彼をちらりと見上げると、訝しげな表情をしていた。
「……何か悪い物でも食べたのか?」
「そういう反応なの!? 驚くんじゃなくて!?」
「いや、驚いてはいるが……君らしくないな」
「ちょっと今日は甘えたい気分なんですよ」
私が和久の胸に顔をうずめると、くすっという笑い声がした。
「?」
顔を上げると、そこには目を細めて微笑む和久の顔が。
「……和久こそ何か悪い物でも食べたんじゃないの?」
「……俺が笑ってるのがそんなにおかしいのか?」
「うん」
ため息をついて、いつもの仏頂面に戻る和久。そのまま私の事を抱きしめ返してくれた。
「寒いな」
「うん。また雪降り出してるし」
「外には行けないな」
「そうだね」
他愛もない会話を続けながら、瞼を閉じる。布越しに伝わる和久の鼓動。温かいぬくもり。眠気なんてないはずなのに、目を開けるのが嫌になってくる。