「お前が好きだ。付き合ってほしい」
もう何度目だろうか。こうやって、らしくもなく自分の気持ちを素直にぶつけているのは。
最初こそ、言おうか言わまいかで悶々としていたにも関わらず、今では恐いものなんてないかのように、口から溢れるようにその言葉を紡いでいる。聞き飽きるほど、何度も、何回も。
オレはコイツのことが好きで、付き合いたいと思っている。独り占めしたいと思っている。だけど、そんな気持ちこそ誰にも負けはしないと思っていても、彼女が応えてくれるとは限らない。それがいい加減、苦しくもあった。
そして、これが何度目だろうか。
たぶんダンデと勝負して、負けた記録に並ぶくらいだと思う。何回も告白するということは、つまりオレの連敗記録は更新され続けているということでもあって。悲しいことに、惜しいところにすらたどり着けない。
彼女は今日も、ゆるくかぶりを振った。
「・・・ごめんなさい」
今日も彼女は、オレの言葉に対して悲しそうな表情で頭を下げる。
なんでそんな顔で拒むのか。なんでオレを見ようともしないのか。下げられた頭を無理矢理向けさせて視線でも合わせれば、話は変わってくるのだろうか。「なんでそんな顔してるんだ」そう言って唇を寄せたら、彼女は応えてくれるのだろうか。
最近は、そんな妄想に囚われていることが増えた。口と表情には出せないが、内心だいぶ参っているらしい。まあ、報われない恋に慣れていないからと思うことにした。
スマホロトムが、ふわりと宙に浮いてオレの写真を撮った。なにを撮ったんだと詰め寄ろうかと思ったが、確かに今のオレは"負けている"状況だ。掴んだロトムをそっと宙に戻し、申し訳なさそうに目を伏せる彼女の肩を軽く叩く。上げられた視線は、相変わらずオレの好きな色をしていた。