スペード海賊団

エース「そうか‥‥」
アレク「それで船長、こいつどうするんです?」

エースさんが「そうだなぁ」と顎に手を当てて考えているところで《船長?》と聞くと「あぁ、まだ言ってなかったな!」とニカっと笑いながら続ける。

エース「俺は「スペード海賊団」の「船長」「ポートガス・D・エース」ってんだ!

これでも「火拳のエース」っていう異名もついてるんだぜ?」

《か、海賊!?あなた‥‥海賊だったんですか?汗)

もしかして、‥‥ここは、海賊船?》

アレク「‥‥あー、そうだが、そんなに怯えるな。
別にお前を取って食ったりしねぇよ‥‥心配するな
東の海まで送るのは流石に‥‥ちょっと無理だがな‥‥なんせ、ここはもう新世界に入っちまってるんだ

そこまで戻るの出さえかなり困難だっていう話だぜ?」


エース「まぁ、とりあえず。お前の怪我が落ち着くまでこの船にいろよ!治安のいい島でおろしてやるからよ!」

どうやら彼らは、いい人たちみたいだけど‥‥。
それもまた演技かもしれない。
メダリオンのことを話してしまえば、僕を手放すことをしないはずだし。
島におろしてもらえるまでこのことは秘密にしていよう
僕は服の下にあるメダリオンをぎゅっと握りしめて頷いた。

アレク「ちなみに、お前の怪我は全治そうだな‥‥痣でもここまで炎症してるんだ、一か月ってところかな
それまでは薬を塗って包帯を変えながら様子を見よう
いいな?」

アレクさんは何だか、ソウタさんみたいでとても優しい人で素直に頷く。

あれから一か月僕の身体の怪我は完治した。
スペード海賊団の人たちは、とてもいい人たちだ。
船長のエースさんは、“話さない”僕にも優しく気にかけ世話をやいてくれた。

アレクさんは少し荒っぽいが、とても優しく怪我の治療にあたってくれる。
スカルさんという方は僕をさらった本命の海賊のことを勿論知っていたためその話を聞いていた。
外見は髑髏の仮面?をかぶっていて初めて見た時は驚いたけど話してみるとそんなに怖くない人で、寧ろとても優しい人だった。

エースさんたち曰く、「海賊オタク」だそうだ‥‥。
海賊についてはスカルさんに聞いた方がいいと教えてくれた。

他の船員は総勢で20名弱いるそうだ。
僕の立場的には「次の島まで保護」ということで僕は船に居候している。


僕は、完治したので船のお手伝いをしている。
洗濯したり、ご飯を手伝ってみたり
手先が器用だから何かを作ってみたりして何かと楽しんでいる。

僕の一日での流れは
早朝は、洗濯物をしていい天気の日は干している
あとは、汚れている場所があったら掃除してみたり
お昼はご飯を食べて、船員さんとお話ししたりして僕の好きなことをする。何かを作ったりするのが好きだ。
からくりとかね!
洗濯機みたいのも作ることができたので活用してもらっているあらゆる部品から作り上げたのだ。

まぁ、勿論素人には三次元にあるような洗濯機を作るなんてことは不可能だけど
僕の頭の中にはいろんな知識が詰め込まれている
一度読んだ本の内容は忘れない。
全て記憶し、覚えている。だからこそその沢山の本の情報をもとに作ってみたのだ。

大工さんに協力してもらったりしてね!
あとは、皮むき器なんていうのも発明したりして皮むきがだいぶ楽になったとコックさんたちから評判をもらってとてもうれしい!

あとは、お昼寝したりしてる

夜は星空を眺めたり、外の景色を楽しんだりしている。
この世界に来てわかったことがある。

僕には特殊能力が備わっていた。
1つ、瞬間記憶能力カメラアイ
一度見たものを忘れない。ただし、忘れたくても忘れられないデメリットもあり、大人になってもその記憶が時々フラッシュバックして蘇る。

1つ、自然を読む力かぜをよむちから
グランドラインでは、普通の航海術では歯が立たない破天荒な海域で素人が何の知識も得ずに海に出るとすぐに死んでしまうが、この風を読む力は
突然台風や、嵐が来る前兆に変わっても異変に気付くことができ対応できる必須な能力である。

1つ、見聞色の覇気
かなり優れた力が見についているようで人の気配や相手の言動や感情の変化にすぐに気づくことができる。

僕の場合は少し特殊で目を閉じると半径10キロ以上の範囲ならサークルを円で囲むようなイメージをすると相手の人数や強さなど正確さも把握できるようになった。



といった感じだった。まだ、この先鍛えていけば特殊能力がもう一つ増えそうだ。
頑張ろう!!

「おーい、ソウマ」
と笑顔でこちらにやってきたのはエースさんだった。

《どうしたの?エースさん》

エース「あぁ、お前に知らせておこうって思ってな
明日の昼には、島に着く予定だ。
その島が安全ならお前との航海が終わっちまうから‥‥
それまではこの船を楽しんでいってくれよ!」

《そうなんだ!でも、大分急だね?》
エース「塩の流れが速まったらしい‥‥だから予定よりも早く着きそうだって言ってたんだ」

《そっか、‥‥エースさんたちとも、もうすぐお別れか‥‥少し、寂しい気もするね!》

エース「‥‥」
何かを言いたげに僕の表情を読み取ろうとするエースさんに僕は寂しい気持ちを押し殺して首を横に振り笑って別れようとするために微笑みかけながら言う。

《でも!エースさんたちは、エースさんたちの旅があるもんね!僕みたいな子供は邪魔になっちゃうから‥‥

それに、僕も使命があるみたいだからね
それを果たすためにエースさんたちとは明日でお別れだ!

それまでは、よろしくね?エースさん》


複雑な表情をしながら「あ、‥‥あぁ」と小さく返してエースさんは帽子を深くかぶり直し部屋に戻っていった
どうしたんだろう?と首をかしげながら荷物をまとめるため僕も部屋に戻った。