種を手にした男が俺達に言う。
振り返れば、声の主は気の良さそうな青年であり俺に近づいてきた。


「その機種は旧型で、使用できる国も最新式と比べて少ない。買うなら、この機種の方が良いよ。もちろん、バッテリーも長持ちで防水機能も付いている。

加えて、音声からの言語翻訳も可能でメモリも多い。俺は、この機種をオススメするよ。」

「そ、そうなんですか…?」

店主を見てみれば、やられたと言った表情で青年を睨んでいて、騙されていたんだと分かった。つまりは、売れ残り商品を掴まされるところだった。


「じゃあ、これお願いします。」

「ま、まいどあり…。」



店内から出ると助けてくれた青年と二人きりで街を歩く事になっった。初対面な事もあって気まずい。

なにより、この青年…念を習得しているのか強いオーラを感じ取れる。多分、向こうも俺がオーラを使えると分かってるはず。


「えっと、さっきはありがとうございます。」

「この街じゃ携帯の事に無頓着な人を騙して売れ残りを売り付ける人が多いからね。」


なるほど…ゴンも携帯を買う時が来たらちゃんと見ておかないとな。いや、それ以前に携帯の知識が無くて、一緒に居ても騙されるかもしれないけど。


「そう言えば、まだ名乗ってなかったね。俺はシャルナーク。」

「俺はロウ。でも、なぜ助けてくれたんですか?」

「あぁ、理由を付けるなら慈善活動かな?ただ気にかかっただけなんだけどね。」

特に含みのある言い方でも無かったから、単純に興味を持たれただけなのだろうか?
まぁ、殺意もなんも感じないからDASの連中ではないだろう。


「んじゃ、俺こっちだから。」

シャルナークという男は笑顔で手を振って去って行った。一体何だったんだろ…?まぁ、結果的に助かったから良かった。





それから数時間後に、ネットカフェに戻ろうと足を運んでいれば近くの広場にゴンとキルアが座っていた。

表情をみればやられたって顔をしている。きっと騙されたんだろうなぁ。



「だ、大丈夫か…?」

二人に近づいて声をかければゴンとキルアが俺を見る。なんだ、その表情は…。

「くそーー!あのジジイ、まんまと騙されたぜ!!」

「最初の壺は2倍で売れたんだよ?」

ゴンの言葉を聞いて何となく事情を理解した。それで信用してしまって大金つぎ込んだけど罠だったってオチか…。

「小金を儲けさせて信用させてから大金をせしめる。詐欺の常套手段だもんなー。」

「だから信用できる公共サイトだけにしようって言ったでしょ!!」

「んなもん8時間やって儲けがたった985ジェニーだぞ!?80億稼ぐのに何百年掛かるんだよ!!」

「減るよりいいじゃん!」

こんな人目の付くところで喧嘩しないでくれよ。周りの注目浴びちゃってるし…。


「よーし勝負だ!」

「おーやったら!」

勝手に二人で残金で金儲けをする勝負を始めて、負けた方は勝った方の言うことを何でもやるという内容で勝負が始まった。

完全に俺は除け者じゃねーか。せっかくゴンと夜のヨークシンを楽しむためにぶらつく予定だったんだけどな。


二人が目に見えないところまでいくとは俺は、そこで腰を下ろし溜息を吐く。残り二週間で大金稼ぐったって難しいと思うんだけどなぁ。



「ロウもこの街にいたのか。」

よく耳にしたことのある声だったが、ここにいる筈がない。そう思いながら声の方に振り返れば、驚く事によく耳にした声の主がいた。

「く、蔵馬…?」

「久しぶり。」


何故ここに居るのかは不明だけど、俺は蔵馬を連れて近くのカフェに入った。
適当に飲み物をオーダーすれば、俺は蔵馬に視線を向ける。

「どうして…こっちに?」

「別の世界に興味があったからコエンマにお願いして観光しに来たんだ。」

「なるほど…。」

案外普通の目的だな。いや、この世界で大変な事が起こってるみたいな大事件を知らされるよりは全然良いけど。


「さっきの二人は友達?」

「まぁね、友達だな。」

ゴンに対して抱いてる感情は友達のソレとは明らかに違うだろうけど、そんな事までは言わなくて良いか。


「でも参ったよ。使う言語が違うから、この世界に来ても文字が読めなくてね。」

「確かにな、俺も最初は困ったな。でも日本語のあいうえお順と基本一緒で文字が違うだけだから蔵馬なら1日あれば余裕で覚えられると思うぞ?」

「そうなのか。また、来たいと考えてるし次に来る時までには覚えてみるのも確かに良いな。」


また来るつもりなのか、まぁ蔵馬ならコエンマとも面識あるし来るのも簡単だろうけど。

オーダーしたコーヒーがテーブルに置かれると俺は一口飲んで外を見た。日が暮れて今日泊まるホテルを申し込まないとなと思う。


暫くは何気無い会話を交わして、カフェから出ると俺は蔵馬と別れた。久しぶりだったけど、まさかヨークシンで会えるとは考えもあるしてなかった。

近くのホテルを予約すると今日は、そこで寝ることにした。俺は俺で金儲けできそうな情報を探すか。あの二人じゃ不安しか無いし…。
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