「う、うわああああああッ!」
「ごめんなさいいい!」
私は思い切り謝った。
またしても男子。しかもすごく純情そうな男の子の入浴中にお邪魔してしまったらしい。
「紳士として....僕はッ、決して!決して君の、.....あああっ!君のその、この目には絶対にッ、!」
目だけでなく、耳までも塞ぐ勢いで端っこへ逃げていく男の子。
ここのお風呂場はなかなか広く、まるで中世のヨーロッパに出てくるような石像まである。
すごい....。外国かな?
すっかり真っ赤に染まっている彼の顔をじっとよく見ると、なんだか見覚えがあるような....。
「空条さん....?」
「え、クウジョウ?僕はジョナサンだけど.....」
きょとん、とするジョナサンさん。
ジョナサンって!やっぱり外国人だった!
すごい。私はついにスタンド能力で国境まで超えてしまったのか。
「えっ、と、ジョナサン....さん。いきなりでごめんなさい。これは私のスタンド能....」
「あああのッ!それよりっ、服を着てくれないかな!あっ違う!僕が出るよ!今すぐに!」
「へっ!?」
今度は私がきょとんとしてしまう番だった。
ジョナサンさんはサーっとお風呂場から逃げてしまい、私はこの広い空間にただ一人、ぽつんと残されてしまったのだから。
仕方がないから私はとりあえず、シャンプーとリンスを呼び出して、違うお風呂場へ戻ろうとする。
しかし意外なことに先ほど外へ飛び出したはずのジョナサンさんが再びこの扉を開けた。
そしてこちらをなるべく見ないようにしながらこう言ってくれた。
「何が起こってるのかよく分からないけど、いまメイドに何か着るものを借りてくるから絶対にそのまま外へ出ないで欲しい!!!」
「は、はい」
この男の子はとっても優しいみたいだ。
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「本当にびっくりした....僕は夢でも見ているのかと思ったよ。」
「びっくりさせてごめんなさいジョナサン....。」
この男の子の名前はジョナサンジョースター。
イギリス人で、どうやらスタンド使いではないらしい。(私のシャンプーとリンスが見えないみたいだから)
「それじゃあ君は....不思議な力を持っている超能力者なんだね」
私の突拍子もない話をなんとか信じようとしてくれるジョナサンのことをすごく優しいなぁと思ったのに
あろうことか彼はしばらくの間、家に居るように言ってくれた。
ジョナサンのパパは今、貿易の仕事で遠くへ行っていて忙しく、家でお留守番のジョナサンは愛犬と遊ぶしかなくて少しだけ退屈していたと。
「だから僕、君が来てくれて今はワクワクしてるよ!
日本の話が聞きたいな!」
キラキラ光るジョナサンの目が綺麗で、私はついつい話しに夢中になってしまった。
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