▽ 人形たちの遊び

レベル:★★★★★★★☆☆☆
記入者:エルカンナ
「あの子を探してきてください」

テマリ「人形たちの遊び。エルカンナ先輩からです。あの子って、誰ですかね。もしかしてあのお人形さんですかね? エルカンナ先輩からよく聞くのですが、あのお人形さんにも命があって動くんだそうです。どんなカラクリかは知らないですが」

フローラ「あの形の崩れた人形のことかしら」
リンアイ「探してきてください、か。どこか行っちゃったのかな」


テマリ「エルカンナ先輩は射手寮です、行ってきてください」


《射手寮》
エルカンナ「…………あ…。依頼、受けてくれたってことでいいの?」

ライナルト「どうしたんだ?人形のことか?」

エルカンナ「大変なの…この前治したあの子…いなくなっちゃった。夜に遊びに行ったんだと思うけど、いつもなら夜が明ける前に帰ってくるのに、全然帰ってこなくて。まだちゃんと治してないから、あんまり日向にいたら溶けちゃう……」

リーフ「それは大変だ!」
フローラ「アンタが雑に扱うから逃げたんじゃない?」
ケシェット「その言い方は無いだろうよ。探しに行ったらいいのかな?」


エルカンナ「今日のは、あの子を探してきてほしいって依頼なんだけど…何も有力な情報がないから、情報集めからになるの。時間がかかるけど、皆でやればきっと間に合うから……」
フィリサティ「ちょっと失礼」

寮のドアが開き、フィリサティが入ってきた

シエテ「フィリサティ先生?」

フィリサティ「ここ数日、夢見る浅瀬で目撃例のないモンスターが、あちこちで悪さをしているそうだ。氷のゴーレムのような外見らしいんだけど、心当たりはないかい?」
エルカンナ「!! きっとあの子だわ…! 形が崩れたままだから私のこと怒ったのかな……忙しくて…なかなか治してあげられなかったし…」
フィリサティ「そうか。君の友達なんだね。悪いことをしているのには変わりないから、こらしめるか説得するか、とにかく夢見る浅瀬に向かってくれないか?」
エルカンナ「わ、かりました…」

ライナルト「…エルカンナ。大丈夫か?」

エルカンナ「…遊びたいだけ、遊びたいだけなの……きっと…」

リンアイ「…そっとしとくのがよさそうかな」
ケシェット「そうかも。先に向かっておこう」
リーフ「エルカンナちゃんの人形ちゃん!一体何があったんだ!」



《夢見る浅瀬『こぼれ落ちた思い出』》
フローラ「うわ、酷い有り様ね。この辺全部凍ってるわ」
リーフ「さっむ…」
ライナルト「人形が近いかもしれない。冷気が強いところを探せば…あっ!?」


ライナルトたちの目線の先には、巨大な氷のゴーレムがいた。

リンアイ「でか。いくら人形だったとはいえ、ここまで大きければ害だな」
シエテ「仕方ありません。少しおとなしくなってもらいましょうか」
ケシェット「そうだね。皆、戦えるかい?」


エルカンナ「だ、ダメ! いじめないで!!」

ライナルト「エルカンナ!?」

エルカンナ「この子は私の…私の大切な友達! どんなときもずっと、ずっと傍にいてくれた…! 姿が変わっても、悪いことをしてても、その事実は変わらない! この子は、この子は遊びたいだけ! ね、そうでしょう…?
――――あッ!?」

アイスゴーレムは巨大な手でエルカンナを掴み、放り投げた!
放り投げられたエルカンナは地面に強く叩きつけられた!

フローラ「ちょ、ちょっと!?」
リンアイ「ダメだ、今のあの子には元の意思なんてものはない!」
ケシェット「こっちに向かってくるぞ!応戦だ!」


エルカンナ「!! や、やめて! お願い…! 止まって!!」


▼ENEMY▼
アイスゴーレム Lv53×1
氷の精 Lv45×4


<戦闘勝利>
アイスゴーレムはバラバラに砕け散り、動かなくなった

ライナルト「……ごめん、エルカンナ…もう動かないみたいだ…」
リーフ「強かった…」


エルカンナ「…………………。……ごめんなさい…ごめんなさい……私のせいよね…友達なら、ちゃんと治してあげるべきだった…ごめんなさい……。
このままだといずれ溶けてなくなっちゃうから、お墓も作れないな……帰らなきゃ……みんな、帰ろう…」

リンアイ「氷の生き物だからね。流石にどうしようもないな」
ケシェット「溶ける前に集めるのはどうだろう」
フローラ「エルカンナもああ言ってるんだから帰りましょ。寒いわ」



《射手寮》
エルカンナ「…とにかく、今はお礼よね。あの子を止めてくれてありがとう。あんなに大きくなって、周り一面を氷漬けにしてるとは思わなかったわ……。やっぱり私のこと、怒ってたのかもしれない」

リーフ「怒ってた、のかなぁ…」
ライナルト「怒ってたにしては随分大がかりな…それぐらい怒ってたかもしれないけど」
シエテ「エルカンナさん。仕方がなかったとはいえ、僕らは貴方の友達を倒してしまいましたね…すみません…」


エルカンナ「…ううん。友達だったら、悪いことをしてたら止めて然るべきなの。帰りながら考えた。みんなが正しいから、大丈夫…。
…?」

寮の入口から何かが歩いてきた。
それは小さな氷の人形だった。
氷の人形はエルカンナの足元まで来て、見上げた

ケシェット「おや、もしかして?」

エルカンナ「…戻ってきてくれたの……? 私が治す前よりも可愛くなって…ごめん、ごめんなさい、これからは絶対、絶対貴方を傷付けたりしない。ちゃんとお手入れもするし、形が崩れてもキレイに治すわ。酷いことしたのに、戻ってきてくれてありがとう…」

氷の人形は嬉しそうに踊った。

ライナルト「よかった!」
リンアイ「エルカンナの思いは伝わってた、のかな?まあとにかく、戻ってきて安心だ」
フローラ「今後は雑に扱っちゃダメよ。それが命あるものだったら」
リーフ「フローラちゃん、オレも命あるものだから雑に扱わないで」
フローラ「アンタはいいのよ」
リーフ「ひどい」
シエテ「仲間は大切にしないといけませんね…」


後日、ライナルトたちは報酬としてエルカンナから真実のイヤリングをもらった!
人形たちの遊びを完了しました!


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