あの花はどこに咲いていたっけ
ワスレナグサ
「……おい!おい、起きろ!」
身体を強く揺すられて目を覚ます。
「火神くんは朝から元気だね、おはよう」
いつものように挨拶をしてから背筋を伸ばすとパキパキと骨が鳴った。よっこらしょと歳くさく上半身をあげるとそこにいたのは火神ではなかった。
「お前誰だよ」
「………………は?」
そこにいたのは小さくなった青峰大輝と桃井さつきだった。
「ちょ、ちょっと待って頭が回ってないんだけど、火神くんと黒子くんはどこ?」
「お前黒子のこと知ってんのか」
「知ってるっていうか、その…」
黒子という言葉にピクッと眉が動いた。自称青峰は私を警戒しているようで睨みながら後ろに自称桃井を庇うように立っている。自称というか青峰と桃井で確定なんだろうと思う。まだ私も現状は理解できていないが青峰と桃井を落ち着かせる方が優先だ。
「えっと、とりあえず二人は青峰大輝と桃井さつきで間違えない?」
「!!なんで私たちの名前知ってるんですか」
怯えながら小さな声で桃井が答えた。
「本人で間違えないのはわかったんだけど、ここに黒子くんと火神くんは居なかった?」
「知らねぇ、起きたら俺らはそこのベッドで寝てて身体が縮んでた」
「あー、そう、そうなのね…」
黒子と火神がいないということは無事に元いた世界に帰れて、代わりに青峰と桃井が来てしまったのかと予想する。
「ひとまず何が起きたか説明するから向こうの部屋に行かない?」
リビングに移動してから二人にお茶を出すがまだ警戒しているようで手は出さない。初めの頃の黒子と火神のようだ。なるべくわかりやすいように黒子と火神の身に何が起きたかを説明する。本来ならこんな話は信じられないが、二人の身体が小さくなっている時点でありえないことが起きていることは事実だ。それでもまだ信じられない二人に黒子と火神が家に来てからの写真や動画を見せた。
「え、これテツくん!?可愛い、可愛すぎる!これ私にも貰えますか!!!!!」
黒子の写真になった瞬間桃井がグイッと身体を乗り出して画面に釘付けになる。流石黒子廚の桃井。そこに食いついて欲しいわけではなかったが桃井には信じてもらえたようだ。
「あまりにもぶっ飛びすぎてる話だが、俺たちが小さくなってることを考えると異世界にきたって話も信じられなくはねぇ」
「何が原因でこんなことになったのかわからないけど、二人がこっちいる間は面倒見れると思うからその辺は心配しないで」
「私は信じます!だってこんなに可愛い子はテツくんしか知らないもの!」
「落ち着いてさつきちゃん」
「まあひとまず宜しくな」
「改めて宜しくね、苗字でも名前でも好きに呼んで」
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