そこで其奴から聞かされた。


審神者を辞めることは基本できないが、例外でたまに辞す者がいる。


しかしそういった者はその後、自衛する力が無くなるために遡行軍から狙われることも多いとあの役人は言った。




そして、俺たち二人を呼んだのだと。





つまり、俺たちにお前は護衛をしてほしいと、そういう事だった。理由を聞けば、"貴方は審神者様と随分親しい様でしたから"と。


……ふん、知られていたらしいな。




だが、まあ、断る理由は俺には一分も無かった。お前を守れるのなら、と、そう思って迷うことなく承諾したんだ。






……まさか赤子から人間として人生やり直せと言われるとは思わなかったが。




うん? ああ、そうだ。



赤子から人間をする事になった俺は自分が俺であると幼稚園児の頃に気付いた。意識ははっきりあるのにその通りに動かない身体を何度もどかしく思ったか。


しかしまあなんとか上手くやって、今年で二十六になるが大学も出て今は警官として交番勤務をしている。今日はちょうど非番だ。





昨日夜勤明けで帰ったら霧島が現れたから、もしかしたらと思って来たんだが、当たりだった様だな。








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