値札競売×指輪×掘り出し物
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レオリオに連れられた所は値札競売市と呼ばれるところでフリーマーケット形式の競売らしい。

ここからお宝を探すのは結構な難易度だと思うんだけどな。上手くいけばお宝を安値で購入する事も可能だと思うけど。


周りの物品を見渡しながら歩いていれば、ゴンは気にかかった物があったのか売り物のナイフを手に取った。



(あれ?…あのナイフ…オーラを纏ってるのか?)

凝をせずとも隠れたオーラを見ることが出来る体質だから見えたけど…ゴンの場合は感覚で普通のナイフじゃない事に気がついたのか…?

「おじさんこれって?」

「ん、欲しいなら値札に幾らで買いたいか記入して。昼12時まで他に買い手がいなきゃ君に売るから。」


出来れば今すぐ欲しいところなんだけどな。チラッとキルアを見てみれば心当たりがあると言った様子でお宝である事には間違いなさそうだ。

後ろの方でキルアとレオリオがやりとりしているのが聞こえて今すぐ手に入れたいとの事だ。

「何だゴン、そのナイフ欲しいのか?あっちにもっと良いデザインのあったぜ。ああ、でもあれは結構人気あったからなぁ。」

上手いなレオリオ…。一瞬でそんな嘘を考えられるとは…やっぱり人生長く生きてると、それだけ賢くなるもんなんだな。

「なぁオッチャン、実は俺たちもう国に帰らなきゃいけねーんだ。これ今、売ってくれねーか?」

「んー?……まぁ他に買い手もいないし金額によっては売っても良いよ。」

よし上手くレオリオの話に乗ったな。この取引は貰ったな。


「そうだな結構古そうだし100ジェニーで!」

「ダメダメそれじゃ売れないね。」

「あっそ、じゃいいやゴン行こうぜ。」

さも帰ろうとするレオリオの演技に騙されたオッチャンは焦った様子でレオリオを引き止める。


「ちょっと待った!500でどうだ?」

「300ジェニー!」

うわー最後まで値切るんだな…。幾らの価値があるのか知らないけど、そこまで値切るなんて、流石にがめついものを感じる。


買ったナイフをキルアはマジマジと眺めていると「本物だね。」と呟く。

「なぁキルア、そのナイフは何なんだ?」

オーラを放ってる独特な形状のナイフっていう事しか分からないから聞いてみたら「ベンズナイフだよ。」って答えてくれた。


ベンニー=ドロンっていう100年前の大量殺人鬼のオリジナルブランドらしい。
なんて物騒なナイフだと思ったが、ナイフそのものが物騒だから、ナイフ好きにはたまらない品なんだろうな。


「値段は番号によっては違うけど……安くて500万はするね。」

「マジ!?」

思わず声を上げてしまうが、ゴンもレオリオも同様の反応で驚く。300ジェニーのナイフが安くて500万に化けるのか…。
あんなナイフが、そんなに価値のあるものだなんてな。


「でかしたなゴン、褒めてやろう。」

「いや、遠慮しとくよ。」

「気を使うな、ここは大人しく…」

ぎゅーっと抱きしめようとするけど、レオリオに首根っこ掴まれて引き離されてしまうと。何だろう、心が晴れた後の俺の扱いって結構ひどくね?


「リオレオ何しやがる!」

「あだっ…レオリオだ!ったくお前まで、そのネタ使うんじゃねーよ。」

俺たち2人のやり取りに呆れ気味のキルアはゴンに「ベンズナイフ知ってたのか?」と尋ねるがゴンは知らないだろう。


「いや、そんなこと全然知らなかったよ。」

「じゃ、なんで?」

「うーーん、チラッと目にした時ね、なんか変な感じがしたから、凝で見てみたんだ。そしたらかすかなオーラが見えたから。」

レオリオはゴンの言う凝と言う言葉を知らずに俺に聞く。

「念の応用技の一つなんだ。練で練ったオーラを身体の数カ所に限定して集中させる技。今回の場合は目に集中させて、隠れているオーラを見抜く技術が必要になるんだ。」

もっとも俺の場合は凝はしなくても隠で隠したオーラが見えるけど。代償として俺自身が隠使えないという一長一短だけど。


キルアは凝をして見れば「本当だ」と呟く。レオリオも頑張るが、流石に無理だったようだ。そりゃ、いきなり凝は難しいよな。

「そうか…凝を使って掘り出し物を探せば、天才が作った品物を見抜けられるかもしれない。」


キルアの言うことに俺は「おぉ」と思わず声を漏らしてしまう。確かに、適当に目利きするよりは確かだと言える。

「その方法なら官邸の知識なくても埋もれた逸品を見つけることができるね!それをもっとグレードの高いオークションにかけて高く売る!名付けて念でボロ儲け大作戦!!」

念でボロ儲け大作戦…いやゴンらしい素晴らしいネーミングだと俺は思う。いつでもゴンの味方さ。



「よし!じゃあ俺は伝言サイトの情報チェックを担当するぜ。マジっぽいのがあったらケータイに連絡入れる。」

「頼むぜレオリオ。俺たちはゴンの名付けた念でボロ儲け大作戦を実行するからな。」

一旦別々の行動をとれば俺は値札競売市の品物を物色することにした。


こうやってみるとガラクタばかりで、さっきのベンズナイフは偶然この市場にあっただけなのではとさえ思える。


「おっ…これはお宝か?」

少々錆びた指輪の様な物が売られている。錆びているもののオーラはしっかりと放たれており良いものなのでは?と思う。

大きさからして親指用の指輪だろう。値札を見てみればゼパイルという男が15000ジェニーで希望していた。

えっと2.5倍だから37500ジェニーで入札すれば良いのか。この指輪には俺個人が惹かれるものもあるし、しっかりキープしておくか。


プルルルル…プルルルル…
電話が鳴るとキルアからだった。

「なしたキルア?」

「お前はどうだ?」

「良さげな指輪見つけた。ゼパイルって奴が先に入札してたけど。」

俺がそう言えばキルアから「やっぱりな…。」って声が漏れていた。
やっぱりって事はキルアが見つけた品にも?


