▽ カラヴィヤスへ

レベル:★★★★★★★☆☆☆
記入者:シン・チャオ
「とりあえず校長室に来て。話はそれからだよ」


ユガ「カラヴィヤスへ、ですわね。皆さん、カラヴィヤス学府はご存知です?」

ライナルト「カラヴィヤス学府…?」

ユガ「エテルノ、パルファン、ジャンバール。この3校が主力かと思われがちですが、実はもう1校あるのですわ。それがカラヴィヤス学府です」
シエテ「聞いたことがあります。他の3校よりも歴史は浅いながらも、目まぐるしい発展をし、優秀な冒険者たちを輩出している、紛れもなく強豪校だと」
ユガ「カラヴィヤス学府について、校長先生からお願いがあるそうですわ。急ぎのようですので、至急校長室に向かってちょうだい」
ケシェット「カラヴィヤスか……随分遠いけど、何だろう」

フローラ「名前を聞いたことあるぐらいよ。そういや、オロストンネルとかイルウィアカトルより先には何があるのかしらね」
リーフ「そこにある学校なんじゃないか?」
ライナルト「そんな遠いところにも学校があるんだ…世界地図もあんまり見てなかったな。時間があったらまた見てみよう」



《校長室》
シン「やあ君たち。ちょっと長話になるから、座って座って。早速本題に移りたいんだけど。ユガから話は聞いたかな? 今まで様々な脅威を打ち倒した君たちに折り入って頼みごとがあるんだ。
カラヴィヤス学府。オロストンネル、もしくはイルウィアカトルを抜けた先にある学校なんだ。そこに偵察に行ってほしいんだよ」

リンアイ「いつになく真面目だ」
ライナルト「偵察?そこに何かあるんですか?」


シン「カラヴィヤスは少し前…といっても君たちはまだ生まれてないんだけど。ある日を境に乗っ取られてしまったんだ。それでボクたち学校の管理者は、カラヴィヤスがいつどう動いてもいいように、パルファンとジャンバールと連携を取っている」
フローラ「どうして私たちなの? 他の学校と連携をとってるなら、管理者関係が行けば済む話じゃない?」
シン「そうだね。もちろん偵察隊は別にあるよ。AASO周囲の人たちは皆、偵察隊関係者なんだ。ただ、今までも何度かカラヴィヤスに干渉したりして、ヘタに動くとこっちの作戦が向こうにバレかねないんだよ。だけど何もしないと今のカラヴィヤスがどんな状況なのかがわからない。だから、それを君たちに見てきてほしい。あくまで普通の生徒を装える君たちにしか頼めないことなんだ。道に迷った、とかでも大丈夫だよ。頼まれてくれるかな?」
ケシェット「わかりました。なるべく多く情報が得られるようにします」
リンアイ「……なるほど。スパイみたいな感覚だな……上手くいくといいけど」

リーフ「なんだか怖いな…おっかないところなのかな…乗っ取られた学校…」
ライナルト「道に迷った、で通用するかな」


シン「カラヴィヤスに行くまでの迷宮の通行許可を出しておく。学府付近はかなり危ない迷宮だから、気を付けて行ってきてね」

夢見る浅瀬木霊の渓谷悪夢の丘の通行許可が降りました!

シエテ「オロストンネル、あるいはイルウィアカトル…どちらから行きます?」
リンアイ「どっちから行っても話の流れは変わらないと思う」
ケシェット「メタ」
フローラ「リーフ、アンタのことだから3つの迷宮全部探索してから行こうって言い出すんじゃないでしょうね?」
リーフ「な、なんでわかった…?」
ライナルト「そういうことだと思った。でも校長も言ってたよな、学府付近はかなり危ない迷宮だって」
リンアイ「まあどのみち全部の迷宮には行けるようになるんだから、修行ついでに見てこよう」
ケシェット「しかし…随分遠くまで行けるようになったな」



★ 夢見る浅瀬 ★
観光地となりうる箇所が多いダハ区屈指の美しさを持つ海岸沿い。
夕焼けは言わずもがなだが、日の出を拝むと願いが叶うとも言われている。
訪れる者たちは、海の向こうの大陸にあるものを夢見るのだろう。

