氷がひと粒、浮いている

 私を含めた五人が状況を呑み込めずにバルガス先生の姿を見て目をぱちぱちさせていれば、「ひょっとしてオレ様の正体に気づいていなかったのか?」と大声で笑う。バルガス先生とわかったうえで、こうして全身が見えるようになったうえでかつ状況が把握できないなか物申したいことといえば、いくら化け物に見えるようにしているとしても、ファッションセンスが皆無すぎる。

「――お前たちが恐れ、そして勇気を振り絞り立ち向かった強敵こそ……このオレ様……バルガスだ!!」
「は〜〜〜〜〜〜!?」

 そしてバルガス先生が、未だに目を丸くしている私たちを見てマスクを取り、正体を明かせば皆の驚きの声が森林に響き渡った。ドッキリ的なやつなら、いったい誰が仕掛け人でどこまで演技だったのだろう。各々が頭を抱えたりと困惑の色を見せるなか、バルガス先生は一旦キャンプ場に戻ることを提案した。

 ◈◈◈

 五人でヘトヘトになりながらもキャンプ場へと戻ると、一時間前はあんなに閑散として寂しかったキャンプ場は元通り、生徒も全員揃っていればざわざわと雑談をしているようだった。私たちを庇って襲われたリドル先輩も、毛布を取りに行ったっきり戻らなかったジャミルさんやエペル、シルバー先輩も、全員が焚き火を囲っているようだった。

「気づいたら、森の中の木に縛り付けられていたんだ……」
「ボクもだよ。――ついさっき、ゴーストたちに縄を解いてもらったんだ」
「ナマエにラギーサン、いったいどこへ行ってたんです……? というか、何が起きたんですか?」

 襲われた皆が襲われていない私たちより綺麗な、傷ひとつない状態でいることに安堵しつつも、何が起きたのか聞きたいのは私たちの方だ。私もラギーさんも首を横に振って、何が起きたのかわからないと伝えれば、いつの間にやらいつも通り私たちの中心に立ったバルガス先生が、変な服装はそのままに私たちに呼びかけをした。

「全員揃ってるな!」
「バルガス!?」

 その突然の登場と、恐らくあの服装に驚いたように目を見開いているのは私たち五人以外の生徒で、あ、そうか、私たちと闘っていたからきっとリドル先輩たちは黒い影の正体を知らないんだ。辺りはざわざわして、状況を整理するのに必死だったようで、バルガス先生が直々に起こったことについて説明してくれるそうだった。何やら、たった今最終課題が終了した、とのことらしく。

「最終課題は……『闘』!」

 未知なる危機や障害――仲間が行方不明になったときにどのように対処するかを見極めたらしく、それで色々腑に落ちた。昨晩に含みのある言葉をいくつか言っていたバルガス先生に、運良く各部活に一人ずつは残った。きっと私はセベクに庇ってもらっていたから、たまたま残った具合なのだろう。すべてバルガス先生の作戦で、いや、それにしてもバルガス先生って本当に強すぎるのでは。

「ちょ、ちょっと待ってくださいッス!」
「ということはまさかエースたちがいなくなったのも先生が……?」
「うむ、そうだ! 課題をサボっていた者たちは、最終課題を受ける価値なしと判断し……教育的指導を行った! ――森の中にある山小屋でひたすらスクワットをさせている」
「ふっ」

 そちらは最終課題以前の問題だっただろう。スクワットというのが結構じわじわと面白くなってくる。トラッポラはまあ、まだ想像がつかないことはないのだけれど、レオナさんがゴーストの言いなりになってスクワットしてるの、面白すぎるかもしれない。というかやっぱり山菜の採取をサボっていたらしいトラッポラにはまあ、呆れるというか。フロイド先輩に絡まれたときは助かったけれども。
 一同がほっとした様子を見せている間にも、バルガス先生は緊張感を解かずに咳払いをして、また注目を集めた。

