「美しい....」
「は、?」
「実に美しい。シニョリーナ。君はまるでシャボン玉のお姫様のようだね。手のひらに捕まえようとしても、儚くて、ほら、もう消えてしまうだろう?ああ、壊れないように今すぐ君を抱きしめてもいいかい?」
今日は厄日だろうか。
それとも吉日だろうか。ものすごくレベルの高い全裸のイケメンに口説かれている。今。
彼は目の前に現れた私を見て目を見開いた後、すぐに目つきを変えて私の手を取った。
そしてこんな、歯がガタガタしちゃうようなヤバい台詞を言ってくるのだ。
本気で抱きしめられそうだからイヤイヤ拒否すると、「おっと....そんな壊してくれって目をしないで、そんな風に見られたら僕が壊れそうだ」と彼は言った。
いいや、あなたはもう壊れていると思う。
いい加減に苦笑いするのもつらい。
「え、えっと....わたし....」
目を必死でそらしているのに、顔がどんどん近づいてくる。
「もう止まらない....」
「ちょ、ちょちょ、ちょっと!!」
人がイヤだと言っているのに堂々とキスをしようとしてくるこの人をどうしたら良いのか。思いっきり顔を手で引き剥がす。
「シャンプー!リンス!」
「!」
もうそろそろここからは逃げよう。
わたしはすぐにスタンドを発現させた。
「ま、待ってくれシニョリーナ!君の、君の名前を!」
彼が何か言っていたがよく聞こえなかった。世の中には色々な人がいる。
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