「俺も二つ見つけたんだけど、どっちもゼパイルって奴に先に入札されててな、2.5倍て書き換えてやったんだけど、今見たらそいつ4倍でかぶしてやがった。」


まじか…じゃあこれも4倍で返される可能性が多少なりともあるって訳だな。

「だからさ、今見つけてる物品はキープしといてよ。そうすりゃ、時間ギリギリに書き換えられても俺たち3人で3つのお宝は落札できるからさ。」



結果、俺たち3人で落札出来たのは4つの品物だった。その品をオークションハウスに出品しようと考え、関係者とアポを取って直接会って話し合うことになった。

オークションハウスの出品は時間の問題で無理そうだ。しかし、俺たちの条件を聞いた男は業者市に出展されてはいかがと提案してきた。

なるべく早く競売に賭けたい俺たちの希望とマッチしていて、そこに出展する事に決めた。


関係者の男に礼を言って、品物を業者市に持っていくため、それらを持って男に言われた住所まで歩いて行く事にした。


「うーん、競売に出す前にさ、一体いくら位の物なのか気になるよね。」

少しドキドキした表情で期待を含んだ笑顔のゴンはそう言う。確かに、基本的な値段は知っておいても良いな。

近くの骨董屋に足を踏み入れれば品物の価値を見てもらう事にした。


「うーーむ。」

骨董屋のオッチャンは絵画の様な物をまじまじとみると品物の説明と合わせて15万位の値打ちだと言う。約1万ジェニーで購入したから14万弱の儲け。

次のアンティークドールは約30万の価値があり、これは25万近くの儲けとなった。


「この指輪は?」

「うーーむ。これは…旧アムリタ王国で作られた指輪だね。結構錆び付いてはいるけど100年前の代物だからね…。ん?」

「ど、どうしました?」

骨董屋が惜しいなと言った表情で指輪の内側を見ていた。もしかして偽物だったとか…?


「あぁー、これ名前が彫ってあるね。価値として少々下がっちゃうよ。それでも50万はするだろうね。」

「名前は…なんと彫られてたんですか?」

「えっとね…ジェ、ジェロニモだね。」

ジェロニモ…?何処かで聞いた事のある名前だ。いや、忘れる訳がない。でも、この指輪との関係性は見出せないな。


「ジェロニモ…。ねぇ、旧アムリタ王国っててんろうを支えていた?」

「基本的に当時の国はてんろうは支えてたよ。
もちろん、旧アムリタ王国も同じく。
その中で、カーラ王子はてんろうを家族の様に可愛がってたと聞いた事がある。」

旧アムリタ王国にカーラ王子…これはハンターサイトで調べてみる必要があるな…。まさか、こんな所でジェロニモについて有力な情報となりうる事を耳にするとはな。



「ちなみに、この指輪はてんろうが尻尾に嵌めていたという伝承さえ残されています。」

まさかの事態に俺は息をのむが、ゴンとキルアはマジで?と言った表情で唖然としていた。


「オッチャンありがと。」

「いえいえ。」

続けて最後の品の木像を鑑定するが、これには価値が無いとのことだ。古い年代の木であり、10万で買ってくれる人がいるそうだ。


その会話を他所に俺は、先ほどの指輪をじっくり眺めながらオーラを送ったりと色々な事を試している。

とりあえず親指に嵌めてみるか。ゆっくり親指にはめ込んでみれば、親指から暖かな熱が伝わってきた。指輪のオーラが俺に流れこんで来ているようで…。

それはなぜか俺のオーラと波長が合うのか俺の身体に溶け込んでいく。何だろう…この指輪…。


「……ジェロニモ?」

ほんの一瞬、脳裏に涙するジェロニモの姿が映し出されていた。悲しみから来ている涙ではない。まるで…大切な物が戻ってきてくれたかのような…暖かい何かを感じた。



「待ちな!!」

突然、男が骨董屋の入り口で俺たちに向かって叫んで、自分の世界に入り込んでいた俺は肩が跳ねてしまった。

「おぉ…びっくりした…。」


「その木像そこにおけ!坊主、騙されんな。絵とアンティークドールに指輪の値段は妥当だが木像に関してはデタラメだ。」

そう言う男に骨董屋のオッチャンは凄い動揺を見せながら「何だ君は!僕はウソはついてない」と怒鳴る。

「そうかぁ?その木に8万も出す古美術商はいねーだろ。お前が欲しいのは、その木像の内容なかみ!!」

木像の中に何かが入ってるのか…?でも、骨董屋のオッチャンの動揺加減を見てたら確かなようだ。


「300年位前に金持ちの間で流行った税金逃れの隠し金庫だ。素人目にゃ絶対わからねぇ継ぎ目がここにある。

本物だったら中に隠し財宝がギッシリ詰まってる筈だ!年代を調べるフリして中身だけスリ代える気だったろ?」

「な、ぼ、僕は…そんな…。」

完全勝利といった様子で男は俺たちにピースする。まさか、見ず知らずの男に二度も助けられるとは…。

ヨークシンも案外、お人好しが多いんだな。1人は旅団の団員だったけども。
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