memo

※七海と付き合ってる前提で総受けまでは行かないけど総構われ風味。
好意抱いてる子もいる

伊地知

医務室の扉をノックして、カラリと開く。不在かと思われた室内に居たその人は、緩やかな笑顔を浮かべながらこちらを振り返って、そして瞬間的に目を見開いた。常から大きな瞳がこぼれ落ちてしまうのでは、と馬鹿なことを考えながら促されるままに椅子に腰を下ろす。細くて長い指が、壊れ物に触れるように優しく、確かめるように頬に触れた。傷がチリリと痛む。消毒の準備をしながら、彼は何があったの、と心底心配した声音で尋ねた。非術師と揉めて殴られたのだと、深刻にならないように伝えると、眉を下げながら切れた口の端を消毒していく。再びそっと頬に触れられて、真正面からまじまじと見つめられてしまい、綺麗な顔が至近距離にあると思うとどうにも緊張してしまった。妙な汗をかいた気がする。やっぱ腫れてるね、と言いながら氷嚢を用意する背中をぼんやり見つめていると、伊地知はなんにも悪くないよ、と声をかけられて、なんだか漸く息を吸えたような心地になった。自分で思っているよりも疲れていて、傷付いていたのかもしれない。ありがとうございます。と返事をすると、細くて長い指の背で頬を撫でてから氷嚢を押し当てられた。