保護してくれた彼らは?

目を覚ますと‥‥いつもの風景‥‥ではなかった。
何故か僕は温かい布団の上に寝かされている
いつもある重みは無くなっていて、手足を見ると僕を縛り付けていた枷は外れていた。

それどころか、何故か赤黒くなっていた手足が手当てされていて包帯が巻かれていた。
あたりを見渡すと薬品の匂いと檻のの中ではないことからここは‥‥僕がいた船ではないということになる。

彼らは‥‥一体何者なのか?
海賊か海軍か‥‥。
後者であってほしいと心なしか願うばかりである
だがその願いは数秒で打ち砕かれることとなる。

コンコンとノックした後誰かが入ってきた
僕は思わず寝たふりをするため目を閉じる

「‥‥まだ目が覚めてないのか‥‥まぁ、明らかに栄養失調だし、手足の傷もかなり炎症が酷かったし
ずっと監禁されていたようだから‥‥疲労もすごかったんだろうな‥‥

まだ、チビだし当たり前か‥‥。
まったく、ガキ相手にヒデェことしやがるぜ‥‥」

なんていう声が聞こえた。
どうやらこの人は、医学の知識があるようだ。

「‥‥?」
パチっと目を開いてみると僕に気づいたのかこちらをみて少し驚きながらも二ィと笑みを浮かべながら「お、起きたのか?坊主!」とこちらに近づいてきた。

「‥‥?」
下手なことを話さないように誰?という仕草をするとわかったのか返事をした

「俺はこの船の船医だ、名を「アレク・ローダート」というよろしくな!お前の名前は?」

「‥‥」

俯きながら黙っていると

アレク「お前‥‥もしかして、話せないのか?」
どう反応していいかわからず口を開けて声を出してみると「あー」という声も出ずパクパクという口パクの音しか出なかった。

確かに今まで誰かと話すなんてことを長いことしてなかったから声を出すことを忘れちゃったんだなと思う。

僕は頷くと神妙な顔をして口を開けてみろと言われて口を開けると

アレク「‥‥喉には異常はねぇみたいだな‥‥恐らくずっと監禁されていた影響で心身的ストレスで声が出なくなっちゃったみてぇだな‥‥

大丈夫回復していけば声もまた出るようになるさ」

元気出せ見たいな励ましをもらいコクンと頷いた。
ガシガシと僕の頭を撫でているとバタンと乱暴に開かれた扉から上半身裸のそばかすの男の人が入ってきて体がびくっと反応した

「おっ!お前、目ぇ覚ましたのか!!よかった!」

太陽のような笑顔でニカっと微笑みこちらにずかずかと向かってくるこの人はどことなく見たことがある…どこだっけ?
そんな彼を溜息を吐きながら止めに入るのはアレクさんだった。

アレク「おい、エース。患者がいる時にノックもなしに入るんじゃねぇってあれほどいったじゃねぇか!!」

エースと呼ばれたその男の人は「はは、ワリィワリィ」と悪びれもなく軽くあしらうとベッドの横にある椅子にドカッと座った。

エース「どうも、俺は「ポートガス・D・エース」ってんだ‥‥お前がこの船に来てからもう二日も経ってんだぜ?
気分はどうだ?お前の名前は?」

パクパクと口を開けて声を出そうとするもヒューヒューというかすれた声しか出なかった。

アレク「どうやら、こいつ声が出ねぇみたいです」
エース「‥‥どいうことだ?」
アレク「恐らく、精神的ショックか、ストレスの影響でしょう‥‥いい環境で生活をしていけば声は戻るはずですが‥‥」

エース「‥‥そうか、お前字はかけるか?」
文字なら‥‥アランさんに教えて貰ったからかけるので頷くと紙とペンを用意してくれたのでとりあえずお礼と名前を書く。

《助けてくれて‥‥ありがとうございます。
僕の名前は「souma」です」》

ぺこりとお辞儀をするとエースさんも「これはどうもご丁寧に」と帽子を押さえながらぺこりとお辞儀を返す

エース「ソウマっていうのかいい名前だな!

お前‥‥なんで海賊に捕まってたんだ?」
アレク「お、おいエース‥‥汗)」

いくら何でもドっ直球じゃねぇかと冷や汗書きながら二人のやり取りを見守るアレクさん。

《‥‥僕は東の海のとある小さな孤島にいたんですが、あの海賊が襲ってきて住職さんたちを襲って僕を誘拐したんです‥‥》

エース「へぇ、東の海の出身だったのか!俺もだ!」
いっしょだなとまたニカっと笑う。

《‥‥誘拐されて僕はずっと枷をつけられて監禁されていました。彼らは別に僕を傷つけることが目的ではなかったようで暴行を加えられることなかったんですが‥‥

どうやら彼らはとある海賊と取引をしていたらしく、その海賊に引き渡すために「新世界」へ向かっている途中で》

アレク「なるほど、俺たちに襲撃されて今に至ると‥‥

ちなみにその取引相手の海賊っていうのは‥‥誰かわかったのか?」

《‥‥確か「ジョーカー」という名前の海賊だそうです》

エース・アレク「「っ!?」」

エース「‥‥ジョーカーなんて海賊いたか?」
アレク「おいおい‥‥それって裏の海賊じゃねぇか?」

二人「《裏の海賊?》」

こてんと首をかしげる二人に頭をかきながら、ガクリと頭を下げて

アレク「おちびがわからないのはわかるが、なんでエースが知らねぇんだよ!!
ほら、「スカル」が言ってたじゃねぇか‥‥

あの「王下七武海」の一人で裏の社会じゃ有名な「ドンキホーテ・ドフラミンゴ」っていう奴だ!
裏の社会じゃ、「ジョーカー」としての異名を持っているという話だ!」

エース「‥‥王下七武海‥‥?あぁ、確か俺んところにも勧誘の話があった例のあれか‥‥。
まぁ、蹴ったけどな‥‥二ィ)

それにしてもなんでお前そんな奴から目ぇつけられてんだ?」

何かしでかしたのか?と聞かれて一生懸命首を振る。