「……それでは、最終課題の結果を発表するぞ」

 ごくり。その場にいた全員の喉が鳴る音が聞こえたような気がした。私たちはバルガス先生を沼に落とすことはできたけれど、それだけだ。特に私ができたことといえば、少し沼に近づけただけで、私のユニーク魔法も先生クラスにもなるとあまり意味がないことだってわかった。緊張で下を向いていると、良い結果が聞こえたような気がした。

「……えっ」
「見事このオレ様を相手に、朝まで全滅することなくやり過ごした。特にラギー・ブッチ。フロイド・リーチ。セベク・ジグボルト。ジャック・ハウル。ナマエ・ミョウジ……以上、五名の活躍は賞賛に値する。オレ様へ近づく日もそう遠くないだろう!」

 すると私たち五人以外から拍手が贈られて、面映ゆい気持ちよりも湧いてきたのは複雑な気持ちで、眉をぴくぴく動かしながら賞賛を受ける。

「……ひとまず喜ぶべきッスよね?」

 ラギーさんもどうやら複雑そうで、けれども四人を始めとして喜ぶ一同に対して喜びきれない自分がいて、もやもやしたまま。私を庇ってくれたリドル先輩も私とセベクを賞賛するように微笑んでいたけれど、やっぱりもやもやはどこか晴れない。
 そんな喜ぶ私たちに、バルガス先生が最後に課したプチ課題は『後片付け』。集合時間に全員が揃っていなかったら廃部だなんて、最後までなんてやつだ、と思いつつも頭の中の大半は複雑な気持ち。解散が告げられて、はあ、と溜息を零しながら目頭のあたりを押さえれば、不意にシルバー先輩に肩を叩かれた。見上げるとまあ、相変わらず端正なお顔立ちをしておられるのでいつだって目の保養になってしまう。それから、リドル先輩とセベク。

「ナマエも最後まで残った。素直に喜ぶべきだ」
「ああ。バルガス先生が強すぎたとはいえ、ナマエのユニーク魔法があったから沼に近づけることだってできたんだ。褒められるのも滅多だろう。ありがたく受け取っておけよ、人間」
「二人の言う通りだ。何より、セベクもナマエも無事で良かった」

 三人の声かけに、珍しく涙腺が刺激されてしまって、視界が滲みきる前にお礼を言ってから、リドル先輩の方を向き直した。それを見て、セベクも同じように姿勢を正すとリドル先輩は、ふ、と笑って、私たちの肩にそれぞれ手を置いた。小さいなりに、なんていえば失礼だけれど、それのおかげで私の力も抜ける。

「二人ともよく頑張ったね。キミたちのおかげで廃部を回避できたよ」
「リドル先輩……。貴殿の働きも、人間にしては賞賛に値する。……助けていただき、ありがとうございました」
「……ふふふ。やっぱりキミは素直なのか生意気なのか、よくわからないな」

 そんな二人のやりとりを眺めているうちに、またじわじわ視界が滲んで、眠れていないからか心が弱っている。セベクとシルバー先輩が何やら言い合いを始めると、今度は私がリドル先輩に頭を下げた。

「私も、庇ってくださってありがとうございました。手当から何から、助けてくださって、本当に……」
「ナマエもよく頑張ったね。ありがとう」

 リドル先輩の、お上品な手が私の頭に乗っかると、軽く髪を撫ぜてくれた。そのひんやりとした体温にまた安心感やら何やらで涙が零れそうになったのを、頭を下げて見えないうちにぎゅっと目を瞑って涙を引っ込めると、衣擦れの音を鳴らしながら顔を上げた。リドル先輩の微笑みを受けて、私も笑って返せば、シルバー先輩とぱちっと目が合った。いつ見ても、角度によって変わりそうな不思議な色。

