あの花はどこに咲いていたっけ

ワスレナグサ


黒子と火神が現れてから三日目。今日も特に変わりはない。朝から火神に少し距離をとられていたことぐらい。中身が高校生だとわかっていても見た目が小さいからついつい子供扱いしてしまう。今日は何をするかと尋ねると当然バスケだと元気な返事が返ってきた。バスケットコートに向かうと小学五、六年生位の先客がいた。どうしようかと悩んでいると火神がその子たちに話しかけていた。どうやら混ざって遊ぶようだ。火神が黒子を手招きして紹介するが黒子に気付いていなかったようで驚いていた。黒子の影の薄さは健在だ。昨日思ったように火神と黒子のプレイは小学生の子たちとほぼ技術は変わらず、良い戦いをしていた。改めて二人の凄さを実感させられた。試合をしている二人はすごく輝いて見えてこっそり動画を撮ってみた。家に帰ったら見せてあげよう。何だか頭が痛い、そういえば夜から天気が崩れると予報で言ってたな。雨が降る前に帰ろうと夕飯の食材を買うためにスーパーへ向かった。スーパーから出ると雨がぽつぽつと降り出していたいたが本格的に降り出す前には間に合いそうだ。

「ギリギリでしたね」

玄関のドアを開けて二人が家に入る。

「予報では明日の昼まで雨みたいだし、止まなそうだったらどこか出かけようか」

「何処かって?」

「特に行きたい場所はないんだけど、暇かなって」

「僕は図書館に行きたいです」

「図書館かー、漫画読めるならいいぜ」

そういえば黒子は本が好きだったと原作の知識を思い出す。じゃあ明日は図書館に決定!と行く場所を決めて夕飯に取りかかった。早く帰ってきたのでみんなで作ろうと今日は餃子にした。火神が料理上手なことは知っていたので安心して皮を渡してみたがやはり上手い。反対に黒子はあまり細かい作業が得意ではなそうだ。完全に偏見だが黒子の方が器用なイメージで火神の方が大雑把。顔に出ていたのか黒子に火神くんの方が料理は得意なんですよ、と教えてもらった。

「私餃子の羽ってうまく焼けたことないんだよね」

「簡単だから今日は俺やるよ」

「火神くんおっとな〜!」

「羽が作れると大人なんですか?」

「いや言ってみただけ」

具を皮に包んだ完成品を持って台所に移動する。コンロには少し身長が足りないようで踏み台を置いてあげた。火神は手際良く餃子を並べて焼き始める。それを私と黒子が少し離れた場所から見ていた。

「苗字〜!もうできるから皿取ってくれ」

「はーい」

火神にお皿を渡して少し重そうにフライパンをひっくり返した。

「ちゅ、ちゅごい!綺麗な羽ができてる!天才だよ火神くん!」

「まあ、これぐらいは当たり前だな」

「ドヤ顔しないで下さい火神くん」

褒めちぎると照れたようだった。

雨のせいで頭が痛い、二人が寝た後に何か手かがりはないかと黒バスを読み直そうと思ったが今日は早く寝ることにした。お風呂を済ませてから三人で布団へ潜る。ベッドのサイズはダブルなので大人一人と子供二人には充分なサイズだ。今日は私、黒子、火神の順番で、黒子に抱きつくと恥ずかしいです。と言いながらも火神のように逃げられはしなかった。

「明日は図書館に行ってのんびり過ごそうね」

「僕の知らない本があるか興味が湧きます」

「雨止んだらバスケしようぜ」

「本当にバスケ好きだね」

黒子の温かい体温を感じながらいつの間にか眠りについた。

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