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「ええ!すごーい!スペイン広場だ〜!」
「なまえ、向こうから回ろう。」
「あ、うん!露伴について行くよ」
「ありがとう」

なんて言ったが。
噴水の前を方向転換すると、目の前に「PRADA」という文字が飛び込んできた。

「(うわぁっ!)」

プラダを着た悪魔、という映画があったなーと考える。コンドッティ通りはブランドも集中してるよ、と露伴が言うのを聞き流しながら真っ直ぐ歩いて行く。
通りを進んで行くとすぐ左に「GUCCI」が見えた。なんと露伴がグッチに入って行くので慌てて追いかける。
なんでこんな平然と入店できるの!?
私が入ったら絶対に冷やかしだと思われる!こわいよ!こわいよイタリア!

「モノグラムの新作も豊富だな....。品数の多さも流石だし、バックがシリーズごとにディスプレーされてる。」

そんな私の気も知らず、露伴は店員さんにいくつか商品を見せてもらったりしていてさらにこわくなった。

次に露伴は向かい側の「Cartier」の前のショーケースで時計を品定めしてたし、同時に少し先を歩いて「Bvlgari」の本店にも足を踏み入れた。
でもあまり気に入ったのがなかったみたい。

最初の交差点を過ぎたら、ヴィトン、マックスマーラ、エルメスも目に入ってくる。辺りから漂ってくるとんでもない高級感にぐらつきそうだ。
コンドッティ通りから、広場へ抜ける道の途中で露伴は足を止めた。

「....あっ!フェラガモだ!」
「ここはメンズだぞ?」
「カッコいい!」

なまえから発せられる「カッコいい」という響きにグッときたのだろう。
普段は買うはずのないフェラガモで、露伴は15万円くらいの財布と靴を買っていた。(ユーロの計算がなまえにはよく分からなかったので実際はよく知らない。)


「ふう、色々見てみたが、何か欲しいものは無かったのか?」
「え、」

ないないない!ある訳ない!と首を振る。
そもそも、イタリアのブランドとかあんまり分からないし....。

「ジェラートが食べたい!」
「そんなことだろうと思ったさ」




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