「ナマエも疲れただろう。俺たちが二人の分を片付ける。ゆっくり休んでくれ」
「えっ、手伝いま……ありがとう、ございます」
「気にするな」

 シルバー先輩は、表情こそ変わらないように見えているけれどどこか口端をゆるめた。
 罪悪感がなくはないけれど、後片付けを他の部員たちに任せつつもセベクと一緒に休んでいたところでハウルやラギーさん、フロイド先輩という例のメンバーが揃ってしまった。セベクとハウルという見た目体育会系コンビがバルガス先生に歯が立たなかったかとを悔しがっていて、それを見ていた二年生二人はそうでもなかったらしい。しかしすぐにラギーさんに冷や汗をかかせたのはフロイド先輩だった。

「ロブスターせんせぇを沼に落とすとき、ユニーク魔法使ってたよね?」
「げ……!」

 その冷や汗の正体はまるで見当もつかず、私とセベクとハウルでラギーさんの心配をする。魔法性は全部私とハウルに渡してもらったし、ユニーク魔法なんて普通の風魔法や水魔法と比べものにならないくらい、ブロットが蓄積される。だとすればラギーさんの状態ってすごく悪いんじゃ……。

「ラギーさん、早くバルガス先生のとこに……」
「ああっ、やめて! 大事にしないで!」

 ラギーさんは焦りに焦って私たちが引っ張っていこうとするのを制止して、軽く二回咳払いをしてからぎゅっと結んでいた口を、仕方なしといったように開いた。

「……あれはジャックくんが狼になったときと同じ。拾った魔法石の欠片を使っただけッスよ」
「え?」
「おい。手元にあった魔法石全部集めて、ウニちゃんとナマエちゃんでそれぞれユニーク魔法二回分って言ってたよな?」

 フロイド先輩が表情を落とせば、ラギーさんは気まずそうに視線をさまよわせながら笑って、口笛を吹いて誤魔化した。私とハウルの分、だけだったのに。……まさか!

「まさかラギー先輩、まだ魔法石を持ってたんすか!?」
「ええっと……まあ、そういうことッスね」

 なんてハイエナだ! 私と同じくらいがめつい、と言って謎に仲間意識を持ってしまっていたのをすべて訂正したい。今すぐに。はあ〜、とわざとらしく深く溜息をつけば、ラギーさんはぎょっとした表情で身を引いた。

「あの状況で魔法石を出し渋っていただと!?」
「私だって全部出したのに!」

 しくしく、副寮長を見習った嘘泣きをするとフロイド先輩が「あーあ、ナマエちゃん泣かせた」と私の肩をぐい、と寄せる。わ、珍しくちょっと、いやだいぶ汗臭いな。ラギーさんは必死に言い訳……ではなく、ただの貪欲さをアピールしているようだった。せめてもう少し上手く隠せばいいのになあ。

「真面目なジャックくんと頑固なセベクくんはバルガス先生に絶対チクるし……フロイドくんも、どれだけ約束したって『気が変わった!』ってバラしそう! ……ナマエちゃんは守ってくれそうに見えてオクタヴィネル寮だし何かと安心できないとこがあるっていうか……」
「ひどいなあ、信用してくださいよ」
「この学園のやつを信用する方が馬鹿ッス」

 まあ、一理あるけれど。自分を犠牲に沼に落として大活躍! のラギーさんが実はユニーク魔法が撃てる量の魔法石を隠し持っていたことにより評価が下がっていく。最初からあります、とでも言ってラギーさんもユニーク魔法を使う計画でいれば、と思ったけれど、そもそも魔法石目当てなんだった。またしても溜息をを零すと、どこからか小さくてかわいいお耳のレオナさんが現れた。ついでに後ろにいるのはトラッポラ。

「相変わらずセコいことしてんな、ラギー」
「お久しぶりっす、皆さん!」

 レオナさんは一番にラギーさんとハウルに絡みにいったので、サバナクローも仲良しだな〜と思いつつも、それ以上に私のすぐ隣にいる大きなウツボからとんでもない圧を感じる。そう、目の前のチェリーレッドの男に対する圧を。

