拘束×傀儡×新能力
◆◇◆◇◆◇◆◇
「テメェ……まさか天狼か!」
居合切りを交わされたのも驚きだったようだが、俺の変身を目の当たりにしてノブナガは驚いていた。
「俺ゴンに傷を負わせたお前のこと、まだ許してないんだわ。身を持って覚悟しろよ」
そう告げれば、ノブナガは一層と本気の目になる。
確実に仕留めてやると言った刺さるような殺気。それと同時に、一瞬のミスで死ぬ恐れがあるという緊張がノブナガには走ってるだろう。
「いくぜ」
その一言を告げれば、俺はノブナガに向かい有滅爆輪を一つ放つ。
再び抜刀したノブナガが有滅爆輪を斬りつけるが、有滅爆輪は水と同じで斬っても斬れない。
「ちっ!ならテメェを斬るだけだァ!」
ノブナガが標的を俺に変えて斬り掛かってくる。
奴は戦闘に置いてのプロだ。油断はしちゃいけない。
さらに有滅爆輪を2つほど生成してノブナガに放つ。
計3つの爆輪がノブナガを追い回すが、何のこともないように交わして俺を間合いまで捉えてきた。
「覚悟するのはテメェの方だァ!!」
物凄い速さの突きを俺に放つ。
心臓を狙った確実な突き。間一髪で急所は避けるが、左の肺をやられた。
「っ……オラァ!」
刺されたと同時に俺はノブナガに蹴りを入れた。ノブナガの背後に接近していた3つの爆輪に当たるようにぶっ飛ばした。当然、ノブナガの背中にぶつかった爆輪は、その背中に癒着して1分のカウントを始める。
「チッ……随分と余裕そうじゃねーか」
「そういう体質なもんで」
上着は血で滲んでいるが傷口は既に塞がっている。やはり、この妖怪の姿は便利だな。
「さて、一応あんたが死なない様に警告だけはしておく」
「あぁ?警告だと?」
「俺が放った爆輪。有滅爆輪は対象者に触れて1分が経過すると爆発する」
ノブナガの背中に癒着した3つの爆輪は硬でガードしなければ致命傷になるだろうな。俺も優しいから威力は弱めにしておいたけど。
「解除方法は1分が経過する前に俺から50m離れること」
「……なら、1分以内にテメェを消せば済む話だな!」
そう言うノブナガが俺に向かい突進してくる。やはり殺る気満々だな。俺も同じだ。まぁ、逃げるものならば逃げられなくするだけだったけど。
「地獄を見るぞ?」
全オーラを右手に集中させると、俺の首を狙うノブナガの剣を弾き飛ばした。今の俺の右手はダイヤモンドよりも硬いだろうな。それでも、ノブナガの刀が折れなかったのは、かなりの名刀だったからであろう。
「なっ!?」
「オラァッ!!」
動揺したノブナガのボディに蹴りを入れる。勢いよく俺の反対側の壁まで飛んだが、空中で体制を整えたノブナガは、壁に足をついて此方に向かってきた。
剣のない剣士に負けるわけがないだろう。返り討ちにしてみせる。
「っ!?」
一瞬の事で何があったかわからなかったが、俺とノブナガで殴りあう瞬間に奴の腕が倍以上に伸びた様な気がした。
「剣がないからって油断しすぎだぜ?」
真顔で言うノブナガの手を見ると剣を収めていた鞘を手にしていた。なるほどな、俺の死角から鞘を抜いて、それで突いた訳か……。ノブナガは先ほど弾き飛ばされた剣を拾うと俺に向ける。
「さて、これで形勢逆転だな」
「……そうか?」
俺が倒れた体を起き上がらせようとするが、その隙をノブナガは見逃さずに斬りかかってくる。
生憎だが、その行動は予想通りだ。既にお前は俺に勝つことはできない。
「"拘束"!」
俺がこの言葉を発見した瞬間にノブナガの背に癒着していた有滅爆輪が消滅し同時にノブナガの動きが停止した。
「て、てめっ一体何を……っ!」
「生きた人間に、この能力を試すのは初めてだったけど上手くいったようだな」
この能力は命運傀儡術と名付けた能力で有滅爆輪を利用した操作系念能力。
相手に有滅爆輪が付着していることが条件で発動可能。付着している爆輪の個数によって操作できる内容が増える。
