あの花はどこに咲いていたっけ

ワスレナグサ


青峰の腹減ったコールにより図書館を後にした私たちは自宅へ向かっていた。帰る途中に来てしまった時の状況を聞けば特に普段と変わらず寝ていたらしい。彼らが現れて4日目だが何一つ手掛かりを掴めていない。黒子と火神は3日間いたから青峰と桃井も3日間で帰れるのではないかと推測した。帰りの車で青峰は寝てしまい、家まで桃井と女子トークというか黒子との惚気話に花を咲かせた。

「じゃあ夕飯作っちゃうから青峰くんとさつきちゃんお風呂入ってきて…って思ったけど流石に中身が高校生同士じゃアウトか…」

「さつきと風呂入ったところで何も感じねーよ、入らねーけど」

「む!私だって青峰くんと入りたくないよ」

「さつきちゃんを女として見れないってどれだけ高望みしてんだよ…もうその辺の女はゴミみたいなもんだよ…」

桃井をブスと言う青峰の感覚は狂ってしまっているのだと思う。大人バージョンというか高校生の姿を生で見たことがないので想像だが、現時点でこんなに目が大きくて顔のパーツも整っていて可愛らしい女の子なのに。話は戻って風呂は別々に入ることになったが、青峰より小さい桃井を一人にするのは心配なので私と入ってもらうことにした。青峰が風呂に入っている最中に夕飯を作り三人仲良く食事をした。

「じゃあさつきちゃん、お風呂行こうか」

「はいっ」

お風呂に入る前に着替えとして黒子の服を渡すと幸せそうにニヤニヤしている。リア充羨ましい。

「そういえばさつきちゃんって黒子くんと本当に付き合ってるの?」

「!!いきなりどうしたんですか!いやテツくんのことはもちろん好きですしお付き合いしたいとは思っているんですど」

「さつきちゃんが黒子くんのこと好きなのはわかったけど、青峰くんとも良い感じじゃあん?だからその辺は実際どうなのかって、ただの野次馬です」

「それみんなに言われるんですけど青峰くんに関しては本当にただの幼馴染みで、恋愛感情は一切ないんです」

「じゃあ青峰くんが彼女連れてきても平気?」

「実際彼女いた時もきちんとバスケに来てくれれば特に何も無かったですね」

「え、まって!さらっと衝撃発言出たんだけど青峰くんって彼女いたの」

「いたみたいですよ、私も相手のことは詳しく調べてないんで知らないですけど告白されて適当にオッケーしてたみたいです」

「適当にオッケーって…まあ、あのルックスならモテるのわかるけど」

「それですぐ別れての繰り返しだったみたいです」

「ひえ〜実際の本カノはバスケってことですね」

原作では稀に日常編もあったが、ほぼバスケのことばかりでその辺りの恋愛部分はあやふやにしか描かれていなかった。桃井の衝撃発言に驚きながらも彼らは彼らで本当に生きているんだなと思った。漫画で彼らの性格や好きなもの、生い立ちなどは知っていたが、実際に生きている彼らのことを私は何も知らないのだと実感した。本当の彼らに会って関わって仲良く過ごしたいという願いは私の我が儘だ。

風呂から出て桃井の長い髪をドライヤーで乾かしてあげる。奇抜な髪の毛には天使の輪が光りサラサラだ。気持ちよさそうに目を閉じる桃井はそろそろ夢の中に行きそうだ。丁寧に乾かしてトリートメントをつけてあげれば一丁上がり。立つのも覚束ない桃井を抱いて寝室へ運んであげた。

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