「はい、何でしょう……え?」
朝早くからの訪問者に玄関のドアをガチャリと開けると、私は相手を観て思わず固まってしまった。
大包平だった。
やはりそうか、なんて喜びを少し滲ませながら玄関に立つその姿は何度見直してもやはり大包平で、驚き過ぎた私はどういうこと、と口にするのが精一杯だった。目の前の大包平は私のその言葉に眉尻をピク、と跳ねさせた。
「どういうこと、とは何だ。護衛が俺では不満か?」
「えっ、護衛……ああ!ち、違う違う!びっくりしただけっていうか、護衛とか関係無くただ驚いただけだから、」
「……ふん、そうか。詳しいことは聞いていないのか?」
「え、あー、その、護衛として二人、10年くらい前まで遡って転生させたとかは聞いてるけど」
「では半分くらいか」
「そうなの?っていうか、そうだ、ずっと玄関じゃアレだから、上がってよ」
「……そうさせてもらおう」
何だかよくわからないけど何か不満そうな大包平は、それでも私の言葉に応じて玄関を上がった。
リビングで食卓を挟んで向かい合うという形で座ったはいいものの、何を話せば、と戸惑う。ちら、と大包平を見遣れば偶然目が合って、私が促したように思えたらしく、大包平はポツリポツリと話し始めた。
「俺と鶯丸はあの後、霧島とかいう役人に呼ばれた」
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