今回はノブナガに3個の爆輪が付着していたから得られる権限は身体の自由と発言の自由。それと、ノブナガの視覚情報を得られることで遠隔での操作が可能となる。
操作時間は付着した爆輪の個数×1分で今回は3個なので3分間操作可能だ。
「さてと、ゴンを傷付けた腹いせに1発殴らせろ。それで開放してやる」
シャルナークには恩があるし、その仲間を売るような真似はしたくないから20億は諦めて殴って開放だ。
ノブナガを棒立ちにさせると、俺は自分の拳にオーラを集中させてノブナガのお腹めがけて拳を力一杯に振るった。
「オラァッ!!」
「うがぁっ!!」
ふぅースッキリした!ゴンに向かって大人気ない事したり、俺に無許可で勧誘したりと、俺を怒らせるような事をし過ぎたんだ。
「意識があるようだから言っとくけど、操作時間は長くないから心配しなくていいぞ。んじゃ、俺は先に帰るね」
この廃墟から俺は早足で出て行った。殴って頭冷えたから思うけど、完全に旅団に目を付けられる事しちまったんだよな……。そん時はシャルナークに助けてもらうか。
「んでも……新しい能力が上手く行って良かった良かった」
実は、数ヶ月前に蔵馬と魔界て再び修行した時に能力のアドバイスを貰って考えた能力だったんだ。
今までの能力だと操作系という系統を十分に活かせてなかったからな。
それに加えて有滅爆輪も解除できなくて使いにくいから、新能力を考えて正解だった。
「おっ、来たみたいだぜゴン」
「ロウ!大丈夫だった!?」
遠くから俺の姿を確認したのか、ゴンはこっちに走ってきて言う。待っていてくれたのか。勝てるという保証もなかったのに。
「大丈夫だったぞ。へへ、あいつのお腹に1発どきついパンチ入れてきてトンズラしてきた」
「ロウは怪我ない?」
何発か貰ったけど傷口は塞がったしな。今は怪我ないと言うのが正解だけど、カッコつけたいな。
「あぁ、大丈夫だ。」
「なーにが大丈夫だ、だよ。お前の上着に血付いてんぞ。」
あ……ここは突きで刺されたところ…盲点だった。
「あはは……まぁ塞がったし。」
「ありがとうロウ!」
「へ?」
てっきり怒られるかと思った。今度からは無茶しないでね!とかそんな言葉が来ると思ってたんだけどな。
「俺、あいつのこと、ぶっとばしたいって考えてたからロウが1発入れてきてくれて俺も少しスッキリしてたんだ」
「ゴン。案外血の気が多いんだな……」
「だって、ムカつくじゃん!」
確かに俺もムカついた。多分、キルアもイライラしてたし自分で言うのもあれだけど俺が起こるなんて珍しいぞ。
「まぁ、あいつら殴るにしても取っ捕まえるにしても能力の向上が必須だぜ」
まぁな、キルアの言う通り今回俺がノブナガに勝てたのも念能力の向上のおかげ。新たな能力が役に立った訳だし、固有の能力を考えないとだな。
「奴等と対等に渡り合えるだけの潜在能力が念にはあるはずなんだ。それを知るにはクラピカに聞くのが一番てっとり早いんだけどな」
「え、なんで?」
思わずゴンと声が被る。キルアって今のクラピカとコンタクト取れてるのか?
「あいつらの仲間を倒したっていう鎖野郎がクラピカの事だからさ」
「え!?」
まじ?でもどうしてキルアは鎖野郎がクラピカって気がついたんだろ……?
「本当なの、それ?」
「十中八九な。あって聞けばわかるけど」
確かに、あいつ頭良いから格上をも倒す能力を身につけてそうだし。
「まぁ、そっか。キルアの言う通りクラピカも念を覚えた時期は大して変わらないのに団員の一人を倒したんだから、クラピカなら何かを知ってるのか」
「そーいうこと」
ざっくりとまとめて言えばキルアが頷きながら言った。ゴンもキルアも素質あるし、能力次第でなら団員を捕らえられる……。
そんか簡単な事なのか……?
「クラピカに会おう!」
今度こそクラピカに電話が繋がるのか?
まあ、クラピカの安否も知っておきたいし電話しない理由なんてないんだけどね。
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