あの花はどこに咲いていたっけ
ワスレナグサ
「えっと改めまして、苗字名前です…」
水色の子から話があると言われて一先ず部屋を移そうとリビングに向かった。カーペットの上に置いてある小さなテーブルにお茶を置いて向かい合う。その様子をジッと二人に見つめられながら座った。
「僕は、誠凛高校一年の黒子テツヤです。隣に座っているのがチームメイトの火神くんです」
「ゥス……」
水色の子が自己紹介をした後、隣で赤茶の子が小さくお辞儀をした。ふうん、黒子テツヤって言うんだ……………。ん?????黒子テツヤ?黒子テツヤ!?!?火神??火神大我??????ho???????男の子たちから自己紹介をされてその名前に混乱する。
「えっと、、それは黒バスだよね?黒バスが好きなのかな…?」
確かに見た目はそっくり。髪の色もそうだけど顔つきも漫画からでてきましたー!幼少期はこんな感じでしたー!ってわかる気がするけど、けども!!!私の返しに二人は首を傾げる。
「んーーっと、それは本当に二人の名前なのかな?」
もう一度尋ねてみた。
「正真正銘黒子テツヤです。あなたは…苗字さんは黒バス?僕と同じ名前の人を知っているのですか?」
どんな設定だこれは。コスプレというか、なりきりの類か。こんな小さな子までなりきりするって黒バス人気すごいな。自称黒子くんが真面目な顔で答えるのでこれは付き合ってあげた方がいいのかと混乱する。しかし小さな子でも不法侵入は良くない。悪いことはしっかり教えてあげるのが保育士だ。まあ、保育士辞めたんだけど。
「黒バスだよ、黒バス。黒子のバスケ!黒バスごっこじゃないの?あれ?知らない?」
黒子のバスケと伝えても不思議そうにする。理解できていないようだ。口で言うより見せた方が早そうだ。少し待っててと声をかけてから部屋に戻って漫画を数冊手にとり子供たちの元へ戻った。
部屋へ戻って二人の前に座り直す。先程出したお茶には手をつけられていなかった。完全に疑われてて保育士だったのにと情けなくなった。
「この漫画知らない…?」
二人の前に持ってきた漫画を数冊差しだした。
「……これ読んでいいか?…です」
目を開いたあと、狼狽て見える自称火神が指をさす。
「どうぞ」
なるべく優しい笑顔で返事をした。それから二人は漫画を手にとりパラパラと読み出す。自称火神は嘘だろ、信じられねぇと何度も呟きながら目を通していた。十五分位たっただろうか、渡した漫画の全てに目を通した自称黒子が重い様子で口を開いた。
「苗字さん、ありがとうございました。推測ですが僕たちはこの世界の住人ではありません」
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