平和に行きましょう。

ふたりで奏でる音は未来へ続く


 ゆらゆらと揺れるこの船は何時もは何かと賑やかだが、今は穏やかそのものだった。
 その船上の図書室では二人の男女がいた。

 二人は互いに話す事はなく、ペラペラと本のページを捲り、それに読み耽っていた。時折カチャリと側に淹れてある紅茶を飲んだりしているが、その時でも二人は本から視線を放さず器用に飲んでいた。

「あ、名前さん?」
「……ん?」

 静かなその空間に、一人の骸骨が声を出した。

「先ほどナミさんが言われてたのですが、もうそろそろ島に着くそうです」
「ブルックさ、何で今になって言うの、そういう事を。……で、それは何時ぐらいの話し?」

 内心呆れながらも女は、その骸骨に聞いた。

「もう彼此、30分前だったでしょうか?」
「はぁ?! だったら此所でこんなのんびりしてる暇ないじゃん!」
「ですよねェ。私も何時その事を名前さんに言おうか、ずっと考えてたんです」
「考えとらんでさっさと言わんか!」

 持っている本をバサリと閉じると、目の前の骸骨に青筋を立てながら、チョップを噛ました。


「い゛! 名前さん、痛いですよ!」
「知らん! もう行くよ」

 本を棚に戻し、ティーセットを持ち、図書室を出ようとする女を、長身の骸骨が、チョップされた頭を押さえながらそれを追いかけた。

「あ、ほら名前さん見て! たんこぶ! ヨホホホホー!」
「はいはい。いいから早くしてよ」

 先々と廊下を歩く女に、何故か嬉しそうにたんこぶを見せる骸骨は、歌でも唄いそうな勢いだった。

「ヨホホホホ! あ、でも私骸骨なのに何でたんこぶ出来るんでしょう? ね、名前さんどうしてでしょう?」
「知らんわっ!」

 テンションの全く違う二人が、ダイニングの扉を開けると、この船の航海師からの雷を落とされた。


「あんたら二人一体何してたのよ!」
「ぎゃゃ! すみませんでしたぁ!」

 ティーセットを近くにいたコックに渡すと、綺麗な姿勢の角度で謝罪をした。

「ブルック! あんたは何を聞いてたの!」
「ヨホホホホ、すみません。名前さんといると何故か落ち着くので、つい本に読み耽ってしまいました」
「ほんっとに……。はぁ」

 ヨホホっと言っている骸骨は、航海師に小言を言われてるみたいだが、それを側で見ている女は、先ほどより顔色を良くし、目線をキョロキョロとさせた。


 そんな初初しい表情を見せた女を、少し離れた場所から考古学者がクスリと、何やら嬉しそうに微笑んだ。


-END-

Crash!様お題

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