そういえば、と思い出したことを聞いてみる。


「護衛?って、二人いるって聞いてるんだけど、話を聞くにもう一人はうぐだよね」


私の本丸ができたばかりの初期からいたあの馴染みのチャァを思い浮かべながら言えば、包平はああ、と短く頷いた。


「鶯丸は俺と反対側の家に住んでいる。お前の家の隣の、鶯谷という人間の息子で友成という」


お母さんが言っていた通りだった。

うぐの刀工(生みの親)が友成だったっけね、と聞けば神妙に頷かれたので、怪訝な顔をしてしまう。どうしたの、と聞いて返ってきたのは、彼奴の職業が謎過ぎる、という言葉だった。


「彼奴は、高校の養護教諭をやっている」



意外過ぎた。

予想を大きく斜めに飛び越えていったのはさすがと言うべきか。茶が飲めて良いらしい、という包平の言葉に、ああ、と納得してしまったのは仕方がないと思う。



「彼奴は教職だから今日も普通に仕事だが、明日には会えるだろう。学校に着いたら保健室に行ってみると良い」


はっ?と変な声が出た。それはつまり、もしかしたらもしかするやつですか。そうですか。


「勤め先が確か帝丹高校、お前の通っている高校の筈だ」


ほらぁーやっぱり! でしょうね!

彼奴も喜ぶだろう、と言う包平に私はそうする、と返して、背中に当たる彼の身体に寄りかかって身を任せた。







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