「あのときの感覚は今思い出しても凄く不思議だよ。暗い部屋のカーテンを開けたら、一気に明るくなったような感じでね」
「それは……」
シュウヤくんが何か言いたげに口を開くが、すぐに閉ざす。きっと今の私の顔にはぼんやりと霞がかかったかのような笑みが浮かんでいるのだろう。あぁ、やっぱりちょっと上手く笑えない。まあいっか。
「君のことを意識し始めたら、不思議と壊れた私がちょっとずつ元に戻っていくような感じがして、とても不思議だったんだ」
シュウヤくんという“光”が私の心に入ってきた時、私は始めて自分の心が真っ暗だったことに気付いた。光を知らなければ、闇に気付くことはできないと聞いたことがある。まさにその通りだった。
そして一度光を知ってしまうと、もうそれを手放す事はできなくなる。
真っ白できらきらしていて、目も魂も吸われてしまうような厳かさがあって。自信満々なのにどこか不器用で、意地っ張りなところもあって。
でも私の壊れた世界を、消えてしまった想いを守って直してくれた大切な人。
――私の、好きな人。