「カニちゃ〜〜〜〜〜〜ん」
「わー……フロイドせんぱーい……。あはは……先輩にすっげー会いたかった……なーんて……」

 にこにこ笑顔からは考えられないくらいの圧というかオーラというか、これには私も感嘆するしかない。流石はフロイド先輩。どうなるだろうとフロイド先輩に肩を掴まれたままに二人の間をきょろきょろしていると、フロイド先輩は未だ笑顔を保ったままのいつも通りの声色で口火を切る。

「オレが真面目に仕事してる間にサボってたんだって? オレに注意しといてよくそんなことできたね」
「だ、だってアレはナマエちゃんが助けを求めたから……」
「あれ? 私助けてなんて言ってないけど……」
「オレもナマエちゃんのそういう声は聞いてねぇけど」
「うーわ……やっぱそういうとこ……」

 確かになんとかならないかな〜なんて視線を送ってみたりはしたけれど、助けを求めてはいないかなあ。嘘だけど。すごくあの場は助かったけれど、それとトラッポラがサボることはまったく別のことだと思うので私からは何もフォローとかはできない。
 そういえばフロイド先輩はトラッポラのこと、絞めるって言ってたなあ、と思えば案の定そうだった。

「つまりそれってさあ、オレに絞められたいってことだよね?」

 完全に表情がストンと落ちたフロイド先輩が私から手を離すと、トラッポラに向かって一歩、二歩とジリジリにじり寄り、それに合わせてトラッポラは一歩、二歩、さらに三歩と下がってから、さっきまでは飄々と余裕ぶって帰ってきていたのに、勢いよく頭を下げた。こればかりはトラッポラが悪いなあ、と思って私はフロイド先輩の機嫌が良いことを浅く願いながら、少し後退するとセベクと横に並んだ。

「お疲れ」
「疲れてなどいない!」
「そういうことじゃないんだけど……吐き気とか、大丈夫?」
「人間に心配されるほど弱くはない」

 労いの言葉だってば。そうでなくてもセベクは特に頑張ってくれたし、きっと疲れているだろう。私のことも守ってくれたり、部の中でも一番活躍していて、廃部にならなかったのは半分以上がセベクの成果なのではないかっていうくらいだ。今回のキャンプでは特に、筋肉以上に馬術部との親交が深まった気がする。背伸びをすればセベクが首を傾げて、それでも背の高いセベクの頭をなんとなく、さっきリドル先輩がしてくれたみたいに撫でたくなって、整髪料で固められた髪を軽く撫でる。

「なっ! なんなんだ貴様は!!!」
「ナマエだよ」
「そういうことを聞いているんじゃない!!!」

 ぶわっ、とわかりやすいくらいに顔が赤くなって、私も自分でしておいて少し恥ずかしいのだけれど、そういえばセベクって末っ子だったっけ。そう思えば、そんな感じがする。褒めたい気持ちとからかいたい気持ちが半々になり、頑張ってセベクの頭にまた手を伸ばそうとすれば、払われ、むっとしてまた伸ばす。
 そんな攻防戦をしていると、サバナクロー寮の二人から少し離れたところにいたハウルが「あ、あの!!」と声を張り上げた。その焦りようと、ハウルの関連性から推測すると、スペードだ。確かに、バルガス先生の言葉からすれば、スペードはサボっていたということになるけれど、あの真面目すぎるスペードに限ってそんなことは考えにくい。

「バルガスの野郎がぼやいてたぜ。『大切なキャンプをサボるような大馬鹿者はお前とトラッポラの二人だけだ!』ってな」
「なっ……!?」

 やっぱり、そうだ。今度こそ本当に事件性が深まっている。バルガス先生がここまでまだ私たちを試そうとしているとは考えにくいし、坑道で迷子になっているにしても、坑道は一本道だ。光の射す方へ歩けば出られるはず。一日近くも帰って来ないだなんて、尚更おかしい。だったらまた、今度こそ得体の知れない化け物に襲われていたりして。そう考えるとゾッとするけれど、ここまで深く考えているのは私だけのようだった。
 ハウルがバルガス先生に報告しようとしていたのを止めたのはフロイド先輩で、それは廃部の危険性が高まるから。そんなフロイド先輩がとった選択肢は、これだ。

