「……という訳で、転校生の海瀬光織さんだ。慣れないことも多いだろうから、みんなでフォローしあって仲よくな」
「宜しくお願いします」
パチパチと儀礼的な拍手。
クラス中の視線を一身に受けて、光織は冷や汗をかいた。怖い。
「海瀬の席はあそこ、あの派手な頭した奴の隣だ。おい―――李厘!」
派手な頭、と聞いて直ぐに視線が窓際最後尾に走る。
そこには確かに不思議な色合いの―――金とも黄色ともつかない、双方の中間色のような―――髪の持ち主が、豪快に机に突っ伏していた。
周りの生徒がクスクスと笑いながら彼女を揺らす。
「……にゃ?……あれ、センセーどしたの?」
まだ意識が完全に覚醒しないのか、【李厘】と呼ばれた少女は大きな欠伸と共に伸びをする。
「眠いのは分かったからな、朝のHRくらい起きてたらどうだ」
「だってまだ9時だよー?」
「……まぁいい。転校生の海瀬だ。お前の隣だから、色々教えてやれ」
「オイラの隣?」
途端に彼女は満面の笑みになり、教壇に立つ光織に大きく手を振った。
「オイラ李厘だよ!よろしく!」
授業は光織が以前通っていた高校の方が進んでいたらしく、焦ることもなく取り組めた。
移動教室等もクラスメイト達の後ろにくっついて行けば迷うこともなかったし、皆、気にはしているのだろうが光織の瞳の色については触れずに、親切に接してくれた。
「やったぁ!お昼だあっ!!」
四時限目終了のチャイムと共に、隣の席で寝ていた筈の李厘が飛び起きた。
「光織!一緒に食べよ!」
「、うん。」
褐色の肌の少女はぐいぐいと光織の腕を引っ張り、前の方に固まりを作っていた数人の環に光織を押し込む。
「わ、」
「じーっと座ってても友達は出来ない!ってことで、オイラの友達紹介したげるよ!」
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