あの花はどこに咲いていたっけ
ワスレナグサ
花宮の良さについて少し語ったが全然わかってもらえないようだ。解せぬ。何だかんだ話し込んでいたが時計の針は14:00を指していた。昨日から降っていた雨はすでに止んでいて頭痛はいつの間にか治まっていた。
「青峰くんの服は、火神くんので何とかなりそうだけど、さつきちゃんの服はないから買いに行かないとだめかな〜」
「私は何でも良いですけど、わざわざ名前さんのお手を煩わせるのは…、あ!あのテツくんが着てた服ってまだありますか?」
「彼らがトリップしてきた初日に着ていた服と、買った服ならあるよ」
「それが良いです!テツくんが着てた服!私がそれを買取たいです!!!」
「ちょ、落ち着いて、さつきちゃんがそれで良いなら良いけどスカートとかは流石にないから、テツくんが来てきた服をパジャマ代わりにする感じで良い?」
「良いです!全然良いです!むしろそれでお願いします!ありがとうございます!」
え?え?さつきちゃんってこんな子だったの?想像以上にグイグイきすぎてオバさん吃驚したよ。少し暴走気味の桃井とは裏腹に青峰はソファに寝っ転がって自分の漫画を読んでいた。
二人とも寝巻きだったので青峰には火神の服を、桃井には黒子の服を着せた。黒子の服でも少し大きく今回ばかりは我慢して欲しいと思ったが、ニヤニヤしている桃井を見れば我慢はしてなさそうで安心した。それからショッピングセンターに向かい桃井に合った服を何着か購入する。申し訳なさそうにしていたが女の子の服は可愛くて選ぶのも見るのも楽しい。自分が子供を産むならまずは女の子が良いと思った。まあ、そんな相手はいませんが。青峰に関しては特に買うものが無く、何が欲しいかと尋ねるとまいちゃんの写真集と阿呆なことをぬかすので帰りにテリヤキバーガーを買ってあげた。本来なら今日は黒子と火神と図書館に行くはずだったことを話せば二人も図書館に行ってみたいと言い出した。青峰がグラビア雑誌以外に興味を示すことに驚いていれば、この世界のバスケに興味があるようだ。
「図書館なんて久々に来たけど、本の匂いって好きなんだよねぇ」
畳の匂いや古い本屋などの独特な匂いが好きな人は意外といるのではないだろうか。昔友人にガソリンやマッキーの匂いも好きと言ったら変人扱いされたことがある。ひとまず青峰が興味を示したスポーツ雑誌を探そうと振り返れば後ろにいたはずの二人がいない。勝手に動く青峰を止めようと桃井が追いかけて離れてしまったのだろうと予想する。まあ、図書館の中で危険に晒される事はないだろうと二人の捜索は後回しだ。お目当ての本はファンタジージャンルに区分されていた。転生やトリップ物の小説はあったがやはり実体験のようなノンフィクション本は無かった。似たようなジャンルのオカルト、魔法や黒魔術の本を読んでみるがこちらへ来てしまった原因は分からなそうだ。インターネットや図書館で情報が掴めないなら完全にお手上げ状態だとガックリ肩を落とした。机に突っ伏していると腹が減ったから帰ろうと青峰が戻ってきた。
「何か青峰くんって青峰くんだよね」
「は?俺は俺だろ」
何言ってんだコイツ、みたいな顔で答える彼は自由奔放と言うか、マイペースというか、良い意味でも悪い意味でも青峰は青峰だと思った。
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