08
誰か聞いてくれ。
なまえが心配で心を痛めていたぼくだったが、今は少し困った事態に陥っている。
なまえから漫画がきちんと届いているかどうかの確認のラインがきた。
ぼくがその内容に『ところで風邪をひいたらしいな』と返信すると、なまえからはこう返ってきた。
『そうなんです、露伴先生に会いたいです....』
しくしく泣いている絵文字が語尾にそっ、と添えられていて
「ンンンン!?!」
目を見開いた!
ぼくは通知を受け取った瞬間に椅子から転げ落ちたよ!そりゃあそうさ!びっくりするだろう!
ぼくは全身の血が湧き上がる感覚で、自分の両手で顔を覆った。
そしてしばらくスマホを見れないほど打ちのめされていた。
ああああああああなんて愛らしいやつなんだろう....!!なまえ!
今すぐ飛んで行って何から何まで甘やかしてやりたいッ!
なまえ、なまえなまえ。
いまもしかするとぼくのことを考えているのだろうか....。
いやいや、単になまえは人肌恋しいだけだ。でも無理だ。
いくらでも都合よく解釈できる。
息を整えながら返信を考える。
さりげなく具合を伺いたいが、それはなんだかぼくがわざわざ心配しているみたいで躊躇した。
なんだか可愛すぎるので逆にとんでもなく冷たくしてやりたい気もするがそれじゃあ嫌われそうだ。
かといって、『ぼくも会いたい』なんて返信して後であんなの冗談ですよ〜なんて笑われたらぼくは自殺するぞ。
ああ、ぼくも会いたいよ。なまえ。
そう呟きながらぼくは全く真逆のことを君に言うんだ。
どうか臆病にしかなれない、こんなぼくを許してほしい。
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