★ 木霊の渓谷 ★
多くのモンスターが住まう深い渓谷。
モンスターの鳴き声が反響し、常に渓谷全体に響き渡ることからこの名がついた。
雄大な景色を見に訪れる者も多いが、モンスターの餌食になる危険性を忘れてはいけない。

★ 悪夢の丘 ★
迷宮で力尽き、埋葬されなかった死者がさまようと言われる丘。
聖職者が定期的に訪れ祓いをおこなうが、悪霊たちは底を尽きない。そのため訪れる聖職者は減っている。
開けた場所だが、どこか仄暗さを感じさせる。



《悪夢の丘、木霊の渓谷 突入時》
ライナルトたちの前に何者かが現れた。
女性のようだ

ライナルト「…?どなたですか…?」

ローブの女「……。カラヴィヤスに行く気か? 去れ。ここから先は魔の支配下だ。ヘタに踏み入るとその命すら保証されないぞ」

リーフ「魔の支配下?それってどういう…あっ、行っちゃった」
ケシェット「カラヴィヤスを知ってる…?」


フローラ「……誰?」
リンアイ「さあ…去れ、か。危険なところなのかな」
シエテ「しかし、ここまで来て撤退するわけにはいきません。警告はありがたいのですが、先に進みましょう」

ライナルト「あの人、1人だったな。俺たちでも休み休みでここまで来たのに…どこの冒険者なんだろう」
リーフ「凄い顔立ちが整ってた……多分凄い美人さんだ……」
フローラ「アンタって女性のこと、とことんそういう目で見るわよね」
ケシェット「それにしても、俺たちがこれからカラヴィヤスに向かうことをわかってたかのような警告だね。偵察隊関係者…?」
シエテ「…いえ、単独行動のように見えます」
リンアイ「とにかく先に進もう。あたしたちの目的はカラヴィヤスの偵察だ」



《カラヴィヤス学府》
ライナルトたちはカラヴィヤス学府に到着した
一見普通の学校に見える

ライナルト「カラヴィヤス……他の学校より歴史が浅いって聞いたけど。ここだけ何でこんなに離れてるんだろう」
リンアイ「校舎はキレイだな」


シエテ「此処がカラヴィヤス学府……」
フローラ「何だかひっそりしてるわね…もともとこんな感じなのかしら」
声「何者かな?」

リーフ「は、はひ!見つかった……!?」

セレスティアの男「他の学校の生徒が此処に? 珍しいこともあるんだね。どうしたの、迷ったのかな?」
ケシェット「すみません、この辺りの迷宮は複雑で……本当は帰り道を探していたんですけど、学校らしいものが見えたので…」
セレスティアの男「そうか……日が暮れてきたね。夜にこの付近を歩くのは危険だ。中で休んでいきなさい」


《学生寮》
リーフ「…………………」
ライナルト「(緊張しすぎてもダメなんだけど…これは緊張してしまうな……)」


リンアイ「あっさり寮に案内されてしまった…これはどうなんだろ」
セレスティアの男「お茶も出せなくてすまないね。私はフィリサティ。ここの教員だよ」

ライナルト「フィリサティ、先生」
シエテ「休む場所をくれてありがとうございます。助かりました」


フィリサティ「それにしても、この辺りで道に迷う人も珍しい。ここまで来れるということは君たちは相当強い生徒なんだろうね。君たちみたいな人がここの生徒にいれば、学府はもっと繁栄するだろうね」
フローラ「新入生が出掛けちゃいけないようなヤバい迷宮だものね、この近く」
フィリサティ「実際新入生は自主的な迷宮探索が禁止されているよ。無視して探索に出た生徒も多いけど…本当に危険だからね」

ケシェット「迷宮が危険すぎるから、自主的な探索が禁止されている学校…実習授業も難しいのでは?」
ライナルト「それでも強豪校なんだ…きっと凄いカリキュラムなんだろう」
リーフ「なあ…さっきから生徒たちに凄い目で見られるんだけど…何これ…」


フィリサティ「あんまり外の人が来ないから、珍しいんだよ。本当なら君たちに学校案内をしたいところなんだけど、今は少し事情があって出来ないんだ。君たちが再度来てくれたときには、案内が出来るといいな。
さて、私の話に付き合うのも飽きるだろう?施設は充実してるから、ゆっくりしていって」

