「何もぶっ叩くことはないじゃあねぇかァ!」

「ジョジョ!」

「わ、違うよエリナおばあちゃん。俺が悪かったよォ....」

私は先ほど、このジョセフジョースターという青年の浴槽へやってきた。
いきなり現れた私に「オーマイガッ!」とオーバーリアクションを取ったジョセフが少し経ってからまじまじと私の身体を眺めているところになんと、エリナさんがやってきたのだった。
可哀想にほとんどとばっちりのジョセフ。
なんだか顔以外はまったくジョナサンには似てはいないけど、エリナさんに頭が上がらないところがジョナサンになんだか似ている。

「じゃあ....私、また何年も後の世界に来ちゃったんだ....」

「なまえ....、久しぶりに会えて嬉しいです。」

「エリナさん....」

たくさん時間が経ってしまって、エリナさんの美しい顔にはシワが増えてしまっていた。だけどやっぱりエリナさんはエリナさんで、変わらず綺麗に見えた。


「ちょ、ちょっと待ってくれ!なぁ、おばあちゃん、俺だけ何も知らないんじゃないのン?なぁ、もったいぶらずに教えてくれよおーッ!」

「ジョジョ....ですがこれは、」

「大丈夫ですエリナさん。私は、お風呂場で出会った信頼できる人達にはこの話をいつもしてますから。」

自分だけが仲間はずれだと口を尖らせるジョナサンの孫、ジョセフに私の世にも奇妙な能力のことを説明する。
すると、ジョセフは「ひえー!やべえ!そんな能力を男が持ったら大変だぜ!!」とあたふたしていた。

「なまえ、せっかく会えたのですから、しばらく私達と一緒に居ませんか?」

「いいんですか....?」

「ええ。ジョジョの話し相手になってやってください。無礼なことをするかも知れませんが....」

そう言ってジョセフを見やるエリナさん。あはは〜と笑うジョセフ。
ふざけた態度だけど笑った顔は、やっぱりジョナサンに似ているなぁと思った。

「ありがとう、エリナさん。」



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