気持ちが少し落ち着いたらしい包平がソファに座ってチョイチョイと私を呼ぶので、私も包平の隣に座った。曰く、この方が距離が近くて安心する、らしい。
「ここまで来たら、今後のことを話すべきだと思うんだ。俺は今、警察官として警視庁直轄の交番に勤務している。だからあまり公に高校生のお前とその、“そういう意味で”親しくはできない。……それでも良いか?」
「ん、大丈夫だよそのくらい。そんなので揺らぐような想いじゃないもの」
「そうか。……安心した」
いつもはキリッとした眉を寄せてはぁ、と息を吐きながら頭を掻いたその姿は、本当に不安だったのだとよく分かる。再び私をぎゅっと抱き締めた包平は私の頭に顎を乗せると(それでも気遣ってくれているようで全然重くない)、だが、と呟いて腕の力を強くした。
「え、何?」
「いくら俺だったとはいえ、男を易々と家に上げるのは感心しないな」
「あー」
それで最初ちょっと不満そうだったのか、と納得した。
本丸にいた頃はそもそも本丸に入って来る人は限られていたし、私の部屋まで来るのは男士しかいなかったから油断していたなぁ、なんて考える。ごめんね、気を付けます、と返せば、満足したようにふん、と鼻を鳴らした。
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