フィリサティは学生寮から出ていった

シエテ「……妙によそよそしいですね」
リンアイ「乗っ取られた学校にしては、意外と普通にも見えるな…カモフラージュかな」
ケシェット「詳しく調査をしたいところだけど、変に動きを見せると怪しまれる。此処では誰が敵で誰が味方かなんてわからないんだから」
フローラ「ひとまず夜が明けるまでは出られなさそうね。素直に朝を待つわよ」

リーフ「迷宮が危ないってのもあるけど、ここの夜は怖いな…オレ、寝れるかな…」
ライナルト「寝てくれよ。帰りも長旅になるんだから…」




──翌日

フィリサティ「日が暮れないうちに早く離れるんだよ。夜になると本当に危ないからね。礼はいいよ」
シエテ「ありがとうございます。先生もお元気で」

ライナルト「あ、ありがとうございました!」
フローラ「うーん……いまいちいい情報が得られなかったわね。本当にこのまま帰るの?」
リンアイ「盗人のリーフ。何かわかった?」
リーフ「えええ……緊張しすぎて何か探すどころじゃなかったよ…けど、あの学校は何か隠してる…そう思う」
シエテ「そうですね。学生寮であの雰囲気です。僕らは歓迎されていなかった」
ケシェット「それに、1つ気がかりなんだ。あのとき数人確認できた生徒、そしてフィリサティ先生も、全員光御だったよ。それだけ在籍者に光御がいる学校も珍しくないか?」
リンアイ「実習授業が制限されてる中、強豪校と呼ばれるのには…どういう授業を?カラヴィヤスの卒業生ってどこかにいないのかな」
フローラ「絶対何かあるわね。隠しきれてないわよ」
ライナルト「変に普通だからな…具体的なところまでわかったらよかったんだけど…今回はここまでだなぁ。気を付けて帰るか」




フェアリーの女「フィリサティ先生! さっきの子たちは何? 学府の生徒ではないわよね?」
フィリサティ「ああ。道に迷ったみたいで、日も暮れそうだったし泊めてあげたんだ。半日ぐらいなら構わないだろう?」
フェアリーの女「ふぅん。あたくしは構わないけども。マル様がいらっしゃらなくて良かったわね? このこと、あたくしからマル様に伝えてもよくてよ?」
フィリサティ「勘弁願いたいな。報告するなら私自ら出向くよ」
フェアリーの女「あまり外部の人を入れないでほしいのだわ。鉄則を破ると、貴方もどうなるかわかっているわよね?」
フィリサティ「わかっているとも」
フェアリーの女「マル様は明日戻られるみたいよ。それまでにどうするか考えておきなさい」

フィリサティ「…………。彼らは、一体何故此処に来たんだろう。もしかしたら何かが変わる兆しかもしれない。学府の未来は、誰に委ねられるんだろうか」





《エテルノ学園》
リーフ「帰ってきました!」
シエテ「今回許可された迷宮3つとも探索して帰ろうとすると…随分長い旅路でしたね」


ケシェット「結局あまり情報が得られなかったな……」
リンアイ「でも中に入れてもらえたのは大きいことなんじゃないかな。早く報告しよう」


《校長室》
シン「おかえり! 無事で何よりだよ。それで、どうだった?」

ライナルトたちは事情を説明した

シン「……なるほど。意外と普通に見えるのか。だけどその裏で何を企んでるかはわからない。ボクたちは今までと変わらず警戒しておくよ。またカラヴィヤスについて君たちに依頼をするだろうから、そのつもりでいててほしい。長旅お疲れ様。今日はゆっくり休んで」

フローラ「今度行くことになったら隅々まで調べるわよ」
シエテ「図書室にカラヴィヤスについて載ってませんかね?」
リンアイ「探してみる価値はありそうだ。見てみよう」


《図書室》
ライナルト「カラヴィヤス……今から150年前…えっ、これで一番新しいの?どうなってんだこの世界?」
リーフ「エテルノは250年前だぞ。入学式のときに校長言ってたぞ」
リンアイ「乗っ取られた日時について書いてないかな…まあ、新しい歴史だったらないか」
シエテ「校長の名前が載ってますね…フユイ・ダハ。この方が…写真はないですね。姿カタチを持たない者というのが本当なら納得がいきますが」
フローラ「じゃあ何で他の校長たちはヒトの形をしてるわけ?」
ケシェット「それは校長に聞けばいいんじゃないかな」
リーフ「よし行こうぜ。善は急げだ!」
シエテ「あまりにも急すぎませんか?」
ライナルト「せっかくだから行こう」


