▽ プロローグ

「今日も迷宮を巡るため、冒険者が育成されている。迷宮の謎を紐解くため、その全てを知るため。
若人は学びを深め、迷宮へ思いを馳せ、学び舎を巣立っていく。

果たして、その先に見えるものは何か?
時に挫折し、死に別れ、苦悩し、全てを捨てることを考える。
あるいは憧れを目指し、出会い、奮起し、全てを手に取る。

見える世界全てが美しくはない。
穢れを持たない者は、知らないのではない。堕ちたくないと、向き合うべきものから逃避をしているだけだ。
そして己の邪魔をする者、忌み嫌う者、不都合なものを排除していく。そうして見せかけだけの美しい世界を作り上げる。
所詮世界は美しさしか求めない。醜さは安易に隠す。穢れなど、悪意などはじめからなかったかのように。

それが世界の正義だとするなら、私はその真逆をいく存在。
穢れ、悪意を露呈し、美しさを覆滅させる。

誤想をするな。私が悪なのではない。己の正義に反するものが悪なのだ。
ゆえに、私は万人を悪と認識する。間違いや正しさ、ルールなど、世間一般の道理に導かれるまま定められたつまらぬもの。それにただ寄り添い己が過ちを犯さぬよう生きるヒトもなおつまらん。世界が孕む負の感情など忘れて、美しさに彩られた生涯を歩む。

そんなもの、万人が望む“平和”とやらとはかけ離れている。ヒトの心の闇と対峙せずして、何が平和だ。
忘却されたものを今一度、思い起こさせてみせよう。
それが私の正義だ
己を信じ突き進んだ先が奈落なら、この心に秘める信念が、正義が、世界と逸脱しているのであれば、私は自らの意思で堕ちる。
万人にとっては理解不能だとしても、これは私が求めていたものだ。

学び舎の少年、少女たちよ。銘記しておけ。誰かが幸を受けることの裏では何かが苦患を浴びていることを。幸福を手に入れるために数多の者を踏み台にした事実を。そしてそれらが生み出した“憎悪”の念を忘れるな。
憎悪、悪意がこの世からなくなることはない。よって争いが消えることもない。それらとどう向き合うか、はたまた利用するのか。世界はその2つに分類される。

貴様は、どちらだ?

何を思い、何を感じ、どこへ向かうのか。
光の道を進むのか
闇へ堕ちていくのか
その末路は、果たして」










《エテルノ学園》
シン「君たち!先日はお疲れ様!で、当然貰ったでしょ!?唐紅の憤怒をね!
いやぁ、どんどん認められてるね。ボクとしても鼻が高いよ。…ボクの、ほしい?まだあげないよ!こう見えてボクの判定は厳しいんだからね!ボクのを渡すときには、君たちは十分立派な、超一流の冒険者さ。
実は君たちに一つ、難しいカリキュラムを用意したんだ。よかったらやってほしいな!」


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