在り日の少女の記憶

事件当日

ナックルシティの少し離れた場所に、アパートの一室にとある一家が生活していました
そこには、少し柄の悪い男と、キャバクラにいそうなギャル系の女がいました。
その二人の間には一人の娘がおりました

ご近所からは毎日、女の子の泣き声が聞こえてきたり男女の高い怒鳴り声が聞こえてくると時折通報があったそうだ。
そう、世間でいうと「虐待」をしているのである。

しかし、児童保護相談所は追い返されてしまい保護に至ることはなかったのだ
厳重注意を行い警戒態勢をとっていると近所にも説明している


今まで女の子が外に出てきたことがないようだが、声が聞こえるということで
家の中に閉じ込めているのでは?という噂もある
そんな家の住民がある日突然家族全員で出かける日があったのだ
少女は、固く目を閉じて眠っている
少女は、男が背負っている。傍から見たら仲のいい親子だが…近所の人が親子を見かけたときはじめて女の子の存在を認識したのだ

長袖、長ズボンを冬時期に入るとはいえまだ早くないか?と思いながらもヒソヒソと話す人たちがいる。

お昼ごろにどこかに出かけて行った一家は、夕方子供の姿はなく親だけで帰ってきたのだ
夕方立ち話をしていた近所の人は、子供の姿がないことに「まさか…」と嫌な方向へ感が働いていた。

毎日怒鳴っているあの親が、仲良さげに子供と出かけるなんてあるのだろうか?
子供の安否を気にかけながらもその親を見送った












私は「転生者」である…名前はまだない。
私はどうやらダメな親の元に生まれてきてしまったらしい
3歳ぐらいまでようやっと育ったある日に、前世の記憶を殴られた衝撃で思い出した


私は「22歳」の社会人だった、しかもかなりブラック企業で毎日毎日遅くまで残業し寝る時間なんてほとんどない。
だからだろうか?過労死したかなぁ…と苦笑いしながら冷静に現状を受け止める

そんな人生を歩んでいた私は第二の人生を生まれ直したらしい。
だが、両親には恵まれなかったようでガタイのいい男とギャル系の女の間に生まれたらしい私の体には痣や傷が多数あった

全部服に隠れるほどである
幼いころの記憶はほとんどない、愛された記憶もない
食べ物を与えられた記憶もない。むしろ幼い体で家事をしろと怒鳴り声をあげ命令してくるのだ。中身は大人なので知識はあるため痛む体に鞭を打ちながらかやろうとするが、体は思うように動いてくれず失敗したり、転んだり、作業が遅いと何かと理由をつけて殴ってくるのだ。

そのおかげで前世の記憶を思い出したのだが…。
そんなある日のこと、突然父親と思われる男が「出かけるぞ」と声をかけてきた
そして、遠出になるからと珍しく水分補給をしろと水の入ったコップを手渡された…

突然すぎる行動に怪しみながら喉乾いていたので素直に受け取りコクコクと水を飲みほした。

久しぶりに潤った喉にほっと一息をつくとぐらりと視界が揺らいだ
これは…盛られたなと中身が大人ながらに悟り意識を手放した。




目が覚めると、私は洞窟の中にいた…目の前には視界いっぱいにルカリオの姿があった
……一体、なぜ?

急に現れたポケモンの姿に本物か?と手を伸ばすとルカリオは目を見開きながらもじっとしている。

「……なんで、ここにいるの?」

ルカリオ≪……昼過ぎに人間たちがきて眠っているお主を置いてどこかへまた行ってしまったぞ……≫

声が聞こえた。この声はルカリオの声なの?
それに、私を置いていった…ってそれって……