《校長室》
リーフ「せんせーー!!!」
シン「ぎゃあーーーっ!!??!?ノックをしなさいノックを!!!!!!君入学して結構経つんじゃないの!?!??!!」
リーフ「すんません」
シエテ「無礼講を失礼しました。校長、貴方についてお聞きしたことがありまして。本来、姿カタチを持たない者とされていますが、それは一体どういうことです?」
シン「ああ〜。そうかまだ説明してなかったね。ボアも、ドバルも、ボクもね、ノームに近い生き物なんだ。ノームって精神体の生き物だってことは知ってる?」
フローラ「ええ。その精神体が本体だから、実体化するのに依代が必要だって聞いたわ」
リンアイ「体が人形っぽいっていう話も聞いた」
シン「ノームは所謂『魂が宿った人形』と考えるのが早いけど、ボクらはその依代を自ら構築して現世実体化してるんだ。依代の元になった人はいるけどね。だけど君たちを見るこの目も、ボクを動かすこの心臓も、流れる血も、まぎれもなくボクが作った、ボクだけのものだよ」
リーフ「…よくわかんないな」
ケシェット「本体は透明だけど、今の校長の身体は校長自身が作ったものだってことだよ。ノームとの大きな違いだね」
シン「ところで、どうして今になってこんなことを聞くの?」
ライナルト「カラヴィヤスについて調べたんです。そしたら校長…フユイ・ダハさんの名前が出てきまして」
シン「…フユイか。まあ、そうなるよね。今はね、不可解なことに、現世にフユイの霊気を感じない」
ケシェット「どういうことですか?」
シン「いないんだよ。この世に。消滅したのか、どこかに封印されてるのか知らないけど、とにかくいない。カラヴィヤスが乗っ取られた後からね。事実確認が出来てないからまだ生きてると信じたいけど…どうだろね」
フローラ「カラヴィヤスの先生はあのセレスティアしか会わなかったわ。他にもいるんだろうけど、どうなってるのかしら」
シエテ「次に行く機会があれば、隙を見て色々と…」
シン「まあまあ!無理はしちゃダメ!君たちが捕まったら元も子もないから!今回の、その中に入れたってことだけでも大きな収穫なんだよ。カラヴィヤス、そしてフユイについては、また何かわかったことがあったら連絡するからね」
リンアイ「わかりました。色々とありがとうございます」

ライナルト「校長たちの種族についてはわかったけど…フユイさんって依代を構築してないのかな」
ケシェット「依代の元となった人がいるってシン校長は言ってたけど、その人がいない、とか?」
フローラ「どうやって決めるのかしらね、その依代の元の人って」
シエテ「それぞれ違うんじゃないんですか?まあ当然ですけど」
リンアイ「あたしもよくわかんなかった。けど、カラヴィヤスが危ないってのはわかるな。フユイ校長がこの世にいないっていうのが本当なら」
リーフ「おっかねえなぁ…」
ライナルト「今日はもう寮に帰るか…明日からまた様子見よっと」











フェアリーの女「おかえりなさいませマル様!」
???「アスファル。花園の瘴気の濃度はどうなっている?」
アスファル「現状維持なのだわ。どうします? 現時点でも狩人の森へ行き渡らせることは可能よ?」
???「いや、学府の膳立てが揃っていない。私が指示をするまでそのままにしておけ」
アスファル「わっかりました〜!
あ、そうそう、マル様。先日、ここの生徒ではない子供たちが訪れていたのだわ」
???「……何?」
アスファル「フィリサティは道に迷っていた、と言ってたけど、わざわざここまで何をしに来たのかしらね」
???「さてな。学府付近の迷宮は並大抵の生徒では突破など不可能、冒険者ですら度々命を落とす。この度の生徒は何かの差し金と捉えていいだろう。
内を探られないよう、これ以上部外者の侵入を許すな。フィリサティを呼べ。奴から詳しく話を聞く必要がある」
アスファル「了解なのだわ!」

???「……あれから80年。随分と遅い刺客だ。この折に何を考えている…? まあ良い。その程度では私を止めることなど叶わん。
アマネセル……貴様は私が必ず──」

カラヴィヤスへを完了しました!


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