「ただの迷子なんでしょ? オレたちでサバちゃんを探しに行こうよ」
「フロイドくん……楽しんでるだけッスよね?」
「……んじゃ、オレもデュースのビビった顔拝みに行こっかなー」
「オレ様も行ってやる!」
「当然俺も行くぜ。陸上部の落とし前は付けさせてもらう」
「……僕も同行しよう」

 こうして今名乗り出たのは、トラッポラとグリム、監督生、それからハウルとセベク。私は正直行くか迷うなあ、と思っていると、フロイド先輩が私とラギーさんとレオナさんにどうするか委ねてきたので、周りを見て決めることにした。集団的心理というやつだ。どう出るかなあ、とハイエナさんとライオンさんを横目に見ていると、答えは明確だった。

「誰が行くかよ」
「行かないッスよ」
「あらら」

 だそうなので、私も正直面倒で行きたくはない。けれど後片付けは任せてしまっているし、一人で時間を潰す方法も知らないし、微妙に迷っているところではある。セベクもフロイド先輩も行くみたいだし、楽しそうといえば楽しそうだけれど。
 すると助けに行く組の説得が始まり、セベクは全体に、ハウルはラギーさんとレオナさんに、フロイド先輩とトラッポラも私の方に攻撃をしかけてくる。

「一緒に行こうよ。デュースのビビった顔見たくね?」
「あんまり興味はないかも」
「魔法石もいっぱいあるよ?」
「言ってもラギーさんほどじゃないので惹かれないかな……ラギーさんとレオナさんが行くなら行きます」

 我ながらまあまあ最悪な人間である。意思がないとかじゃなくて、単純に人が多い方が面白いかな〜といったアレだ。メンバー的に面白いのは決定しているけれど、そこにレオナさんが加わったら特に面白そうで頬がゆるんで、「変な顔になってるけど」とバスケ部コンビに言われたので眉をひそめておいた。その間にもラギーさんは魔法石に釣られて行くことになったらしくて、ラギーさんからレオナさんへの勧誘が始まる。

「レオナさんは来ないんッスか?」
「当たり前だろ。オレとナマエはそう物好きじゃないんでなァ。残念だけどキャンプ場で涙を呑んで待ってるぜ」
「私はまだ迷ってるんですけど?」

 いやあ、レオナさんと二人きりは会話が持つ気がしないなあ。物好きじゃない方にカテゴライズされてしまったけれど、まあまあ人数が多くて楽しそうだし。
 するとライオンさんの飼育になれているラギーさんが、「オレがいない分、残ってるテントの片付けと部員へと指示出しお願いしますね!」と満面の笑みで告げると、五秒程の沈黙を挟んでから、レオナさんは口端をつり上げた。

「……よし。付き合ってやる。感謝しろよ、草食動物ども」
「やった、じゃあ私も行きます」
「今絶対、テントの片付けとデュース探しどっちが大変かはかりにかけましたよね!?」
「ナマエちゃんの動機もきっとフロイドくんと似たようなもんッスね……」

 楽しみなのと、やっぱり集団につられてしまうそれだ。女子なのもあるけれど、そもそもの人間の習性。どこか探検というか遠足というか、キャンプ終了まであと二時間でこうもわくわくするなんて、とフロイド先輩と顔を合わせては、にっと口角を一緒に上げた。

「んじゃ、サバちゃん捜索隊、行きますか」
「行きましょう」
「のんびりしてる暇はないッスからね。早く行きましょう」

 先頭は仕切っているフロイド先輩ではなくハウルとセベクで、私は数歩離れたレオナさんの前でトラッポラやフロイド先輩と雑談を交わしつつも、キャンプ場を抜けた坑道へと歩き出した。
top