七海の手を取って、じっくりと眺める。分厚い手のひらから伸びる、節くれ立った指は自分と比べると随分と太い。関節のひとつひとつがくっきりと目立って、なんというか、万人が想像する"男らしい手"をしているな。と思う。学生時代はもう少しすらりと細くて、まさしく今の自分のような手をしていたような記憶があるので、日々の戦いの中で作り替えられていったのかと、小さく残る傷跡を撫でて、分厚くなった指先の皮膚をなぞった。
七海、と名前を呼んでから、手の甲に口付けてみる。貴方がこれ以上傷付きませんように。小さな祈りを込めた唇は、突然意思を持って動き出した指先に掬われてしまった。